はじめに
こんにちは!月詠と申します。
月詠🌸 (@higurashi_moon) | Twitter
この度は足を運んでいただき誠にありがとうございます。
ちょっと公開しようか迷った時もあったのですが、竜騎士先生も考察を楽しんで欲しいと仰っているので、こちらも投稿しようと思います。
1年ほど前に平成ひぐらしのアニメを一気見して沼に浸かった者です。
新作として放送されるのであれば、私も考察やってみたい!と思いつつも
業放送終了まで他人の考察を見るばっかりだったのでこれはいけないと思い、本腰を入れてみたらこんな長文になってしまいました…笑
ちなみに得意な科目は現代文でした。まぁまぁ読みやすくはできたと思いたいです。
ブログの引用OKですが、リンクは貼ってもらえると助かります!
正直のところかなり自信があるこのシリーズですが 、もちろん実際とは違うことを書いていることも十分にあり得ますので、これらが私が至った1つの解答として楽しんで頂けたら幸いです。
全然違ってたら私の敗北を笑ってやってくださいw
また、私の考えは記事を出す度に、少しずつまとまる方向に修正されていってます。
ですから、投稿順に追っていく中で(あれ?)と思う箇所があるかもしれませんが仕様です…
途中で考えが大きく変わった点については別記事のリンクを置いてたりしますが、一旦はそれを無視して最後まで読んでくださった方がわかりやすいかもしれません。
さて。またもや噛み砕いて書いてますのでスーパーウルトラ長いです。
というか、この物語の作りこみが凄すぎる。
頑張って「先が気になる!」って思えるような構成にしたつもりなので
何卒、お付き合いくださいませ。。。
最後に一つだけ、事前にお断りさせていただきますが
私はこの幸せを享受したいと思っているので
解いている内に辿り着いてしまった別の真実については、敢えて書かないようにしていたり、おおよそ等しい言葉に差し替えている箇所があります。予めご了承ください。
めちゃくちゃ偉そうですみません…
では、本編に参ります。
「猫騙し編 其の壱」から順に、最高のゴールに辿り着くまでのカギをひとつずつご紹介いたします。
本気で解答してみる 「猫騙し編〜卒」
【前提】
☆梨花について(※重要です)
・この記事においての梨花の"今"は、「猫騙し編 其の四」の最後、沙都子に銃を向けられた瞬間にある
・解離性同一性障害だった(それらしきTIPS:二重人格??? が存在します。)
☆沙都子について
・ルールXYZが無くなったことを知っている。
・鉄平や鷹野が既に改心していることも知っている。
・解離性同一性障害である。
☆業世界について
・"梨花が今までの知識で惨劇を回避するために動くことによって、新たな惨劇のきっかけが生まれている"
・"基本的には悪い出来事、当人にとって嫌な印象が強い出来事が思い出される"
・"平成ひぐらしにおけるルールXYZは記憶の累積により消失している"
1.世界の構造と読み解くカギの1つ目は?
まずは、こちらの図をご覧ください。
これは、梨花と沙都子と、それを囲む「ひぐらしのなく頃に業/卒」の世界のイメージ図です。
何となくで構いませんのでこの図を覚えておいてください。
※「支配」と書きましたが深い意味はないです笑 頭の中にいるよというだけです。 色はおよそキャラの髪の色です。黄色は眩しい。
そしてこちらも覚えてほしいのですが…
そしてエウアも沙都子の頭の中の記憶媒体であり、鬼狩柳桜の象徴である。
です。
2.数多の作画ミス?とカレンダーの謎
私もずっと気になっていたこの大量の作画ミスのようなものやカレンダー等が、一体何を表していたか。
それは
①記憶の蓄積による世界の混濁
②羽入が消えたことによる梨花の記憶の消失
です。
まず①から説明してみます。
記憶の累積というのは、エウアと沙都子が話していた通り、各キャラクターが別の世界の記憶を蓄積させていくことです。
この現象は郷壊し編以前より発生していた現象で、"今"もなお蓄積され続けているもののため、「ひぐらしのなく頃に業」の世界では一貫してこのような描写がされ続けているのです。
なお、この世界に生きる梨花たちはこの違和感に気がついていないため、あくまでも視聴者向けの比喩表現であると言えます。
この違和感の数々は、結構ミスリードを誘発させてたなぁと今では思います。
私は検証が面倒で深く考えていなかったということもあり、この記事でもそこまで重要視していません。
※6/20 追記
「ちゃんと重要視しろよ私!!!」ってことで、ちゃんと意味を見つけてきました。
「ひぐらしのなく頃に業」全編通してそうなっている理由もしっかり明記したつもりです。
次に②ですが…
主に、カレンダーなどの日付の謎、卒の展開にも深く関わってくる重要な事項になっています。
こちらについては、後ほど詳しく書きます。
記憶媒体である羽入がいないから、その世界の記憶が正しく梨花の頭に読み込まれない。
これだけ頭の中に入れておいてもらえたらと思います。
※テキストファイルをたくさん溜めておいた外付けの大容量SSDがある日突然無くなっちゃって、容量の少ない本体記憶媒体のHDDだけしか使えなくなっちゃった。みたいな感じです!
説明難しくて…伝わっているでしょうか…
3.猫騙し編 其の壱
ここからは、祟騙し編から続く「猫騙し編」を順に読み解いていきます。
大石に殺された梨花は、カケラ世界で再び羽入の残り香と会話をします。
誰に殺されたのか覚えていることに疑問を感じた梨花は、彼女に問いかけます。
すると
「この世界に残っていた力をすべて使い、あなたの能力を一時的に修復しました。これで、世界を繰り返すときに記憶の一部を失うことはなくなったはずです。」
そう答えました。
そしてその後、羽入の残り香はその力を使い果たし、カケラの海に消えてしまいます。
さて。先ほど私は、羽入は記憶媒体であると言いました。
つまり、羽入の力は梨花の頭の中から消え、梨花には能力が付与された状態なので、
今度は今までとは逆に、死に際の記憶だけが正しく梨花の中に記憶されていくが、それ以外の記憶は羽入という記憶媒体がなくなったことで正しく読み込めず、でたらめになってしまっている。
ということになるのです。
だから、猫騙し編其の弐から続く惨劇は、日付と描写噛み合わず、滅茶苦茶になっているのです。
4.猫騙し編 其の弐~其の参
「郷壊し編 其の伍」にて、エウアは
「死亡時から遡って数時間分は記憶が失われる。」
と言っていました。
数時間と言われて、恐らく私たちは「2,3時間」と答える人と「5,6時間」と答える人とでおよそ二分割されるでしょう。
エウアは「数時間」としか言いませんでした。これはむしろ解釈の余地が残されていますよね。なので、この物語での数時間というのは「1~6時間」の間であると定義することも許されます。
ちなみに羽入は平成ひぐらしで、この力で遡れる時間は徐々に少なくなると言っていました。
さて、これらを知った上で梨花を襲った惨劇を順に振り返っていきます。
①赤坂
大石に殺され、羽入の残り香が消え去った後に降り立った最初の世界にて。
6月12日(日)の部活「かくれんぼ」の最中に、羽入から教わった祭具殿の立像の中に納められている神剣 鬼狩柳桜を探しに行きます。
顔に手を触れ、割れるオヤシロさま像の頭。
しかし、そこには剣なんてありませんでした。
6月13日(月) 天気:晴れ 12時42分
日付は変わり、興宮の6月13日に場面は切り替わります。
ダビンチにて梨花は赤坂と再会し、惨劇回避のため、赤坂に雛見沢に留まってもらう約束をさせます。
ここで映像がブツリと途切れ、一瞬で惨劇のシーンに。
この、一見視聴者を驚かせたかっただけのような表現も
実は梨花が保持できる記憶の範囲が変わったことの示唆なのです。
よって、この赤坂や大石と仲良く会話する世界を梨花は正しく記憶できていないはずなので、日付なども誤りである可能性が非常に高くなりました。
※断言しないのは、記憶能力が著しく低下した梨花の視点を信用できないからです。
ちなみにこの日の日没は19時10分頃。夕焼けが見れるのは日没の前後30分くらい。
連続した世界であることが真であっても、6月であることは変わりないので大体合っているはず。
惨劇シーンは部屋のカレンダーが見えないため正しいのか比較できない。
大石と仲良くしている方の世界も、今までの私たちが知り得る情報で考えて、日付が何編とも合致しないためやはり信憑性がない。沙都子が無理やりルートを改変した可能性はある。
②茜
6月15日 午後9時46分
日付はもはや信用できないが、夜であることは間違いなさそう。
昭和58年6月15日の月齢は3.9で、この月の光と闇をちょうど反転させたような月が正しいはず。なので、ここもやはり日付がおかしい。6月29日くらいなら合致するが…。
https://www.arachne.jp/onlinecalendar/mangetsu/1983/6/
③公由
6月21日 天気:曇り 午後1時39分
天気は合ってる。と思いきや雷が鳴っている音がするので、天気も整合性がとれなくなってきた。
この時代の気象予報の精度については明るくないが、雷が鳴るくらいの雨雲が近づいているのなら、少なくとも曇り時々雨と表記するのではないか?
時刻は明るいので昼間であることは確か。太陽が見えないため正確には測れない。
日付はおろか、時刻も天気も正しいのか怪しくなってきた。
④圭一
6月13日 04時14分
午前4時の早朝(公由の時のように午前or午後の表記が無いので24時間表示である。)という立てこもりにしても異常に長い時間。っていうか早朝なのに外に人集まりすぎぃ!!
極めつけに、6月13日の興宮の日の出時刻は「04時38分」です。まだ日が昇っていないはずでは???
天気予報もなし。
⑤沙都子
6月12日(日) ??時??分(夕方?晴れ?)
テレビ画面無し。
梨花の「始まった時から終わっていたのね」という発言(スタート地点の目覚めるところから、ゴールの死亡直前まですべて覚えている)により、このカケラ全体の時間が猫騙し編において最も短いことがわかる。
そして、カレンダーの表記自体は正しいものの、時刻が夕方らしいことしかわからない。しかも沙都子が布団を捲った瞬間に世界が真っ赤に染まってしまい、更に状況がわかりにくくなる。
⑥雛見沢の川沿いで目覚める梨花("今"いるカケラ)
「ここは…どこなのですか?」
「まだ寝ぼけているんですの?雛見沢に決まっていますわ。」
もう、おわかりいただけたでしょうか…。
梨花を通して見ている私たちにとって「猫騙し編 其の弐」は特に、やたらと早回しされているように感じていたことでしょう。
羽入の残り香さえ消えてしまった"今"。
梨花は繰り返すたびに、前のカケラの記憶のほとんどを思い出せなくなっているのです。
以前は
ループ開始←[1~90]→死亡 90%
このように、死ぬ直前以外は思い出せていたのに。
ループ開始←[90~100]→死亡 10%
今は、この範囲しか思い出せなくなっています。
実際には、この赤坂から圭一までの惨劇もすべて沙都子が梨花を屈服させようと引き起こしたものなのかもしれません。
しかし、梨花はもう死ぬ直前の記憶”しか”思い出せないのです。
それが、羽入の残り香が言った
「この世界に残っていた力をすべて使い、あなたの能力を一時的に修復しました。これで、世界を繰り返すときに記憶の一部を失うことはなくなったはずです。」
この言葉の真実の1つです。
そしてこの力は言葉通り一時的なもので、無限に使えるわけではないのです。
どうせ忘れる。またやり直せる。だからさっさと死んでやろうなんて、その世界を簡単に捨ててしまう今の梨花に、本当に大切なことは何なのか、気づいてほしい羽入の願いなのです。
沙都子目線で描かれるまで、赤坂から圭一までの惨劇の真実なんてわかるはずもない。重要なのは、そこではなかった。
その後、梨花は川辺での部活を楽しみ、そして沙都子に今までの自分の罪を打ち明けます…。
夕暮れ時に、2人が抱き合って泣くシーン。
「なんて感動的なんだ!」と素直に喜んだ人が、一体何人いたのでしょうか。
現時点では沙都子が無理矢理洗脳して、梨花を屈服させた。という風に見えてしまっているかもしれません。
私も最初は、(梨花ちゃん沙都子に洗脳されちゃったああああああ♡♡♡)って思ってました。
しかし
実は卒のゴールって、業の中で言えばこの地点が一番近いんです。
もっと言ってしまえば、羽入が望む梨花も、ほぼこの梨花なのです。
4-1. 5/26 追記
>沙都子目線で描かれるまで、赤坂から圭一までの惨劇の真実なんてわかるはずもない。重要なのは、そこではなかった。
前述でスルーしてしまっていたこれに対して、新しい発見があったので追記していきます。
本項は以下記事の閲覧後を推奨します。
(「夢の世界」の仕組みについて知っていただく必要があるので💦)
まだこのページを最後まで読み切っていない方は、一旦飛ばして頂いて大丈夫です!
ゆめ【夢】 の解説
1 睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。視覚像として現れることが多いが、聴覚・味覚・触覚・運動感覚を伴うこともある。「怖い夢を見る」「正 (まさ) 夢」
2 将来実現させたいと思っている事柄。「政治家になるのが夢だ」「少年のころの夢がかなう」
3 現実からはなれた空想や楽しい考え。「成功すれば億万長者も夢ではない」「夢多い少女」
4 心の迷い。「彼は母の死で夢からさめた」
5 はかないこと。たよりにならないこと。
簡単にまとめると…
・大石~沙都子の綿流しまでは、羽入の残り香(大元はエウア)が梨花に見せた「梨花の想像するIFの世界」であり、そこに沙都子が入って同じ夢を見ている状態。
その世界は、賽殺し編での羽入が梨花自身の罪に気づかせるために見せたような「あったかもしれない夢の世界」。
「どんな世界に生きるのか自分で選択すること」が夢から覚める条件。
・沙都子はH173を使用していない。沙都子視点では注射を使わずとも勝手に惨劇が起きている。使ったように描写されたとしても、注射剤が1本しかないため、大石〜圭一のH173による発症を説明することができず、矛盾する。
気づいたきっかけは、猫騙し編の惨劇ラッシュが、郷壊し編の沙都子の連続自殺と重なっているように感じたことがまず1つ。
広まっていた考察の中で、猫騙し編の方は「連続怪死事件」になぞらえている。というものがあったと思いますが、私もぼんやりとではありますがそう感じました。
以下、時系列順に繋がりのありそうな事柄を並べてみます。
⓪大石(猫)&シャンデリア(郷)
梨花と沙都子、2人の確実な「死」
①赤坂(猫)&トラック(郷)
ガソリン、 トラックだけ賽殺し編のきっかけ、たぶんバラバラ。
②茜(猫)&包丁(郷)
刃で首を切り落とす、包丁で首を切る、2人の死因が共通していることそのもの。
③公由村長(猫)&鉛筆(郷)
梨花の入水、沙都子のが難しいが苦しみながらの死?
2人の死因が共通していないことそのもの。
④圭一(猫)&水車小屋付近の用水路(郷)
バットを持った圭一が撲殺、沙都子が梨花を捉えて水路に消える(入江が悟史を保護)
圭一は猫騙し編のかくれんぼで水車小屋を捜索。
⑤沙都子綿流し(猫)&鬼騙し編
5年目の祟り、沙都子が鬼、猫騙し編では罪に気づく2人だが鬼騙し編では気づいていない段階という対比、どちらも二人の自宅での事件。
このように、両サイドに複数の関連性を見つけることができたのです。
そして私は既に「郷壊し編」のルチーア学園1回目までを梨花の夢、それ以降を沙都子の夢が反映される世界だと結論づけています。
整理すると、猫騙し編時点では沙都子は既に夢を見ている状態です。
しかし、梨花は大石の発症までは基本的に沙都子の夢の中にいるだけで、自らの意思では夢をみていない状態です。
そしてもう1つ、気づいたきっかけがあります。
「猫騙し編 其の参」で沙都子が使用していた”痛み止め"についてです。
これについて、ものすごーく真剣に考えていたんです。
読んでくださっている方に向けてこんな問題を出してみます。
ひぐらし業検定予想問題 😊?笑
Q.梨花を朝の7時から18時までの11時間眠らせるためには、合計何ml静注すればよいか。
なお、元ネタは麻酔注射剤「ケタラール 200mg」である。
アンプルには<カタラール静注射用 200mg [50mg / 5mL]>と記載されており、
1.0mg/kgで6分間睡眠が持続。注射剤の予備はあるものとする。
また、古手梨花の体重は40kgとする。(小学6年生の女子の平均体重は40kg)
ちなみにケタラールには「悪夢」や「幻覚」を見せる副作用が出る場合があり、麻薬として使われていたこともあるようです。詳しくは調べてみてください。
参考:https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058297.pdf
答えは…
A.440mL (カタラール 200mg[20mL]のアンプル 22本分)
なんてめちゃくちゃでデタラメなんだ!と思いませんか????
仮にこれほどの長時間麻酔を入れ続けるには点滴になるはずですし、麻酔を入れる前にも6時間の絶食、他薬剤の使用等の条件があります。
それに、そもそもこれだけ体をズタズタにしたら出血多量とかその他諸々でまず死にます。麻酔どころじゃないです。
仮に私たちの世界でこんな風に体を裂いたりしても11時間生かせる方法があったとして、それを沙都子ができますか…?
基本的に勉強が苦手で、数学の授業を退屈そうに過ごしている描写もあります。
入江先生に教わろうとしても、まず自殺願望を疑われ(沙都子ちゃんの雛見沢症候群が再発しているのかもしれない!)と検査に入られてしまうでしょう。
また、梨花の100年のカケラを見ただけでは、カタラールなんて薬剤の知識は入れることができません。
と、そんなことにようやく気づいて頭の結論に結び付いたのでした…。
(※ちなみに麻酔薬というワードは、後の雛見沢症候群の記事内容と密接に関わっています。)
では、同じ夢を見ているとはどういうことなのか。
まず大切なのは、「猫騙し編 其の壱」冒頭では梨花→沙都子の順番に死亡しているため、2人は同じ世界に行くことができる。ということです。
その夢の世界には梨花が想像する、あったかもしれない=「IF」が反映されていきます。
そして悲しいことに、沙都子が想像するであろうそのIFの内容は、梨花のそれに対応する内容となってしまいます。
→大石のように、また自分の想定外の人が発症するのではないか。
沙都子
→部活メンバーの誘導は失敗。大石の発症の事実の確認により、これから先も自ら惨劇を起こさなければならないのではないか。
赤坂に始まり、茜、公由、圭一と世界が続いていきます。
梨花が雛見沢を抜け出したいと望み続けるために、悪夢は続いていきます。
そして最後に、梨花と沙都子が直接対話することになります。
2人にとって、一番最悪なIFが合わさった世界です。
→自分にとって、最も発症してほしくないのは沙都子。
沙都子
→自分にとって、最も手にかけたくないのは梨花。
梨花は自身の罪に気づいて懺悔し、雛見沢で楽しく暮らすことを選んで、悪夢は終わりました。
しかし、沙都子の心は…?
5.猫騙し編 其の四
夕暮れ時に雛見沢を望む2人。
沙都子はここで、梨花にとって必要なことや大切なことをすべて語ってくれます。
そんな沙都子の言葉を受け入れて、梨花は本心で沙都子への誕生日プレゼントを変更しました。
忘れていた大切なことに気づかせてくれた。
そんな彼女に、喜んでほしくて。
しかし
一度は辿り着いたと思われたこの幸せな世界は、ここを境に再び手元から離れていきます。
幸せを疑ったのは、心をすり減らした沙都子の方でした。
そして、後5回だけ頑張ってみよう。それでだめなら、諦めようと決めたその数字が、実際に梨花の力の残り回数なのだとしたら。
梨花は、親友に拳銃を向ける沙都子の姿を覚えていられるのでしょうか。
6.好きの反対って、無関心って言いませんか?
ここからは、「ひぐらしのなく頃に卒」で最高のゴールへ辿り着くための
鍵となる、1番大切とも言えるお話をしたいと思います。
もしものお話です。
もしも沙都子が梨花のことを嫌いになっていたら。
ひぐらし業はどんな結末を迎えていたでしょうか。
ルールXYZが無くなったひぐらし業の世界においては、梨花は惨劇回避のために行動をすると、勝手に惨劇の引き金を引いて自滅していきます。
沙都子の言葉通りに、です。
つまり、梨花を屈服させたいだけなのであれば、梨花なんて放っておいて
沙都子は記憶通りに楽しく遊んでいればいいんです。
それを100年くらい繰り返せば、梨花の心はそれはもうボロボロになって、ベルンカステルのような完全な魔女になってしまうと思います。
しかし、沙都子はそうしなかった。何故か。
沙都子は梨花が大好きだからです!!!!!!
大好きだから、放っておけない、どうして一緒に学園での生活を送ってくれなかったのか知りたい!どうして嘘をつくのか教えてほしい!
それに、沙都子が望んでいるのは梨花との幸せな未来なので、惨劇が起こるような世界ではありません。
確かに沙都子は罪に塗れてしまったかもしれません。
けれど、沙都子は繰り返す者となって梨花を求め続け、幾度となく世界を巡ることで
惨劇の起きない、平和で輝いた世界を作ってくれたんです。
梨花が死の運命に苦しむことのない、安心して生きていける未来を、沙都子が作ったんです。
梨花を本当の意味で救ったのは、間違いなく沙都子の愛です。
そして、その愛を育てたのも間違いなく沙都子を愛し続けた梨花なんです!
「でも、沙都子は梨花の腹を裂いたじゃないか」って?
一見残酷に見えるあの行為も、見方を変えれば愛に溢れていることがわかるんです。
①梨花が目覚める前に体を傷つけ、短時間で殺した。
→梨花が死ぬ直前の数時間の記憶を忘れることを利用して、辛い記憶を残さないようにした。※沙都子は、この時点では「梨花には死ぬ直前の数時間の記憶だけが残る」という事を知りません。
②痛み止めを用意して全部使った。
→少しでも痛みを和らげて楽に逝けるようにした。
③雛見沢症候群のL5を発症をしているという事実。
→梨花は、沙都子は病気のせいでこうなっているんだと思うため、結果的に梨花の心を守った。
④本当の涙を流した。
→
本当は殺したくなんてなかったんです。
新しいオヤシロさまの巫女による綿流しと称して殺すという動機も、その裏付けになります。殺すための理由が欲しかったんです。
沙都子は、繰り返す者になってからこの時まで、たったの一度も梨花を直接殺してなんかいません。
でも、心が限界を迎えようとしている沙都子はもう、梨花に罪を求めることでしか
逃げ場がなかったんです。
7.閑話
ここまで読んでくださってありがとうございます!
ようやくこの記事の2/3くらいです。
実は、この後述の鬼狩柳桜に向き合い始めてから、最高のゴールに辿り着くまでに丸2日かかったんです。
1つ解けたと思ったら矛盾がないか探しに行くんですが、最初はやっぱり何かしら見つけてしまうんですよね…。
一歩進んで二歩下がったときはめちゃくちゃ苦しかったし、もうダメなのかなとも思いました。
それでもまた1つ解けるたびに別の真実が見えてきたりして、本当に楽しい時間でした!!
竜騎士先生の頭の中どうなってるんですか!?笑
それを表現し続けるアニメ制作陣やコミックスを作っている皆様にも脱帽です…。
というわけでまだまだ続きますがある意味もうクライマックスなので
休憩しながらでも、引き続きお付き合いいただけたらと思います!
はてなブログさん改ページ機能無いのここら辺で知った;;
8.鬼狩柳桜とは/オヤシロさま像反転の意味/エウアの正体
「猫騙し編 其の壱」にて、突如羽入の残り香から教えられた鬼狩柳桜とはいったい何なのか?
まずは、こちらをご覧ください。カケラ紡ぎ L6 禁宝「鬼狩柳桜」から一部抜粋して
まとめたものです。
※解いていくのに使った所だけを…
最初ロングバージョンあるなんて知らなったとか言えない貢ぐので許してください
これに対して、私が重要だと思ったところとそれに対しての考察を
書き加えたものが以下です。
これらから掴んだことを整理すると…
神代の昔。
古手桜花は鬼狩柳桜にて、鬼神を討ち取った。
鬼狩柳桜は人の世の罪の象徴。
つまりは刀はあくまで象徴であり、鬼狩柳桜そのものではない。
時が流れるにつれて伝説は正しく伝わらず、まるで鬼狩柳桜という刀が
実際に存在するかのように変化していく。
昔のオヤシロさま像は、人間性善説を土台とするならば
「 オヤシロさま=人に罪を求める悪い心 」であった。
ということは、古手桜花が打ち倒したという鬼神も実体ではなく
その悪い心そのものなのではないか?
悪い心を成敗するは、いつだって善い心である。
それに気づいて、改めてこの禁書を読むと『慈愛』という言葉が目に入る
つまり
鬼狩柳桜=慈愛の心
となる。
少し前に、私が1番大切とも言えるお話をしますと前置きして
書いてきた項目がありましたよね。
そうです。
『沙都子の愛』のお話です。
信仰の消えた雛見沢にて沙都子が祭具殿の御神体に触れた時、
それは"砕け散り"ました。
そして、そこから現れたのはエウアでした。
冒頭で私が突然言い放った
エウアは鬼狩柳桜の象徴である。
という言葉はここで繋がります。
エウアは慈愛の心の象徴なのです。
そういえば、このエウアという名前、一見意味がありそうで無さそうなんですが
ちゃんと意味はあります。
前述の通り、エウアは伝説の通り慈愛の象徴として、そして沙都子の頭の中の記憶媒体として姿を現しました。
そんなエウアさん、巷では何て呼ばれているか、ご存知ですか?
「エウアおばさん」「オバシロさま」
そんな風に呼ばれているのを見かけませんでしたか?
なんと、キャラクターデザインさえも意図しておばさんだと認識させるようになっていたんです。
小学6年生位の子どもの母親って大体30代後半〜40代だと思うんですよ。
慈愛の象徴が母、名前がエウア………エヴァ……!? 右代宮絵羽!?(ラムダ並の発想)
あちこちで噂されていた通り、ちゃんと繋がりました!!
某作品最新作公開のタイミングもあって、エウアはエヴァと同義語で
「『旧約聖書』の創世記に登場する人類最初の女性」=母
という意味もよく知られていると思います。
話を少し戻して…
強い慈愛の心を持った者だけがご神体と共鳴し、引き合うことで初めて
御神体は砕け散り、沙都子の頭の中に見える形(象徴)として姿を現しました。
そして、人に罪を求める鬼と化してしまった梨花を救ったのは、鬼狩柳桜を心に宿した沙都子でした。
しかしその立場は"今"、反転してしまいました。
だとしたら。
人に罪を求める鬼となってしまった沙都子を救うのもまた、
卒の後半戦の展開が非常に楽しみです。
恐らく、というか確実にここから部活メンバー総出でしょうし
詩音もガンガンかかわってくると思います!
古手家の禁書も見れちゃうかもしれません!!
ところでこれは余談なのですが、この鬼狩柳桜のTIPSの最後の一行。
すっっごくずるいなって思うんですよ。笑
鬼狩柳桜を永遠に禁じた、古手桜花の心を探れ。
これを……こう!
鬼狩柳桜を永遠に禁じた古手桜花の心を、探れ。
私の感覚でしかないのかもしれませんが、読点をこのようにずらすだけで
この一文の意味が違って見えません??
前者ってなんだか鬼狩柳桜という物が固形物として実在するように感じるんですが
後者のように修飾語の意識を変えさせるだけで、まるで鬼狩柳桜が桜花様の心の中に在るような感じに変化するんですよね。
9.羽入の正体/雛見沢症候群とは
さてさて、次に参りましょう。
ここからは羽入のお話です。
エウアと羽入は見た目は似ていますが、生まれた理由は異なります。
梨花は幼いころに親から虐待を受けていました。沙都子が祭具殿の天井裏から侵入した時、特にお母さまからは日常的に叩かれてた時期がありましたね。
梨花は、自分がオヤシロさまの生まれ変わりであるが故に怒られると思っていました。
つまりは、昔のオヤシロさま像のように全てオヤシロさまのせいであると思うことで、親を疑いたくない自分の心を守るために、心の盾として自分の中に生み出したのが
「羽入」だったと思うのです。
現代の雛見沢において、オヤシロさまは慈愛の神として存在しているはずなのに、
連続怪死事件のような事件が起こると、突然オヤシロさまの祟りと称するのは違和感があると思いませんか?慈愛の神であることを突然否定するんです。
普通なら「オヤシロさま、どうかお救いください…。」のように祈るのではと思いませんか?
(※鷹野さんが語ってくれた昔ばなしを見直すとわかりやすいと思います。)
そしてこのように、村人たちが連続怪死事件の犯人に対して
「あの人は祟りにあったんだ!」とその人をよく見ようとせず、
あくまでオヤシロさまに罪を求めるような風習は、オヤシロさまを諸悪の根源とする原始のオヤシロさま像と重なるのではないでしょうか?
慈愛の象徴であるエウアと共に沙都子が作った世界は
「疑心暗鬼」にとらわれることが無い世界でした。
綿流しのお祭りが、どのカケラでも「オヤシロさまありがとう。」と感謝するお祭りであった事も考えると、本当は村の誰も、人に罪を求めたりせず、オヤシロさまのせいにもしてはいないのではないでしょうか?
ここまで来て、もう一度梨花のことを思い出していただきたいのですが
"梨花は"親からの虐待に対して、親ではなくオヤシロさまのせいにすることで、自分の心を守ったのです。
あるはずもない風習が、梨花が世界を繰り返すことによる記憶の蓄積によって
梨花を中心にその考えが広まってしまい、神代の昔からのオヤシロさま像の教義が
時代とともに変わっていくように、
罪を押し付ける対象が病気へと変化したのが「雛見沢症候群」なのではないでしょうか。
だから本当は最初から「雛見沢症候群」なんて病気はこの土地には存在しなかったんです!
神様のシンドローム
愛と命をつなぐ糸
そしてそれがわかると、また一歩、最高のゴールに近づくことができます。
そうです。"彼"はこの世界になら、帰ってこられるはずです。
「僕は戻るんだ あの笑顔のある世界に」
だって、雛見沢症候群なんて無いんですから。
梨花はちょっと、嫉妬しちゃうかもしれませんね。
※5/30追記
罪を押し付ける対象が病気へと変化したって、何!w 抽象的過ぎました…
雛見沢症候群とH173の正体を串刺しにした新しい記事を投稿しました。
10.羽入が消えた理由、そして…
"彼"も帰ってきて、超ハッピーエンド!!
とはいきませんよね?
あと一人、救わなければいけない者がいます。
今までの私の解答から考えると、羽入が祭囃し編の直後に残り香だけを置いて消えてしまった理由は
雛見沢にいるほぼすべての人々はそれぞれに罪を求めることがなくなったのに対して
鷹野に”だけ”罪を求めてしまったからなのではないかと思います。
羽入が消えた後に雛見沢症候群の症状が治まっていったのも、鷹野が雛見沢から去ったことによって人に罪を求める心が、この土地からほぼすべて消え去ったから。
でも梨花の心の中にだけは、その気持ちが根付いてしまいました。
それが羽入の残り香ではないかなと思います。
羽入は最初、諸悪の根源の意味を持って生み出されました。
しかし現代のオヤシロさまは慈愛の神です。
沙都子によって慈愛の心を取り戻した今の梨花になら
今一度、慈愛の神としての羽入を生み出せるのではないかと思うのです!
それに気づくことができるのが一体どのタイミングなのか、こちらも本放送で楽しみにしているポイントです。
4/29 追記
鬼狩柳桜の「信仰」部分の再考と、羽入が消えたという部分について改めて考えました。
ほんとうに
長い長い旅でした。
雛見沢村は
誰も人に罪を求めることのない、慈愛に満ちた幸せな場所。
大好きな仲間たちに囲まれ、大好きな親友と同じ道を歩んでいく。
これは、2人の愛とみんなの絆が紡ぐ、とても温かくて、優しい物語に昇華するのです。
続きも書きました!👇👇
『古手桜花の心を探れ』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる 「猫騙し編〜卒」
~完~