『縁結びの神様』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる 「祭具殿の扉を開けた人物」
はじめに
閲覧ありがとうございます!
月詠🌸 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
ひぐらしの記事もこれで4本目でしょうか。だいぶ書き慣れてきた気がします。
今回は「羽入うううぅうううぅぅうぅぅ」って感じの内容になっております。
きっと10分くらいで読める文量ですので、ぜひぜひ最後までお付き合いいただけたら幸いです!
前提
本記事は以下の自分の解答をベースにしています。
主にゲーム版のカケラ紡ぎL6:禁宝「鬼狩柳桜」の内容を解いた上で考えてます。
◆古手梨花=オヤシロさまの生まれ変わり=オヤシロさま像
もちろん梨花ちゃまが木造という意味ではなくて、、梨花の状態とオヤシロさま像がリンクしているという意味です。
◆原始のオヤシロさま像(信仰)
諸悪の根源。人間性善説を土台としていた時代、
◆現代のオヤシロさま像(信仰)
慈愛の存在の神格化。人と鬼(他者に罪を求める心)が融和した状態。
◆鬼狩柳桜
慈愛の心そのもの
結論
郷壊し編其の参 1988年(昭和63年)の雛見沢において、
祭具殿の扉を解錠したのは羽入。
1.「信仰は消え」の意味の再考
今までの私は、祟りなど無いと梨花によって宣言されたことによって
若年層を中心に半強制的なオヤシロさま信仰から解放されたことを「信仰が消えた」と思っていたのですが、ゲーム版をプレイしていく内に高齢者世代は連続怪死事件の前からかなり根強い信仰心を持っていることがわかり、神無月だからといって人の信仰が無くならないように、梨花が雛見沢から離れたからといって高齢者世代のオヤシロさま信仰も消えるとは考えにくい。という結論に至りました。
これは明らかに私の勉強不足だったので反省しており、、つまりは鬼狩柳桜の文章の中の「信仰は消え」の部分の解釈を改める必要があるということになったため、再び考えてみることにしました。
その結果、どういう解釈になったと言うと…
ここでいう信仰とは、雛見沢全体のオヤシロさまへの信仰を指しているのではなく、あくまでも梨花を構成する心のことで
現代のオヤシロさま像である「慈愛の存在」の部分、つまりは「慈愛の心」がオヤシロさまの生まれ変わりである梨花から"消えてしまった"から、鬼狩柳桜が姿を現した。
(郷壊し編其の参では角として表現されたが現実世界では埋まっていない可能性が高い。所謂「幻想描写」。)
本編において人に罪を求める行為というのは、以前の記事でもお話した通り
「郷壊し編で沙都子の心を汲み取らずに突き放したこと」。
2.羽入の行動とその理由
信仰の意味が前述の通りになるとすると、祭具殿の扉が開いていたことは
"おかしい"とハッキリ言い切れるようになります。
ここで、祭具殿の鍵を持っている人は誰なのか再確認すると「古手家の人間」のみ。なんですよね。
どっかの誰かが古手家に忍び込んで鍵を盗んだとか、富竹みたいに鍵を裏技で開けられる人がいるとか、様々な意見が出ているポイントだとは思うのですが、強い動機があるかどうか等の理由からそれらは考えにくいと思います。
祭囃し編1回目から続く郷壊し編1回目の世界では、羽入は実体にも霊体にもなることができます。
時間を巻き戻す力については「弱まっている」と羽入の口から説明がされましたが、この実体化については力を消費するとか、そういった話は明確に語られていません。
となると、羽入はこの世界の中であれば都合よく消えたり、実体化して物を触ったりすることができると考えられます。
(一番わかりやすい例でいうと、心癒し編では実体と霊体を瞬時に切り替えている描写があります。純粋な竜騎士先生原案のお話です。電子書籍もあるのでぜひ読んでください超おすすめです😭)
祭囃し編をクリアしてからそう経たないうちに、羽入は梨花の元から去ったらしいのですが、改めて考えるとやっぱり不自然です。この辺りも再考ポイントです。
羽入自身も、部活メンバー達との楽しい時間を望んでいたはずなのに、どうしてすぐに消えてしまったのか。
それは、この雛見沢という世界から「誰かのせい」にする心が弱まったからと考えられます。
5年目の祟りが「起きなかった」。敵と認識していた鷹野が「雛見沢から去った」。
加えて、ようやく手に入れた幸せな時間だけれど、羽入だけは罪悪感が残っていたのだと思います。
梨花と羽入はもちろん、共通して繰り返したいという意思を持っていました。
同じ意思だったからこそ、繰り返しは成り立っていたわけです。(皆殺し編に記述あり)
しかし羽入の心情としては、自身の「梨花と少しでも長く一緒にいたい」という夢を梨花に押しつけたせいで、梨花の心が歪んでしまったこと。
その罪を背負ったままみんなと仲良く遊ぼうだなんて、許されることではないと。そう思っているのではないかと感じるのです。
それに加えて、ある種の危機感も抱いていました。
梨花が仲間と力を合わせ昭和58年6月を乗り越えるために、他者に罪を求める愚を犯したからです。
古手家に伝わる禁書によれば、それはこの世界が鬼の世に戻ってしまうということ。
それでも、仲間と共に奇跡を起こしてくれた梨花なら、きっと大丈夫じゃないかと信じる気持ちもあったと思います。
しかし、羽入の願いは通じることなく、結果として梨花の夢を沙都子に押し付ける事になってしまったため、梨花と沙都子が進学したルチーア学園にて状況は一変。
通じ合っていたと思われた2人の心は徐々にすれ違い、遂には梨花の行動が沙都子を深く傷つけるような結果に。
(※一応補足しますが、どっちが悪いみたいな話をしたい訳じゃないですよ。)
それを観測した羽入は、その梨花の心情の変化に呼応する形で再び雛見沢に姿を現します。
自分が繰り返す者としての力を梨花に使ってしまったせいで、彼女を苛んでしまったことを改めて悔やみます。
ならばと、梨花の繰り返す者としての生を終わらせることを決意します。
梨花を苦しめた責任は自分にある。古手家の禁書の通りであれば、この身ごと罪を葬れば人の世の鬼を祓えるはずだと。
そうすれば、もう梨花が世界を繰り返すことは無い。
でも、本当にそれだけで梨花は救われるのだろうか?この身を捧げるだけでは、梨花の心は何も変わらないのです。
そう考えながら、羽入は古手家に存在する祭具殿の鍵を手に扉を開け、御神体の頭部を外して中を確認する。
しかし、剣なんて存在しなかった。禁書に記されている通りだった。
娘に自身を討ち取ってもらおうなんてできない。
仮に私がそれを望んでも、梨花が頷いてくれるとはとても思えない。
だとしたら、この古手家に伝わる数々の禁書はいったい何を伝えようとしているのか。
千年もの間、鬼狩柳桜という名の剣を見た者はいないことに、改めて違和感を感じざるを得なくなる。
そして再びその意味を考えていくと、やがて鬼狩柳桜の正体に気づく。
3.「ごめんなさい。」
そもそも繰り返す者を殺すことができる剣である。
なんて説明は、『禁宝「鬼狩柳桜」』の中に記載されていないんです。
では、この繰り返す者とは一体誰のことを指しているのか…
ここまで来れば答えは一つ。羽入のことです。
梨花には惨劇の起こらない、笑顔に溢れている世界で生きて欲しい。
そのためには、完全な世界が必要です。梨花だけではなく、みんなの幸せのために必要な世界です。
そこで思い出すのが、梨花との100年の旅で気づいた「記憶の累積」 です。
直近の別の世界では、圭一やレナを中心に時折他のカケラの記憶を思い出して、思い止まることがありました。そして、みんなと相談することによって仲間の誰も惨劇を起こさない世界が生まれた事もありました。
それを信じるのであれば、あと少し記憶を蓄積させることができれば、より完全な世界に近づけるのではないか?
あの鷹野の意思でさえも変えてしまえるのではないか?
だとしても、またあの昭和58年を誰が繰り返せというのか。
そう考える内に、1人だけ自身の願いを託せるかもしれない人物に辿り着きます。
沙都子を通じて梨花の心の鬼を、僕を討たせるのです。
羽入は梨花が幼い頃にその存在を生み出してからずっと、沙都子のことも見てきました。
梨花の小さい頃からの親友で、衣食住も共にしました。
100年の旅の中で梨花の心を癒し続けてきたのも沙都子でした。
羽入の夢(梨花を救うために諸悪の根源である自身を討たせたい)
沙都子の夢(梨花と一緒にいたい)
2人の夢を融合させることを考えます。
しかもこの二人、しっかりと心の共通点があるのです。
沙都子が「郷壊し編1回目」のエウアと出会う前の時点では、現状を招いたのは梨花のせいではなく、自分のせいだとしているんです。例の独房でのシーンですね。
そして羽入も、梨花の心を壊したのは自分のせいだと思っているのです。
最終的な目的は真逆であるものの、過去を悔やむ気持ちは同じであったと考えられます。
しかし、これは梨花だけでなく沙都子の心も壊しかねない非常に危険な選択です。
いわゆるハイリスクハイリターンで、羽入・梨花・沙都子の中で、たった一人でも内に秘める本当の願いを手放してしまうものなら、途端にバランスは崩れ、最高のハッピーエンドは二度と訪れない可能性があります。
まさに三つ巴の関係と言えます。
一か八かの賭けです。でも、羽入が梨花と沙都子を、そしてみんなを信じているからこその決断なのです。
梨花にそんな剣は存在しないと認知させる
↓
無いものを教えるということは別の意味があるのではないかと気づかせる
ということではないでしょうか。
4. 羽入+鬼狩柳桜=エウア
前項で、羽入は自身の夢と沙都子の夢を融合させることを考えたと書きました。
そうなると、エウアって羽入と鬼狩柳桜を足した存在なのではないか?という考えに至りました。
こうであるならば、羽入の角がなぜ欠けているのかも、よりハッキリと説明ができるのです。。
昔、梨花と沙都子がかくれんぼで遊んでいた時、沙都子が祭具殿に侵入し、事故でオヤシロさま像の右腕を壊してしまったことがありました。
あくまで私自身の解答ベースであることを今一度ご理解いただきたいのですが…
私はちょうどこの時に「羽入」は生まれたと思っていて。「猫騙し編~卒」の記事にも書いたと思います。
梨花が父親に祭具用のクワで叩かれたことを、自分がオヤシロさまの生まれ変わりだから叩かれるんだ、オヤシロさまのせいだ!と決めつけるシーンです。
事実、梨花にとっては本当にわけもわからず叩かれているだけなので仕方のない事なのですが、、梨花の父親目線で言えば、子どもが入っていはいけない場所に入ったから叱っているだけ。なんですよね。子どもの犯した間違いを正すことは、親として当たり前のことです。
愛する子どものための行動のはずが、事実を誤認したことによってすれ違ってしまっています。
さて、ここで冒頭でご紹介したこの図をもう一度見ていただきたいのですが…
まさに当時の祭具殿での出来事って、この図の通りのことが起こっているんです。
更にはこれを後押しする面白い説があります。「古手家隠れキリシタン説」というのですが…私はこれを非常に推してまして。
(※以下リンク先はワテ茶さんのブログです!)
突然、ひぐらしと関係の無さそうなところに行くなと思うかもしれませんが、古手家について考えてたら本当にキリスト教に辿り着いたんですよ。。こわい。
せっかくですし、自分の考えを後押ししてくれる要素としても、ここで新たなキリスト教関連要素を絡めてみたいと思います!
たぶん普通に説明するよりも絡めた方がわかりやすい
まずはこちらの引用から…
聖書によく「神の右の御手」ということばが出てきますが、これはどのような意味があるのでしょうか。
聖書に頻出することばで、とくに詩編に多く出現します。(18個所)
一般的にわたくしたちの利き手は右手であり、このことから、これは「神の全能(the omnipotence of God) 」
(神の義、愛、神ご自身と その力のすべて)を表す比喩であり、さらに、天における神に次ぐ場所で伝統的に
名誉ある場所を示し、 イエスキリストの占めるべき場所とされています。
この通りであるならば、オヤシロさま像の右手の欠損は愛の欠落した不完全な神を表します。
愛とは、鬼狩柳桜(慈愛の心)のこと。
不完全な神とは、羽入(諸悪の根源)のこと。
では、オヤシロさま像の右手を治してあげましょう。
不完全な神様の身体と愛を融合させると‥‥。
現代のオヤシロさま像(慈愛の存在)になるではありませんか!
しかも、右手があるのだから
神の力の全てを持っている完全なる神です!
完全なるオヤシロさま像です!
角が欠損していない、完全な角をもつ神様???
それって、慈愛の心の象徴であるエウアのことじゃあないですか・・・・・・・。
エウアが梨花の100年のカケラを所持していたのも、羽入が元になっているのだから当たり前ということになります。
今までは不完全であったために梨花が体験したことまでしかわからなかったけれど、鬼狩柳桜と融合したことで完全体となり視聴者視点のカケラを操れるように。
まさに、全知全能の神ですね。
そうなると、このシーンの光る角の意味は「角が鬼狩柳桜によって修復されている」ということになります。
(9/1 追記 今思えばここ今の考えと逆ですね…鬼狩柳桜による傷が治る事で修復されている。つまり、鬼神として完成されようとしている。
投稿当時は逆に考えてましたよ…ということで。)
祭具殿の前へやってきた沙都子に対して、夢を見させる形でカケラ世界へ誘い、沙都子の心を参照して、鬼狩柳桜の象徴としての完全な神の姿を生み出させたのです。
「結局お前が黒幕かよ!」ってなっても大丈夫です。
それはそれで原始のオヤシロさま像としても正しい解釈になるので、何も間違ってはいませんから…。
おわりに
正直、1つの事柄に対する再考だけでこんなに広がって、繋がっていくとは思いませんでした。。
後残すは、ラスボス「雛見沢症候群」についての深堀りでしょうか。
いや、きっとまだまだ考えるべきことはあるのでしょうが、私が見つけられていないだけなのかもしれませんね。
ご覧いただきありがとうございました~!!
次の記事投稿しました!👇👇
~完~
『夢は現に。』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる 「祭囃し編~郷壊し編」
はじめに
こんにちは!月詠と申します。
ご覧いただきありがとうございます。
月詠🌸 (@higurashi_moon) | Twitter
今回は「祭囃し編~郷壊し編」を中心に解答してみました。
前回よりもかなり、ロジックやらギミックやらの内容になっています。
ここまでくると、さすがに一部は憶測じみたものでしか説明できなかったりと
かなり苦しめられましたが、やっぱり考えるのが楽しかったです笑
というわけで、今回もあーでもないこーでもないと悩みぬいた末の一本になっていると思います!!
ですが、記事の構成的に素直に時系列順とはいかず。。。
少し混乱させてしまうかもしれませんが、伝える努力はしましたので大丈夫だと思います;;
文量は前回と同等です。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです…!
アニメ監督が卒は大団円になるようなことをインタビューで仰っていたので、この記事の内容のほとんどは匂わせるだけで、作品内では明確に誰かが説明したりしないものだと思ってます。
そんなこと言っておいて事実と違うことを語っている可能性はおおいにあります!!
私個人の解答としてお楽しみいただければ幸いです。
この記事は、以下記事の内容を前提にお話ししていきます。
極力本記事だけでも伝わるように努力してはいますが、私の頭の中でどういう解釈になってるのか、より理解していただけるかなと思います。
ブログの引用はOKですが、リンクを貼っていただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします!
6/1 追記
雛見沢症候群の記事を書いた結果、沙都子が物理法則を乗り越えられないことがわかり、梨花の力と沙都子の力には明確に違いがあることが明らかになりました。
そのため解答に一貫性を持たせる意味で一部書き直しました。ですが全体を通しての結論は変わっていません。
結論とルール
早速ですが、前回の記事で言うところの、もう一つの真実についてのお話をしていきます。
以前から下記①の説があった事を知っていますし、何番煎じなのかわかりませんが
業を解いていてより有力になったのかなと。
あちらでは何だかバットエンド匂わせみたいに書いてしまいましたが、解いていく内にそんな悲観する必要もないのかなと思いました←
というわけで
先に、結論といくつかのルールをばばんと提示します。
①梨花は実際には昭和58年6月を超えられておらず、祭囃し編も、続く郷壊し編以降も『夢の世界(≒天国)』である。
②夢の中では物事の過程は変えられないが、夢の主が望む未来の結果は変えられる。(梨花=奇跡の力・沙都子=絶対の意思)
③沙都子はエウアの力によって梨花の夢の中で夢を見はじめた。(多重夢構造)
④夢の中であっても、登場人物の性格や意思、行動、勉強能力、運動能力は変えられない。
(???)となっても、まずはそういうことだと思ってこの記事を読んでいただきたいです。
まず①と②から参りましょう。
私は前回の「猫騙し編~卒」の記事で、羽入は梨花が頭の中に生み出した存在と言いました。
そしてその存在が、祭囃し編では現実世界に梨花以外に認識される実体として姿を現しました。
でもこれって、上記の通りならあり得ないことですよね?
鷹野さんの放つ弾丸の軌道を変えるという突然の超能力も、現実ならまず不可能だけれど夢だったら可能です。
私たちが夢で空を飛んだりするように。
ちなみに、原作「祭囃し編」のサブタイトルも『~最後くらい幸せな夢を~』でした。
祭囃し編は死の運命から逃れられなかった梨花を想い、羽入がみんなの想いを紡いで作った夢の世界なのです。
では、鷹野さんに殺されるという「結果」を一体何が変えさせたのか。
それこそが夢の主「梨花」が望んだ「昭和58年6月に殺される運命から抜け出したい」という未来を望む心なのです。
夢の主が望むならそれは絶対となる。これが奇跡の力・絶対の意思なのです。
以降は②の内容を梨花と沙都子それぞれ奇跡の力と絶対の意思に置き換えて表現します。(簡潔でわかりやすいので…)
そして、続く「郷壊し編」も夢であると、後の項で「郷壊し編」を振り返りながら解いていきます。
続いて③です。
「祭囃し編」が夢であるとすると、続く「郷壊し編」のルチーア生活までは、ひとまず梨花の頭の中で展開されている物語ということになります。
そして梨花の夢の中の沙都子が奇妙な音に吸い寄せられ、祭具殿の立像に触れたとき。死なずにカケラ世界へ移動し、エウアが現れ、大量のカケラに飲み込まれていくシーンが描かれました。
そして沙都子は祭囃し編の世界をもう一度体験し、また郷壊し編の世界に進んでいきます。
これも今考えれば何ともファンタジーな雰囲気で、ループの条件が「死」とされている以上、死なずしてループはあり得ないですよね?
エウアもまた、羽入と同じように沙都子の頭の中に姿を現しました。
ということは、エウアも羽入のように夢を見させることができるんじゃないか?と考えてみることにしました。
ちなみに、多重夢構造というのは「ひぐらしのなく頃に 業」郷壊し編 其の六、鉄平の悪夢から2度目覚めるシーンにて提示されています。
次の④は、この後②と③関連の説明と絡めますので、ここでこれ以上の説明は不要とし、まずは「郷壊し編 其の弐」から振り返ってみたいと思います。
と、その前に『夢』という漢字の意味について、ここに載せておきます。
この記事に限らず、本編でも多用されている言葉ですので再確認の意味でも。
ゆめ【夢】 の解説
1 睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。視覚像として現れることが多いが、聴覚・味覚・触覚・運動感覚を伴うこともある。「怖い夢を見る」「正 (まさ) 夢」
2 将来実現させたいと思っている事柄。「政治家になるのが夢だ」「少年のころの夢がかなう」
3 現実からはなれた空想や楽しい考え。「成功すれば億万長者も夢ではない」「夢多い少女」
4 心の迷い。「彼は母の死で夢からさめた」
5 はかないこと。たよりにならないこと。
1.奇跡の力・絶対の意思
まずは、恐らく見ている方のほとんどが違和感を感じたこちらのシーンから振り返ってみましょう。
ここで「ひぐらしのなく頃に業」では初めてといっても良いくらい、強めの奇跡の力を観測できます。
沙都子はこの時、まるで不合格だったような反応をしているのに、結果はなんと合格でした。
梨花が望んでいるのは彼女の発言の通り
「沙都子と一緒」に「ハイソサエティな学園生活を送ること」
そして思い出してください、祭囃し編から地続きのこの世界という夢の主は誰ですか?
そうです。梨花です。
主の夢が反映されて、「結果」が書き換えられているというシーンなのです。
夢だから、できてしまうんです。
しかし、この夢は沙都子の意思と勉強能力の低さから上手く実現されません。
梨花が沙都子に対して勉強を助けようと手を差し伸べても、沙都子が彼女自身の考えで振り払ったように。
それが前述した④のことで、自分自身以外の人間の性格や意思、行動、能力は夢の中であっても変えられないため、結果に至るまでの過程も変えられない。となるのです。
しかも、ルチーア学園は魅音・レナ・圭一が進んだ興宮の高校よりも求められる学力が高い学校です。上のシーンのセリフ通り沙都子は勉強は頑張ってもできない。大嫌いだ。と叫んでいますし、後述の通りあまり興味のないことに対しては記憶力が著しく低いためルチーア学園への合格というのはかなり不自然です。
2.沙都子の指パッチン
※綿明し編で指パッチン特殊能力説否定されたようです。笑
さて、エウアの力により梨花の100年を見て昭和58年に死に戻り、夢の主となった沙都子は「結果」を望むものに書き換えることができるようになりました。
私も最初は、この指パッチンのたびにポーチの中の爆弾が作動してループ開始地点からやり直していたのかと思ったのですが、それはあまりにも非効率的でちょっと無理やりだよなぁと…。
あまりそれを繰り返すと、その爆発に巻き込まれた人が記憶を累積させて沙都子を怪しいと思い始めるかもしれないですし。
それに、せっかくエウアさんに「同じ梨花を追うことができる力」を授けてもらったのにも関わらず、自分だけ先に死んだら、屈服させたいと言っているのにリセットされて意味がないよねと。
というわけで、沙都子が意図的に結果を書き換えたと思われるシーンを並べてみます。
まずは「郷壊し編 其の伍」より、興宮のダビンチにて神経衰弱をしたシーンです。
この沙都子の神経衰弱は、誰かのハズレの声が途切れた後、再度自身の同じセリフを沙都子が発していることから、カードを捲るという過程を経て、ハズレなら"カードが表になった"という結果を書き換えたと説明できます。書き換えると再度トランプは裏になるため、時間が巻き戻ったように見えるのです。
アタリなら問題はないのでそのまま次へ進みます。
ここに補足をしていきますと、元々沙都子は記憶力が著しく低かったはずなんですよ。
「郷壊し編 其の壱」、沙都子が中学生となって初めての部活シーンの神経衰弱にて
新しい部長の圭一によりトランプは新品に替えられ、誰でも公平に戦えるようになってしまいます。
結果、沙都子が最下位。
そしてこれに加えて、トランプが52枚の決まったカード群というのが少々やっかいで…
裏返しにされたカードがきっちり52種類のものであるならば、捲った1枚のカードの数字を書き換えるということをしてしまうと、その場にある他のカードと被ってしまうというバグが発生してしまうのです。
また、この興宮での神経衰弱を一発クリアした時に言っていたセリフから、トラップは使用していないことがわかります。
(※綿騙し編でのトランプの重複は、作画ミスとしてBD2巻にて修正されています。パッショーネ様ありがとうございます。)
梨花にはトラップが扱う描写がないためできないとすると、梨花と沙都子がこの夢の世界で共通して使える能力といえば「結果」を書き換えること。となるのです。
7/9 追記
カケラによってトランプの配置は変わることがきちんと描写されており、配置が変わっても沙都子はそのカケラ内でワンターンキルができるということです。
ここまで来たら「郷壊し編 其の七」診療所での指パッチンも見てみましょう。
このように、鷹野さんがまだ近くにいるにもかかわらず、大きな音を立ててドアを開け侵入し、誰にも気づかれずに外に出られるというガバガバセキュリティなのは不思議ですが…電子ロックは無心で頑張れば開けられるようです。
じゃあ、悟史くんのところへも行けるのか?と思いますが、この仕様であるなら不可能となります。
そのため、あくまで↓のシーンは沙都子の心象としても問題無いと思います。
ここって梨花の100年のカケラを視聴者視点で見てるタイミングですし、覚悟を決めた沙都子の背面には悟史がいなくなっているという現象も、さすがに絶対の意思パワーでは説明できないです。
入江先生の手首から先だけ持ってきてる描写もないですしそんなの見たくないです()
「番犬が開けた時と鷹野さんが開けた時のケースのパスワードが違う理由は?」
パスワード相違の答えは…
故高野一二三先生と鷹野三四の関係性がバレてしまうのを避けるために変更した。
そもそも「高野」ではなく「鷹野」と改名したのは両者の関係性がバレてしまうと資金援助が受けられなくなることを危惧してのことでした。
沙都子の検査は6月5日(日)で、祭囃し編では6月17日(金)に初めて鷹野さんがおじいちゃんのことを入江先生に話します。なので彼は日付的にも鷹野さんとそのおじいちゃんの事を知らなくて問題ないです。
手紙を読んだことで改心した影響でおじいちゃんを大切に思う気持ちが強くなり、
いずれ入江診療所に番犬の査察が入ることはわかっていたことなので、何か適当な別の暗証番号に変更してから診療所を去り、後に番犬に伝えたのでしょう。
補足ですが、鷹野さんの証言を聞いて番犬がメモを取った感じでしたので、やはり鷹野さん以外はこのケースを開けられない=鷹野さんにしか暗証番号の変更権がない。と考えました。
「で、死ぬ直前の指パッチンis何??????????????????」
演出です🙃
うーん、苦しいけどそうとしかもう思えなかったです。
結局梨花が指パッチンなしで結果を変えている以上、指パッチンの動作でさえも必要なものでは無かったので。。
指パッチンは必要条件ではないって表現でいいのかな。
………あまり深く考えないことにしました。
(※ちなみに後から気づいたのですが、うみねこのなく頃にではフェザリーヌが指パッチンするシーンがあり、それは彼女が「ラムダデルタは死ぬ」という物語をその場で記し、指を鳴らすと同時にその物語が世界に反映される。という描写です。竜騎士先生発言のひぐらし・うみねこの世界観の一部共有を考慮すると、この沙都子の指パッチンも彼女のそれと同じような効果をもたらすのではないかという繋がりを感じられます。)
2-1. 5/27 追記 死ぬ直前の指パッチンについて
「猫〜卒」の記事への追記に合わせ、こちら側で諦めてしまっていた上記の「死ぬ直前の指パッチン」について、自分の解答が出たので書き込んでいきます。
結果として、この指パッチンについては夢の世界を暗示していたのだと思います。
梨花と沙都子の指パッチンシーンを振り返ってみましょう。
まず、沙都子がこれを行ったのは、「郷壊し編 其の伍」トラックとの衝突から始まる、一連の自殺シーンです。
どれも、背景が現実世界のものではないのが共通点です。
また、②③④は全て真っ暗闇の中で誰かが指を鳴らしています。
④を見る限り、袖が無いのでエウアさんではなさそうです。
そして紫がかったエフェクトも見えますね。
ということは、この手は直前の描写から流れをそのままに、沙都子の手という認識で良いと思います。
(※郷壊し編のBlu-rayの絵コンテにて、沙都子の指だとコメントされていました。)
加えて、「猫騙し編~卒」の記事に追記したように、この一連のシーンと深い関係があるとして「猫騙し編」の赤坂~圭一の惨劇ラッシュを挙げました。
その猫騙し編では、「郷壊し編」と「猫騙し編」で対比するように、背景がハッキリとしていて、その世界で実際に生きる梨花が死ぬ直前に指パッチンをしているのです。
この2つは他にも
「これから複数世界で生きていく沙都子」と「これから単一世界に生きていく梨花」という両者の対比とも読み取ることができます。
(梨花について私は既に、「猫騙し編 其の四」の世界以降、羽入が消えたことによって梨花は繰り返す者としての力を失い、例え死んでも一切記憶を引き継がずに次の世界で目覚めると考えているため、違和感なくこのような解釈になります。)
もっと簡単に言うと
「沙都子の夢の始まり」と「梨花の夢の終わり」を意味します。
3.夢と夢のぶつかり合い
続いて、祭囃し編以降を『夢の世界』とした時の世界構造について改めて図にしてみます。
この図でいう夢の中という場所、似たような世界が他編にも存在しました。
「賽殺し編」です。
賽殺し編は、作中で明確に「僕の見せた夢」だと羽入が語っているお話です。
そして、 賽殺し編とひぐらし業では共通して、上掛け水車の回る方向が、ひぐらし解までの水車と比べて反転しています。
結局圭一がかくれんぼの時に探しに行ったくらいで、何の事件にも関わってこなかったこの水車が意味するところはやはり…
という暗示なのではないでしょうか。
オヤシロさま像の反転は前回の記事の鬼狩柳桜の項目で説明したように
諸悪の根源とする原始のオヤシロさま像と、慈愛の神格化である現代のオヤシロさま像との矛盾を表していましたが、
そこに腕が壊れていない事の説明を加えるとするならば、欠損していない完全な角を持つ現代のオヤシロさま像である慈愛の神を表現した。という捉え方もできると思います。
まさにエウアのことです。
賽殺し編も参考にすると、また一つ解ける謎があります。
それは「祭囃し編 1回目」から続く郷壊し編の高校2年生の梨花がその後どうなったか。
賽殺し編では、「罪の無い世界」ではなく、自分が望む「元の世界」を選ぶことによってその夢から覚めました。
「祭囃し編1回目~郷壊し編」は梨花の「みんなで昭和58年の6月を越えること」に加えて、「沙都子と一緒」に「ハイソサエティな学園生活を送ること」という2つの望みから成立している夢の世界です。
しかし、沙都子がエウアと出会い、梨花の夢の世界から旅立ってしまうことでその望みは壊れてしまいました。
するとどうなるか。
梨花が沙都子と一緒にいられる世界を望み続ける限り、沙都子のいないその夢は覚め、現実世界である皆殺し編終了直後まで一旦梨花の魂は戻されます。
もちろん、羽入は頭の中から消えてしまって梨花との間に繋がりがなく、記憶に関与できない状態であるため、その夢の記憶は梨花には残りません。
そしてそれとほぼ同時に、エウアは沙都子の望みを聞き入れて、沙都子を「祭囃し編 2回目」の世界に送ります。
しかし、この時「祭囃し編 1回目~郷壊し編」のカケラって生成されていないんです。
だからエウアがどうやって沙都子をやり直させたかというと
カケラ紡ぎです。
完全な角の力による、完璧なカケラ紡ぎ。
その力は、繰り返す者の記憶の欠損など一切起こさないものでした。
4.梨花と沙都子の記憶の保持状況
さて、ここで記憶の保持状況について整理してみましょう。
以下にまとめたものは、「猫騙し編 其の四」の梨花が沙都子に銃を向けられた時点での記憶を整理したものです。
※梨花はまだ死んでません。
◆沙都子の記憶保持状況
◆梨花の記憶保持状況
★カケラに対しての扱い・エウアと羽入について
まず、エウアのカケラに対する扱いにはざっと2種類あり…
①読む…既存のカケラを視聴者視点で見ることができる。(例:平成ひぐらしの記憶など)
②生成する…繰り返す者がカケラの中の世界で死んだとき、その一連の記憶を新たなカケラとし生み出す。
ここまできて改めておかしいと思ったのが、そもそもエウアが何故平成ひぐらしの視聴者視点のカケラを所持していたかなんですよね…。
今までの考えを総動員して突き詰めていくと、これはやはり「角」の違いによるものだと思いました。
エウアは「我が角は完全である。」と、まるで角が記憶を保存する装置のような発言をします。
5/27追記
ここについても新しい記事で説明できました。
これは羽入についてのお話で、推測多めなのですが…
羽入は生まれた瞬間から梨花の傍にいたと作中ではされています。
ですが、実際人間という生き物は自分が生まれた瞬間のことなんて覚えていられません。
「カケラ紡ぎ 鬼狩柳桜」の文章から読み取れるように、オヤシロさま信仰の変化の歴史や、歴代古手家頭首の一人が古文書の余白に文章を書き加えたりなんてしている以上、梨花も同様に何か設定を追加したり独自解釈している可能性は大いにあると考えられます。
梨花本人が現時点で古文書に対する知識を所有しておらず、羽入だけが知っているという点からも、ずっと幼い頃(5歳前後とか)に一度、梨花は古文書の内容を母に教えてもらったが本人は忘れてしまっており、後に頭の中に生み出された羽入だけがその記憶を持っている状態なのではないか。
実際に羽入というオヤシロさま(神)は梨花が生まれる前から雛見沢に存在はしていた。
幼少期の梨花が、神代の昔に鬼は鬼狩柳桜で討たれたという話を聞き、角を傷つけられているという姿を想像。
そのイメージが、羽入を実際に知覚できる形で生み出す際に反映されたのではないでしょうか。
そんな2人の記憶能力の範囲についてまとめたものが以下です。
◆梨花本人
人間の一般的な記憶保持能力。
通常、羽入が存在していることを認識している状態で死ぬと、体験したカケラの記憶を持ち越せる。
(ただし基本的に死ぬ直前の数時間は忘れる。)
◆羽入
梨花が見て、体験したことすべてを記憶。
(ただし梨花本人が記憶することを拒否した出来事&時間経過などによって忘れてしまった記憶を渡すことは不可。内容を言葉で伝えるのは可能。)
また、この古文書を読めるのは現在古手家頭首である梨花しか存在しないため、沙都子が生み出すオヤシロさま像は歪められることはなく、角が欠けているなんてイメージも持っていない。
だからエウアの角は完全であり、羽入より一段上の、言葉通り神の視点でこの雛見沢の記憶を持っていると考えられる。
比較しやすいように今一度まとめると…
◆羽入=原始のオヤシロさま(神)
梨花が、自身が虐待されることに対してオヤシロさまのせいだと他者に罪を求める心が頭の中に生み出した神様。鬼とも言える。
梨花が古手家の古文書の内容を知った影響+独自解釈によって、記憶装置である角が傷ついている設定になってしまった。
羽入が覚えているということは、梨花も過去にその情報を見たり聞いたり体験したということ。
記憶媒体として不完全。
◆エウア=現代のオヤシロさま(神)
沙都子が、自身の梨花に対する慈愛の心から生み出した神様。
沙都子は古手の人間ではないため古文書の内容を知らず、角に対して特に設定はない。純粋な姿で顕現。
記憶媒体として完全。
★「鬼騙し編 其の弐」冒頭の梨花はどこから来た?
すごーーーーく悩まされたのですが……結論はシャンデリア百合心中した梨花です。
(「郷壊し編 其の四」ラストシーン)
沙都子も梨花もそもそもループ条件は「死」であるため、沙都子が繰り返す者となってから鬼騙し編前までで唯一死んだシャンデリア梨花が選ばれます。
水車小屋付近での夫婦喧嘩は、沙都子だけが死んだのか梨花も死んだのか、スロー再生しても2人同時に頭から真っ逆さまに落ちていて非常に判断に困るところなのですが、鬼騙し編に降り立った梨花はルチーアの制服を着ていたという事実があるため、用水路に落ちた梨花は死んでいないと考えられます。
溺れている描写がないので、沙都子だけがわざと頭を強く打ったのでしょう。我々の世界にも実在する事故ですね。
用水路に落ちて死んだ後の世界でルチーアに行ったのかもしれない…というのも厳しいと思います。
これだけ裏切られ続けてもなお、我慢して勉強してルチーアに行くとは到底思えないです。。
シャンデリア心中の時点ではまだ、エウアさんから「記憶を引き継がせた一人の梨花を条件付きで追いかけられる能力」を授かっていません。
なので、シャンデリアで死んだ梨花は、その後のトラック→包丁→ペン→水車各シーンの梨花とは同一個体ではあるが、記憶を一切引き継いでいません。
郷壊し編の中学生~高校生の時点では羽入の存在を梨花が感知できていないので、死に戻りできる保証もありません。そんな状態では自殺を選ぶことはかなり難しいと思います。
ですが、実際にはシャンデリア梨花がその死の直前に沙都子に罪を求める愚を犯し、それが梨花と羽入を再び引き合わせるトリガーとなっていました。
その後羽入は「猫騙し編 其の壱」で
「もう、気づいているはずです。今の雛見沢が5年前とは違うことに。」という明確な数字も出しちゃうくらい自信満々に語っています。
あれあれ???
ということは…彼女は「郷壊し編 其の参」のエンジェルモートへ向かった高校2年生の梨花を知っていますね?
知っているということはつまり、誰の様子がおかしかった等の情報を全て知っている上で、あえて梨花にそれを教えなかったということです。
郷壊し編の中学~高校までで明確に死んだ梨花は1人しかおらず、シャンデリア梨花も直前のカレンダーの描写や、時の流れの描写から高校1年生であることが分かっています。
そして梨花自身も「鬼騙し編 其の弐」の冒頭時点で、羽入と祭囃し編クリア以降初めての再会だと言っています。
もう会うことは無いと思っていたというセリフからも、やはり祭囃し編クリア後~高校2年生の間は一度も存在を認識していなかったということになります。
巻き戻ってこのカケラ世界に来る時まで、頭の中に羽入がいなかった影響で記憶を読み込めず。更には、彼女が意図して事実を梨花に伝えなかった。
梨花のルチーア回想に他の誰も登場しなかったのは、系統的健忘で説明ができそうです。
一度も体験したことのない沙都子の自分に対する敵意と「死」に精神的ショックを受け、「受け入れたくない!」と記憶することを拒否した結果だと思います。
特定の人物または自分の家族に関する全ての情報など,特定のカテゴリーの情報を忘れる。
ついでに言うと、「5年前」とはっきりとした数字を出されたのに、高校1年生の梨花が何も疑問に思わなかったのは、そもそも覚えていないからです。
私たちが親に「あなたが3歳の時に買って着せていた服よ。」と見せられても、服のことは覚えているかもしれませんが、何歳であったかなんてまず忘れているので「3歳の時だったのか~~」と納得してしまうのと一緒です。
★皆殺し編の記憶について
ここはかなり悩まされましたが、猫騙し編まで進んだこの梨花は「皆殺し編」の記憶を完全な状態で持っています。
平成ひぐらしの「祭囃し編」では、「皆殺し編」での梨花が殺されるまでの記憶を羽入だけが持っていました。
梨花は皆殺し編の最後の言葉通り、自身の死と逃げずに向き合うことで記憶を刻み付けた。
ただ、実際には記憶の累積の部類で記憶され、羽入が鷹野を見ることによるフラッシュバックで思い出された様子でした。
梨花が覚えてはいなくとも、実際にあの世界で鷹野に殺され、皆殺し編のカケラは生成されています。
梨花が実際に体験したからこそ、羽入はあの場で思い出すことができました。
当時の梨花が皆殺し編の記憶を一切覚えていなかったのは、力が弱まっている状態、欠けた角の羽入がカケラ紡ぎをしたから。
17話冒頭の皆殺し編のような映像は、話の流れ的にも鷹野さんの記憶のフラッシュバックの内容だと思います。
梨花は平成ひぐらしの皆殺し編しか記憶していませんが、鷹野さんは沙都子が準備期間として何度も死に戻りをする間にも記憶を累積させ続けています。その時に通ってきたカケラの記憶なのでしょう。
フラッシュバックによる焦りからなのか、銃でさっさと殺してしまう鷹野さん。
鉄平もそうですが、フラッシュバックの内容に平成ひぐらしでは見られなかったものも混じっているので、個人的にはそういう事で落ち着いてます。
「猫騙し編 其の弐」では、圭一と大石が仲良くしている事に驚くという、まるで「皆殺し編」の記憶が無いような反応をしますが、私は前回の記事での通り赤坂に殺されるカケラは羽入の残り香も消えた後のループであるという理由で、死に際の映像以外をあまり信用していません。 ちょうど除外できます。
★祭囃し編の記憶について
既に少しずつお話している通り、記憶ほぼ無しです。
ちなみに梨花がほんの少しだけ持っているような記憶は、あくまでエウアのカケラ紡ぎによって再演された「祭囃し編 2回目」の記憶です。
ルチーア学園にて、繰り返す者となった沙都子と一緒に死亡したためにカケラが生成され、記憶の蓄積が梨花の別の世界での記憶を誘発させているから、祭囃し編の記憶を全て持っているように見えているだけです。
フラッシュバックは「寝ている間」もしくは「別のカケラでの言動と重なった瞬間」に起きていることが多いと作品中から読み取れるのですが、
カケラ世界で羽入と話している時は「寝ている間」、沙都子に綿流しされている時は「皆殺し編で起きたまま鷹野に腹を裂かれる瞬間」と重なり、フラッシュバックが起きる条件としては十分です。後者は内容的にも走馬灯の方がしっくりきますが…
「郷壊し編 其の壱」の時点での「祭囃し編 1回目」の映像は、梨花が実際にそのあとの時間を生きている段階であるため、鮮明に映っていて問題はありません。
「鬼騙し編 其の弐」の梨花が目を覚ました時点で自分の体が成長しているという事実があるので、昭和58年を乗り越えたということだけは記憶がほぼ無くとも自覚できる。
羽入とはもう会えないと思っていたことから、羽入が消えたという事実だけは知っています。
ちなみに沙都子も「祭囃し編~郷壊し編 1回目」は「祭囃し編 2回目」クリアの瞬間まで、自身で『夢』だと決めつけているので物語を歪ませるような行動は取らないでしょう。
というわけで、誰も余計な感情を持って行動したりせず、梨花本人もなんの疑問も持たないため綺麗に同じ結末を辿ります。
そんな2回目の祭囃し編に羽入が実在しているのは、梨花の記憶を参照しているからというのと、鷹野という「敵」がこの段階では存在していて、梨花自身が昭和58年を抜けられないのは彼女の『せい』と認識しているから。
それと、祭囃し編における6月10日の朝は羽入が分校に転校してくる日なので、まだ沙都子は知らない段階です。よって羽入が2人の家にいなくてもおかしくはないです。
ちなみに部活メンバーには祭囃し編2回目の記憶がきちんと累積されています。
その例が以下です。
圭一のセリフは平成ひぐらしとあまり変化がないように見えますが
「みんなが元通りに楽しく暮らす世界」→「みんなと幸せだった元の世界」と
「幸せ」という言葉に変化したことに加えて、「元」という言葉の修飾先が変化しています。
そもそも、羽入がいない事実+祭囃し編の記憶持ちであるならば
祭囃し編のように積極的に大人に相談して、仲間にも相談していけば
最後羽入を探しに行ってピンチになることもなくクリアになるはずなのに、それをしないのは何故なのかという疑問にぶつかります。
スタートがどのルートであっても、すぐ仲間に事件をマンガに例えるなりして、積極的に協力を求めるのでは?
でもそれをしない。そもそもマンガに例えるという提案も羽入がしたもの。祭囃し編の過程を覚えていないならそれも思いつくことはなく。羽入は梨花の勇気を後押しする役も担っていました。
皆殺し編までの記憶しかないため、犯人はわかっていても、どうすれば勝てたのかがわからない。
確信もないし背中を押してくれる羽入もいないから、最初から積極的に動けないのです。
「富竹がまだ生きているのは珍しいけれど…」という綿騙し編での梨花のセリフも、富竹が唯一殺されなかった「祭囃し編」の記憶を持っていないことの裏付けになる。
仮に記憶を持っていたとしたら「私が富竹に真剣に話をして初めて、彼は信じてくれて身を隠すはずなのに、何故生きている?」という方向に考えるのではないでしょうか。
100年繰り返しても、祭囃し編でしか生き残れなかった彼が生きているのが、ただ珍しいで済むはずないんです。
★郷壊し編の記憶について
ここももちろん、記憶ほぼ無しです。
ルチーア学園を背景に一人でうふふあははするシーンと、沙都子にルチーア行こうって誘うシーンくらいしか記憶が累積されていないようです。
→
★猫騙し編の記憶について
死亡直前の記憶のみを保持していることについては、前回の記事で説明しました。
恐らくこの後沙都子に銃で殺されます。(直接描写はされないと思っています…。)
記憶する力が無くなってしまっていると考えているので、沙都子からの大切な言葉の数々も、銃で撃たれたという事実さえも忘れてしまうでしょう。
卒でこの続きが描写されるとすれば、また別の世界で死亡した瞬間にシーンが切り替わり、梨花は何事もなかったかのように2人の家の布団で目覚めるでしょう。
おわりに
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
今回は文章の構成がとんでもなく難しくて、伝えたいことが伝わったかどうか不安です;;
結局こういうのって自己満足でしかないんですけど、それでも私の解答がこれを読んでくださった皆さんにとって、どういった形であっても役に立っていたりしたら嬉しいです。
賽殺し編と同じような、誰かの望みが生み出した世界と言いました。
しかし、今回はこの夢から覚めることがゴールではないと、私は思います。
みんなが本当の幸せを手に入れるには、梨花と沙都子が夢を分かち合った後に、2人が再び同じ夢を望み、そしてその夢を現実と受け入れる必要があると思うからです。
2人が見つけた幸せに、2人で手を伸ばす必要があると思うからです。
罪に抗い、罪を受け入れ、罪を赦し合った後に広がるこの夢の続きを受け入れなければ、またいつか惨劇の渦に飲み込まれてしまうでしょう。
沙都子は、幸せな夢が覚めてほしいなんて思わないですよね。
梨花と一緒にいたいがために繰り返す者になったのですから。
梨花と一緒にいられない生活なんて、もう御免なわけです。
じゃあ、梨花は…?
2人がずっと一緒にいられる未来って、いったいどんな未来なんでしょうか。
またまた続き書きました!👇👇
羽入を中心に一部再考したり広げてみたりしてます!
『夢は現に。』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる 「祭囃し編~郷壊し編」
~完~
『古手桜花の心を探れ』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる 「猫騙し編〜卒」
はじめに
こんにちは!月詠と申します。
月詠🌸 (@higurashi_moon) | Twitter
この度は足を運んでいただき誠にありがとうございます。
ちょっと公開しようか迷った時もあったのですが、竜騎士先生も考察を楽しんで欲しいと仰っているので、こちらも投稿しようと思います。
1年ほど前に平成ひぐらしのアニメを一気見して沼に浸かった者です。
新作として放送されるのであれば、私も考察やってみたい!と思いつつも
業放送終了まで他人の考察を見るばっかりだったのでこれはいけないと思い、本腰を入れてみたらこんな長文になってしまいました…笑
ちなみに得意な科目は現代文でした。まぁまぁ読みやすくはできたと思いたいです。
ブログの引用OKですが、リンクは貼ってもらえると助かります!
正直のところかなり自信があるこのシリーズですが 、もちろん実際とは違うことを書いていることも十分にあり得ますので、これらが私が至った1つの解答として楽しんで頂けたら幸いです。
全然違ってたら私の敗北を笑ってやってくださいw
また、私の考えは記事を出す度に、少しずつまとまる方向に修正されていってます。
ですから、投稿順に追っていく中で(あれ?)と思う箇所があるかもしれませんが仕様です…
途中で考えが大きく変わった点については別記事のリンクを置いてたりしますが、一旦はそれを無視して最後まで読んでくださった方がわかりやすいかもしれません。
さて。またもや噛み砕いて書いてますのでスーパーウルトラ長いです。
というか、この物語の作りこみが凄すぎる。
頑張って「先が気になる!」って思えるような構成にしたつもりなので
何卒、お付き合いくださいませ。。。
最後に一つだけ、事前にお断りさせていただきますが
私はこの幸せを享受したいと思っているので
解いている内に辿り着いてしまった別の真実については、敢えて書かないようにしていたり、おおよそ等しい言葉に差し替えている箇所があります。予めご了承ください。
めちゃくちゃ偉そうですみません…
では、本編に参ります。
「猫騙し編 其の壱」から順に、最高のゴールに辿り着くまでのカギをひとつずつご紹介いたします。
本気で解答してみる 「猫騙し編〜卒」
【前提】
☆梨花について(※重要です)
・この記事においての梨花の"今"は、「猫騙し編 其の四」の最後、沙都子に銃を向けられた瞬間にある
・解離性同一性障害だった(それらしきTIPS:二重人格??? が存在します。)
☆沙都子について
・ルールXYZが無くなったことを知っている。
・鉄平や鷹野が既に改心していることも知っている。
・解離性同一性障害である。
☆業世界について
・"梨花が今までの知識で惨劇を回避するために動くことによって、新たな惨劇のきっかけが生まれている"
・"基本的には悪い出来事、当人にとって嫌な印象が強い出来事が思い出される"
・"平成ひぐらしにおけるルールXYZは記憶の累積により消失している"
1.世界の構造と読み解くカギの1つ目は?
まずは、こちらの図をご覧ください。
これは、梨花と沙都子と、それを囲む「ひぐらしのなく頃に業/卒」の世界のイメージ図です。
何となくで構いませんのでこの図を覚えておいてください。
※「支配」と書きましたが深い意味はないです笑 頭の中にいるよというだけです。 色はおよそキャラの髪の色です。黄色は眩しい。
そしてこちらも覚えてほしいのですが…
そしてエウアも沙都子の頭の中の記憶媒体であり、鬼狩柳桜の象徴である。
です。
2.数多の作画ミス?とカレンダーの謎
私もずっと気になっていたこの大量の作画ミスのようなものやカレンダー等が、一体何を表していたか。
それは
①記憶の蓄積による世界の混濁
②羽入が消えたことによる梨花の記憶の消失
です。
まず①から説明してみます。
記憶の累積というのは、エウアと沙都子が話していた通り、各キャラクターが別の世界の記憶を蓄積させていくことです。
この現象は郷壊し編以前より発生していた現象で、"今"もなお蓄積され続けているもののため、「ひぐらしのなく頃に業」の世界では一貫してこのような描写がされ続けているのです。
なお、この世界に生きる梨花たちはこの違和感に気がついていないため、あくまでも視聴者向けの比喩表現であると言えます。
この違和感の数々は、結構ミスリードを誘発させてたなぁと今では思います。
私は検証が面倒で深く考えていなかったということもあり、この記事でもそこまで重要視していません。
※6/20 追記
「ちゃんと重要視しろよ私!!!」ってことで、ちゃんと意味を見つけてきました。
「ひぐらしのなく頃に業」全編通してそうなっている理由もしっかり明記したつもりです。
次に②ですが…
主に、カレンダーなどの日付の謎、卒の展開にも深く関わってくる重要な事項になっています。
こちらについては、後ほど詳しく書きます。
記憶媒体である羽入がいないから、その世界の記憶が正しく梨花の頭に読み込まれない。
これだけ頭の中に入れておいてもらえたらと思います。
※テキストファイルをたくさん溜めておいた外付けの大容量SSDがある日突然無くなっちゃって、容量の少ない本体記憶媒体のHDDだけしか使えなくなっちゃった。みたいな感じです!
説明難しくて…伝わっているでしょうか…
3.猫騙し編 其の壱
ここからは、祟騙し編から続く「猫騙し編」を順に読み解いていきます。
大石に殺された梨花は、カケラ世界で再び羽入の残り香と会話をします。
誰に殺されたのか覚えていることに疑問を感じた梨花は、彼女に問いかけます。
すると
「この世界に残っていた力をすべて使い、あなたの能力を一時的に修復しました。これで、世界を繰り返すときに記憶の一部を失うことはなくなったはずです。」
そう答えました。
そしてその後、羽入の残り香はその力を使い果たし、カケラの海に消えてしまいます。
さて。先ほど私は、羽入は記憶媒体であると言いました。
つまり、羽入の力は梨花の頭の中から消え、梨花には能力が付与された状態なので、
今度は今までとは逆に、死に際の記憶だけが正しく梨花の中に記憶されていくが、それ以外の記憶は羽入という記憶媒体がなくなったことで正しく読み込めず、でたらめになってしまっている。
ということになるのです。
だから、猫騙し編其の弐から続く惨劇は、日付と描写噛み合わず、滅茶苦茶になっているのです。
4.猫騙し編 其の弐~其の参
「郷壊し編 其の伍」にて、エウアは
「死亡時から遡って数時間分は記憶が失われる。」
と言っていました。
数時間と言われて、恐らく私たちは「2,3時間」と答える人と「5,6時間」と答える人とでおよそ二分割されるでしょう。
エウアは「数時間」としか言いませんでした。これはむしろ解釈の余地が残されていますよね。なので、この物語での数時間というのは「1~6時間」の間であると定義することも許されます。
ちなみに羽入は平成ひぐらしで、この力で遡れる時間は徐々に少なくなると言っていました。
さて、これらを知った上で梨花を襲った惨劇を順に振り返っていきます。
①赤坂
大石に殺され、羽入の残り香が消え去った後に降り立った最初の世界にて。
6月12日(日)の部活「かくれんぼ」の最中に、羽入から教わった祭具殿の立像の中に納められている神剣 鬼狩柳桜を探しに行きます。
顔に手を触れ、割れるオヤシロさま像の頭。
しかし、そこには剣なんてありませんでした。
6月13日(月) 天気:晴れ 12時42分
日付は変わり、興宮の6月13日に場面は切り替わります。
ダビンチにて梨花は赤坂と再会し、惨劇回避のため、赤坂に雛見沢に留まってもらう約束をさせます。
ここで映像がブツリと途切れ、一瞬で惨劇のシーンに。
この、一見視聴者を驚かせたかっただけのような表現も
実は梨花が保持できる記憶の範囲が変わったことの示唆なのです。
よって、この赤坂や大石と仲良く会話する世界を梨花は正しく記憶できていないはずなので、日付なども誤りである可能性が非常に高くなりました。
※断言しないのは、記憶能力が著しく低下した梨花の視点を信用できないからです。
ちなみにこの日の日没は19時10分頃。夕焼けが見れるのは日没の前後30分くらい。
連続した世界であることが真であっても、6月であることは変わりないので大体合っているはず。
惨劇シーンは部屋のカレンダーが見えないため正しいのか比較できない。
大石と仲良くしている方の世界も、今までの私たちが知り得る情報で考えて、日付が何編とも合致しないためやはり信憑性がない。沙都子が無理やりルートを改変した可能性はある。
②茜
6月15日 午後9時46分
日付はもはや信用できないが、夜であることは間違いなさそう。
昭和58年6月15日の月齢は3.9で、この月の光と闇をちょうど反転させたような月が正しいはず。なので、ここもやはり日付がおかしい。6月29日くらいなら合致するが…。
https://www.arachne.jp/onlinecalendar/mangetsu/1983/6/
③公由
6月21日 天気:曇り 午後1時39分
天気は合ってる。と思いきや雷が鳴っている音がするので、天気も整合性がとれなくなってきた。
この時代の気象予報の精度については明るくないが、雷が鳴るくらいの雨雲が近づいているのなら、少なくとも曇り時々雨と表記するのではないか?
時刻は明るいので昼間であることは確か。太陽が見えないため正確には測れない。
日付はおろか、時刻も天気も正しいのか怪しくなってきた。
④圭一
6月13日 04時14分
午前4時の早朝(公由の時のように午前or午後の表記が無いので24時間表示である。)という立てこもりにしても異常に長い時間。っていうか早朝なのに外に人集まりすぎぃ!!
極めつけに、6月13日の興宮の日の出時刻は「04時38分」です。まだ日が昇っていないはずでは???
天気予報もなし。
⑤沙都子
6月12日(日) ??時??分(夕方?晴れ?)
テレビ画面無し。
梨花の「始まった時から終わっていたのね」という発言(スタート地点の目覚めるところから、ゴールの死亡直前まですべて覚えている)により、このカケラ全体の時間が猫騙し編において最も短いことがわかる。
そして、カレンダーの表記自体は正しいものの、時刻が夕方らしいことしかわからない。しかも沙都子が布団を捲った瞬間に世界が真っ赤に染まってしまい、更に状況がわかりにくくなる。
⑥雛見沢の川沿いで目覚める梨花("今"いるカケラ)
「ここは…どこなのですか?」
「まだ寝ぼけているんですの?雛見沢に決まっていますわ。」
もう、おわかりいただけたでしょうか…。
梨花を通して見ている私たちにとって「猫騙し編 其の弐」は特に、やたらと早回しされているように感じていたことでしょう。
羽入の残り香さえ消えてしまった"今"。
梨花は繰り返すたびに、前のカケラの記憶のほとんどを思い出せなくなっているのです。
以前は
ループ開始←[1~90]→死亡 90%
このように、死ぬ直前以外は思い出せていたのに。
ループ開始←[90~100]→死亡 10%
今は、この範囲しか思い出せなくなっています。
実際には、この赤坂から圭一までの惨劇もすべて沙都子が梨花を屈服させようと引き起こしたものなのかもしれません。
しかし、梨花はもう死ぬ直前の記憶”しか”思い出せないのです。
それが、羽入の残り香が言った
「この世界に残っていた力をすべて使い、あなたの能力を一時的に修復しました。これで、世界を繰り返すときに記憶の一部を失うことはなくなったはずです。」
この言葉の真実の1つです。
そしてこの力は言葉通り一時的なもので、無限に使えるわけではないのです。
どうせ忘れる。またやり直せる。だからさっさと死んでやろうなんて、その世界を簡単に捨ててしまう今の梨花に、本当に大切なことは何なのか、気づいてほしい羽入の願いなのです。
沙都子目線で描かれるまで、赤坂から圭一までの惨劇の真実なんてわかるはずもない。重要なのは、そこではなかった。
その後、梨花は川辺での部活を楽しみ、そして沙都子に今までの自分の罪を打ち明けます…。
夕暮れ時に、2人が抱き合って泣くシーン。
「なんて感動的なんだ!」と素直に喜んだ人が、一体何人いたのでしょうか。
現時点では沙都子が無理矢理洗脳して、梨花を屈服させた。という風に見えてしまっているかもしれません。
私も最初は、(梨花ちゃん沙都子に洗脳されちゃったああああああ♡♡♡)って思ってました。
しかし
実は卒のゴールって、業の中で言えばこの地点が一番近いんです。
もっと言ってしまえば、羽入が望む梨花も、ほぼこの梨花なのです。
4-1. 5/26 追記
>沙都子目線で描かれるまで、赤坂から圭一までの惨劇の真実なんてわかるはずもない。重要なのは、そこではなかった。
前述でスルーしてしまっていたこれに対して、新しい発見があったので追記していきます。
本項は以下記事の閲覧後を推奨します。
(「夢の世界」の仕組みについて知っていただく必要があるので💦)
まだこのページを最後まで読み切っていない方は、一旦飛ばして頂いて大丈夫です!
ゆめ【夢】 の解説
1 睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。視覚像として現れることが多いが、聴覚・味覚・触覚・運動感覚を伴うこともある。「怖い夢を見る」「正 (まさ) 夢」
2 将来実現させたいと思っている事柄。「政治家になるのが夢だ」「少年のころの夢がかなう」
3 現実からはなれた空想や楽しい考え。「成功すれば億万長者も夢ではない」「夢多い少女」
4 心の迷い。「彼は母の死で夢からさめた」
5 はかないこと。たよりにならないこと。
簡単にまとめると…
・大石~沙都子の綿流しまでは、羽入の残り香(大元はエウア)が梨花に見せた「梨花の想像するIFの世界」であり、そこに沙都子が入って同じ夢を見ている状態。
その世界は、賽殺し編での羽入が梨花自身の罪に気づかせるために見せたような「あったかもしれない夢の世界」。
「どんな世界に生きるのか自分で選択すること」が夢から覚める条件。
・沙都子はH173を使用していない。沙都子視点では注射を使わずとも勝手に惨劇が起きている。使ったように描写されたとしても、注射剤が1本しかないため、大石〜圭一のH173による発症を説明することができず、矛盾する。
気づいたきっかけは、猫騙し編の惨劇ラッシュが、郷壊し編の沙都子の連続自殺と重なっているように感じたことがまず1つ。
広まっていた考察の中で、猫騙し編の方は「連続怪死事件」になぞらえている。というものがあったと思いますが、私もぼんやりとではありますがそう感じました。
以下、時系列順に繋がりのありそうな事柄を並べてみます。
⓪大石(猫)&シャンデリア(郷)
梨花と沙都子、2人の確実な「死」
①赤坂(猫)&トラック(郷)
ガソリン、 トラックだけ賽殺し編のきっかけ、たぶんバラバラ。
②茜(猫)&包丁(郷)
刃で首を切り落とす、包丁で首を切る、2人の死因が共通していることそのもの。
③公由村長(猫)&鉛筆(郷)
梨花の入水、沙都子のが難しいが苦しみながらの死?
2人の死因が共通していないことそのもの。
④圭一(猫)&水車小屋付近の用水路(郷)
バットを持った圭一が撲殺、沙都子が梨花を捉えて水路に消える(入江が悟史を保護)
圭一は猫騙し編のかくれんぼで水車小屋を捜索。
⑤沙都子綿流し(猫)&鬼騙し編
5年目の祟り、沙都子が鬼、猫騙し編では罪に気づく2人だが鬼騙し編では気づいていない段階という対比、どちらも二人の自宅での事件。
このように、両サイドに複数の関連性を見つけることができたのです。
そして私は既に「郷壊し編」のルチーア学園1回目までを梨花の夢、それ以降を沙都子の夢が反映される世界だと結論づけています。
整理すると、猫騙し編時点では沙都子は既に夢を見ている状態です。
しかし、梨花は大石の発症までは基本的に沙都子の夢の中にいるだけで、自らの意思では夢をみていない状態です。
そしてもう1つ、気づいたきっかけがあります。
「猫騙し編 其の参」で沙都子が使用していた”痛み止め"についてです。
これについて、ものすごーく真剣に考えていたんです。
読んでくださっている方に向けてこんな問題を出してみます。
ひぐらし業検定予想問題 😊?笑
Q.梨花を朝の7時から18時までの11時間眠らせるためには、合計何ml静注すればよいか。
なお、元ネタは麻酔注射剤「ケタラール 200mg」である。
アンプルには<カタラール静注射用 200mg [50mg / 5mL]>と記載されており、
1.0mg/kgで6分間睡眠が持続。注射剤の予備はあるものとする。
また、古手梨花の体重は40kgとする。(小学6年生の女子の平均体重は40kg)
ちなみにケタラールには「悪夢」や「幻覚」を見せる副作用が出る場合があり、麻薬として使われていたこともあるようです。詳しくは調べてみてください。
参考:https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058297.pdf
答えは…
A.440mL (カタラール 200mg[20mL]のアンプル 22本分)
なんてめちゃくちゃでデタラメなんだ!と思いませんか????
仮にこれほどの長時間麻酔を入れ続けるには点滴になるはずですし、麻酔を入れる前にも6時間の絶食、他薬剤の使用等の条件があります。
それに、そもそもこれだけ体をズタズタにしたら出血多量とかその他諸々でまず死にます。麻酔どころじゃないです。
仮に私たちの世界でこんな風に体を裂いたりしても11時間生かせる方法があったとして、それを沙都子ができますか…?
基本的に勉強が苦手で、数学の授業を退屈そうに過ごしている描写もあります。
入江先生に教わろうとしても、まず自殺願望を疑われ(沙都子ちゃんの雛見沢症候群が再発しているのかもしれない!)と検査に入られてしまうでしょう。
また、梨花の100年のカケラを見ただけでは、カタラールなんて薬剤の知識は入れることができません。
と、そんなことにようやく気づいて頭の結論に結び付いたのでした…。
(※ちなみに麻酔薬というワードは、後の雛見沢症候群の記事内容と密接に関わっています。)
では、同じ夢を見ているとはどういうことなのか。
まず大切なのは、「猫騙し編 其の壱」冒頭では梨花→沙都子の順番に死亡しているため、2人は同じ世界に行くことができる。ということです。
その夢の世界には梨花が想像する、あったかもしれない=「IF」が反映されていきます。
そして悲しいことに、沙都子が想像するであろうそのIFの内容は、梨花のそれに対応する内容となってしまいます。
→大石のように、また自分の想定外の人が発症するのではないか。
沙都子
→部活メンバーの誘導は失敗。大石の発症の事実の確認により、これから先も自ら惨劇を起こさなければならないのではないか。
赤坂に始まり、茜、公由、圭一と世界が続いていきます。
梨花が雛見沢を抜け出したいと望み続けるために、悪夢は続いていきます。
そして最後に、梨花と沙都子が直接対話することになります。
2人にとって、一番最悪なIFが合わさった世界です。
→自分にとって、最も発症してほしくないのは沙都子。
沙都子
→自分にとって、最も手にかけたくないのは梨花。
梨花は自身の罪に気づいて懺悔し、雛見沢で楽しく暮らすことを選んで、悪夢は終わりました。
しかし、沙都子の心は…?
5.猫騙し編 其の四
夕暮れ時に雛見沢を望む2人。
沙都子はここで、梨花にとって必要なことや大切なことをすべて語ってくれます。
そんな沙都子の言葉を受け入れて、梨花は本心で沙都子への誕生日プレゼントを変更しました。
忘れていた大切なことに気づかせてくれた。
そんな彼女に、喜んでほしくて。
しかし
一度は辿り着いたと思われたこの幸せな世界は、ここを境に再び手元から離れていきます。
幸せを疑ったのは、心をすり減らした沙都子の方でした。
そして、後5回だけ頑張ってみよう。それでだめなら、諦めようと決めたその数字が、実際に梨花の力の残り回数なのだとしたら。
梨花は、親友に拳銃を向ける沙都子の姿を覚えていられるのでしょうか。
6.好きの反対って、無関心って言いませんか?
ここからは、「ひぐらしのなく頃に卒」で最高のゴールへ辿り着くための
鍵となる、1番大切とも言えるお話をしたいと思います。
もしものお話です。
もしも沙都子が梨花のことを嫌いになっていたら。
ひぐらし業はどんな結末を迎えていたでしょうか。
ルールXYZが無くなったひぐらし業の世界においては、梨花は惨劇回避のために行動をすると、勝手に惨劇の引き金を引いて自滅していきます。
沙都子の言葉通りに、です。
つまり、梨花を屈服させたいだけなのであれば、梨花なんて放っておいて
沙都子は記憶通りに楽しく遊んでいればいいんです。
それを100年くらい繰り返せば、梨花の心はそれはもうボロボロになって、ベルンカステルのような完全な魔女になってしまうと思います。
しかし、沙都子はそうしなかった。何故か。
沙都子は梨花が大好きだからです!!!!!!
大好きだから、放っておけない、どうして一緒に学園での生活を送ってくれなかったのか知りたい!どうして嘘をつくのか教えてほしい!
それに、沙都子が望んでいるのは梨花との幸せな未来なので、惨劇が起こるような世界ではありません。
確かに沙都子は罪に塗れてしまったかもしれません。
けれど、沙都子は繰り返す者となって梨花を求め続け、幾度となく世界を巡ることで
惨劇の起きない、平和で輝いた世界を作ってくれたんです。
梨花が死の運命に苦しむことのない、安心して生きていける未来を、沙都子が作ったんです。
梨花を本当の意味で救ったのは、間違いなく沙都子の愛です。
そして、その愛を育てたのも間違いなく沙都子を愛し続けた梨花なんです!
「でも、沙都子は梨花の腹を裂いたじゃないか」って?
一見残酷に見えるあの行為も、見方を変えれば愛に溢れていることがわかるんです。
①梨花が目覚める前に体を傷つけ、短時間で殺した。
→梨花が死ぬ直前の数時間の記憶を忘れることを利用して、辛い記憶を残さないようにした。※沙都子は、この時点では「梨花には死ぬ直前の数時間の記憶だけが残る」という事を知りません。
②痛み止めを用意して全部使った。
→少しでも痛みを和らげて楽に逝けるようにした。
③雛見沢症候群のL5を発症をしているという事実。
→梨花は、沙都子は病気のせいでこうなっているんだと思うため、結果的に梨花の心を守った。
④本当の涙を流した。
→
本当は殺したくなんてなかったんです。
新しいオヤシロさまの巫女による綿流しと称して殺すという動機も、その裏付けになります。殺すための理由が欲しかったんです。
沙都子は、繰り返す者になってからこの時まで、たったの一度も梨花を直接殺してなんかいません。
でも、心が限界を迎えようとしている沙都子はもう、梨花に罪を求めることでしか
逃げ場がなかったんです。
7.閑話
ここまで読んでくださってありがとうございます!
ようやくこの記事の2/3くらいです。
実は、この後述の鬼狩柳桜に向き合い始めてから、最高のゴールに辿り着くまでに丸2日かかったんです。
1つ解けたと思ったら矛盾がないか探しに行くんですが、最初はやっぱり何かしら見つけてしまうんですよね…。
一歩進んで二歩下がったときはめちゃくちゃ苦しかったし、もうダメなのかなとも思いました。
それでもまた1つ解けるたびに別の真実が見えてきたりして、本当に楽しい時間でした!!
竜騎士先生の頭の中どうなってるんですか!?笑
それを表現し続けるアニメ制作陣やコミックスを作っている皆様にも脱帽です…。
というわけでまだまだ続きますがある意味もうクライマックスなので
休憩しながらでも、引き続きお付き合いいただけたらと思います!
はてなブログさん改ページ機能無いのここら辺で知った;;
8.鬼狩柳桜とは/オヤシロさま像反転の意味/エウアの正体
「猫騙し編 其の壱」にて、突如羽入の残り香から教えられた鬼狩柳桜とはいったい何なのか?
まずは、こちらをご覧ください。カケラ紡ぎ L6 禁宝「鬼狩柳桜」から一部抜粋して
まとめたものです。
※解いていくのに使った所だけを…
最初ロングバージョンあるなんて知らなったとか言えない貢ぐので許してください
これに対して、私が重要だと思ったところとそれに対しての考察を
書き加えたものが以下です。
これらから掴んだことを整理すると…
神代の昔。
古手桜花は鬼狩柳桜にて、鬼神を討ち取った。
鬼狩柳桜は人の世の罪の象徴。
つまりは刀はあくまで象徴であり、鬼狩柳桜そのものではない。
時が流れるにつれて伝説は正しく伝わらず、まるで鬼狩柳桜という刀が
実際に存在するかのように変化していく。
昔のオヤシロさま像は、人間性善説を土台とするならば
「 オヤシロさま=人に罪を求める悪い心 」であった。
ということは、古手桜花が打ち倒したという鬼神も実体ではなく
その悪い心そのものなのではないか?
悪い心を成敗するは、いつだって善い心である。
それに気づいて、改めてこの禁書を読むと『慈愛』という言葉が目に入る
つまり
鬼狩柳桜=慈愛の心
となる。
少し前に、私が1番大切とも言えるお話をしますと前置きして
書いてきた項目がありましたよね。
そうです。
『沙都子の愛』のお話です。
信仰の消えた雛見沢にて沙都子が祭具殿の御神体に触れた時、
それは"砕け散り"ました。
そして、そこから現れたのはエウアでした。
冒頭で私が突然言い放った
エウアは鬼狩柳桜の象徴である。
という言葉はここで繋がります。
エウアは慈愛の心の象徴なのです。
そういえば、このエウアという名前、一見意味がありそうで無さそうなんですが
ちゃんと意味はあります。
前述の通り、エウアは伝説の通り慈愛の象徴として、そして沙都子の頭の中の記憶媒体として姿を現しました。
そんなエウアさん、巷では何て呼ばれているか、ご存知ですか?
「エウアおばさん」「オバシロさま」
そんな風に呼ばれているのを見かけませんでしたか?
なんと、キャラクターデザインさえも意図しておばさんだと認識させるようになっていたんです。
小学6年生位の子どもの母親って大体30代後半〜40代だと思うんですよ。
慈愛の象徴が母、名前がエウア………エヴァ……!? 右代宮絵羽!?(ラムダ並の発想)
あちこちで噂されていた通り、ちゃんと繋がりました!!
某作品最新作公開のタイミングもあって、エウアはエヴァと同義語で
「『旧約聖書』の創世記に登場する人類最初の女性」=母
という意味もよく知られていると思います。
話を少し戻して…
強い慈愛の心を持った者だけがご神体と共鳴し、引き合うことで初めて
御神体は砕け散り、沙都子の頭の中に見える形(象徴)として姿を現しました。
そして、人に罪を求める鬼と化してしまった梨花を救ったのは、鬼狩柳桜を心に宿した沙都子でした。
しかしその立場は"今"、反転してしまいました。
だとしたら。
人に罪を求める鬼となってしまった沙都子を救うのもまた、
卒の後半戦の展開が非常に楽しみです。
恐らく、というか確実にここから部活メンバー総出でしょうし
詩音もガンガンかかわってくると思います!
古手家の禁書も見れちゃうかもしれません!!
ところでこれは余談なのですが、この鬼狩柳桜のTIPSの最後の一行。
すっっごくずるいなって思うんですよ。笑
鬼狩柳桜を永遠に禁じた、古手桜花の心を探れ。
これを……こう!
鬼狩柳桜を永遠に禁じた古手桜花の心を、探れ。
私の感覚でしかないのかもしれませんが、読点をこのようにずらすだけで
この一文の意味が違って見えません??
前者ってなんだか鬼狩柳桜という物が固形物として実在するように感じるんですが
後者のように修飾語の意識を変えさせるだけで、まるで鬼狩柳桜が桜花様の心の中に在るような感じに変化するんですよね。
9.羽入の正体/雛見沢症候群とは
さてさて、次に参りましょう。
ここからは羽入のお話です。
エウアと羽入は見た目は似ていますが、生まれた理由は異なります。
梨花は幼いころに親から虐待を受けていました。沙都子が祭具殿の天井裏から侵入した時、特にお母さまからは日常的に叩かれてた時期がありましたね。
梨花は、自分がオヤシロさまの生まれ変わりであるが故に怒られると思っていました。
つまりは、昔のオヤシロさま像のように全てオヤシロさまのせいであると思うことで、親を疑いたくない自分の心を守るために、心の盾として自分の中に生み出したのが
「羽入」だったと思うのです。
現代の雛見沢において、オヤシロさまは慈愛の神として存在しているはずなのに、
連続怪死事件のような事件が起こると、突然オヤシロさまの祟りと称するのは違和感があると思いませんか?慈愛の神であることを突然否定するんです。
普通なら「オヤシロさま、どうかお救いください…。」のように祈るのではと思いませんか?
(※鷹野さんが語ってくれた昔ばなしを見直すとわかりやすいと思います。)
そしてこのように、村人たちが連続怪死事件の犯人に対して
「あの人は祟りにあったんだ!」とその人をよく見ようとせず、
あくまでオヤシロさまに罪を求めるような風習は、オヤシロさまを諸悪の根源とする原始のオヤシロさま像と重なるのではないでしょうか?
慈愛の象徴であるエウアと共に沙都子が作った世界は
「疑心暗鬼」にとらわれることが無い世界でした。
綿流しのお祭りが、どのカケラでも「オヤシロさまありがとう。」と感謝するお祭りであった事も考えると、本当は村の誰も、人に罪を求めたりせず、オヤシロさまのせいにもしてはいないのではないでしょうか?
ここまで来て、もう一度梨花のことを思い出していただきたいのですが
"梨花は"親からの虐待に対して、親ではなくオヤシロさまのせいにすることで、自分の心を守ったのです。
あるはずもない風習が、梨花が世界を繰り返すことによる記憶の蓄積によって
梨花を中心にその考えが広まってしまい、神代の昔からのオヤシロさま像の教義が
時代とともに変わっていくように、
罪を押し付ける対象が病気へと変化したのが「雛見沢症候群」なのではないでしょうか。
だから本当は最初から「雛見沢症候群」なんて病気はこの土地には存在しなかったんです!
神様のシンドローム
愛と命をつなぐ糸
そしてそれがわかると、また一歩、最高のゴールに近づくことができます。
そうです。"彼"はこの世界になら、帰ってこられるはずです。
「僕は戻るんだ あの笑顔のある世界に」
だって、雛見沢症候群なんて無いんですから。
梨花はちょっと、嫉妬しちゃうかもしれませんね。
※5/30追記
罪を押し付ける対象が病気へと変化したって、何!w 抽象的過ぎました…
雛見沢症候群とH173の正体を串刺しにした新しい記事を投稿しました。
10.羽入が消えた理由、そして…
"彼"も帰ってきて、超ハッピーエンド!!
とはいきませんよね?
あと一人、救わなければいけない者がいます。
今までの私の解答から考えると、羽入が祭囃し編の直後に残り香だけを置いて消えてしまった理由は
雛見沢にいるほぼすべての人々はそれぞれに罪を求めることがなくなったのに対して
鷹野に”だけ”罪を求めてしまったからなのではないかと思います。
羽入が消えた後に雛見沢症候群の症状が治まっていったのも、鷹野が雛見沢から去ったことによって人に罪を求める心が、この土地からほぼすべて消え去ったから。
でも梨花の心の中にだけは、その気持ちが根付いてしまいました。
それが羽入の残り香ではないかなと思います。
羽入は最初、諸悪の根源の意味を持って生み出されました。
しかし現代のオヤシロさまは慈愛の神です。
沙都子によって慈愛の心を取り戻した今の梨花になら
今一度、慈愛の神としての羽入を生み出せるのではないかと思うのです!
それに気づくことができるのが一体どのタイミングなのか、こちらも本放送で楽しみにしているポイントです。
4/29 追記
鬼狩柳桜の「信仰」部分の再考と、羽入が消えたという部分について改めて考えました。
ほんとうに
長い長い旅でした。
雛見沢村は
誰も人に罪を求めることのない、慈愛に満ちた幸せな場所。
大好きな仲間たちに囲まれ、大好きな親友と同じ道を歩んでいく。
これは、2人の愛とみんなの絆が紡ぐ、とても温かくて、優しい物語に昇華するのです。
続きも書きました!👇👇
『古手桜花の心を探れ』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる 「猫騙し編〜卒」
~完~
ひぐらしのなく頃に業 本気で解答してみる 「祟騙し編」
はじめに
初めまして!月詠と申します。
月詠 (@higurashi_moon) | Twitter
竜騎士先生曰く、鬼・綿・祟の中では一番ウェイトがあるとされている祟騙し編から投稿してみようかなと思い、ブログ開設してみました!
まずは鬼・綿騙し編と猫騙し編を繋ぐ、祟騙し編をじっくり…ということで
この人ならどう思うかな?どう行動するかな?というのをひたすら突き詰めながら解いてみました。
かなり噛み砕いて現実世界メインの解答と解説していますのでスーパー長いです。
拙い文章で読みづらい点があるかと存じますが、ご了承ください。。
自分の考察ちゃんと表に出すの初めてなので;;
ちなみに、ひぐらしはひぐらしの中で完結するものなので
うみねこに繋がりそうな事はおまけ考察要素くらいで考えてます。
ブログの引用OKですが、リンクは貼ってもらえると助かります。
※5/30追記 本記事は園崎家周りとか特に設定理解してないところがあります…笑 なのでまあまあガバガバです。 結論変わったので書き換え中です。→時間なくて無理でした笑
ざっくり自己紹介
【プレイ実績】
CS版奉:プレイ中
(部活メンバーがまるで出てこないようなお話は読んでません…命も読んではいません。よくできているらしいのですが、本史の外の話というのと、ポンポン追加キャラ出されるの受け入れられないタイプでして;;)
アニメ:平成ひぐらし(無印・解・礼・煌→視聴済 拡は半分くらい)
一年ほど前に過去の記憶をフラッシュバック()し、ひぐらしという作品の存在を思い出したため本格的に触れることになりました。どういう運命なのかその年にリメイク作品が放送されることを知りました。そこからはもうどっぷりです。
普段から人の言動の裏を読みがちな性格なので、考察するの楽しいです笑
あ、シャンデリア百合心中とか大好きです。さとりかさとりか・・・♡
では本編↓
1.本気で解答してみる 祟騙し編
【前提】
☆沙都子について
・ルールXYZが無くなったことを知っている。
・鉄平や鷹野が既に改心していることも知っている。
・祟騙し編ではH173は持っているが、使用条件を満たしていないため通常は不可
・解離性同一性障害である(それらしきTIPS:二重人格??? が存在します。)
☆業世界について
・"梨花が今までの知識で惨劇を回避するために動くことによって、新たな惨劇のきっかけが生まれている"
・"基本的には悪い出来事、当人にとって嫌な印象が強い出来事が思い出される"
・"平成ひぐらしにおけるルールXYZは記憶の累積により消失している"
【本編考察】
沙都子が祟殺し編の自身をほぼそのまま演じるのは、自分が知らないルートに突入するイレギュラーを自らが生み出さないようにするため。梨花に気付かれないようにするため。各編の結末が大きく変わってしまうような行動でなければ、梨花も違和感を覚えないだろうと考えて少しだけ改変している部分もある。
(例:興宮での野球にヘルプ要求の電話をしてくるのが、沙都子→レナに。梨花から目を離したくなかったのではと思われる。電話は街の公衆電話からなので。また、電話するだけなのにわざわざ梨花を連れて2人で行くのも不自然。試合中だし打順もあるので1人しか抜け出せないであろう。圭一がここに来てくれさえすれば知ってるルートに乗る。)
郷壊し編で語られたように、沙都子は梨花に対してもはや対話での解決は不可能と思ってしまったため、自ら梨花に語りかけて考えを改めるようにしようと動いたりはしない。
・大石は「表向きは自然発症だがエウアによって強制発症させられた」
大石は一年目の事件にて、大切な「おやっさん」を亡くしており、連続怪死事件の真実を知りたいと思っているため、なにか真実に触れそうな場面を目撃すれば発症レベルが多少上がってもおかしくはない。
しかし、雛見沢症候群の記事で示した通り、H173は注射対象者の雛見沢症候群は発症レベルに関係なく2回撃たなければならないため、沙都子には強制発症させることは不可能。
発症するという脚本に書き換えたのはエウアである。
・沙都子は大石と共犯ではないが、沙都子は大石を利用した
北条家に虐待の事実はないが、大石が北条家を訪問した描写がないため
沙都子と大石の間で認識に差が生じている状態からスタート。
6月16日、皆殺し編では登校していた沙都子が祟騙し編では休んでいるのは、大石に虐待の事実はないことを自ら証明する行動を取るため。
平日で他のみんなは学校があるのでその隙に。電話でもいいし、会って話をするでもOK。「連続怪死事件の真相を知りたいのではございませんこと?」なんて余計な事は言わない。そんな事言わずとも、大石がこれからどう行動するか理解しているから。
外を歩き回るとしても、村の中では誰にも話しかけられないし、みんなは叔父に虐待されていると思い込んでいるので、見かけられた時の対策として元気のなさそうな雰囲気を演じていれば違和感はない。
同日夕方、大石がにやりとした表情で園崎家のある方向から歩いてくるのは、事実を確認した上で考えた結果、誰かがありもしない虐待に対して役所を動かそうと、北条鉄平を排除しようと企んで圭一を焚きつけていると確信し、念のため園崎家が関わっていないことを確認した。
裏で真実に近づくための証拠集めに加え、圭一を泳がせるための舞台を整えようとしている。
園崎ブラフ(ルールZ)がないこの業の世界では、大石は園崎家(特に茜さんかな)と仲が良くなっている、少なくとも園崎家に嫌われてないし疑ったりしていないため、スムーズに話は進む。
ちなみに、北条家は連続怪死事件の2年目と4年目の対象であり、北条家をマークしていれば事件の真相がわかるかもしれない、5年目も関わってくるかもしれないと考えるのは自然。
※大石目線での各人物に対する考えまとめ
沙都子→鉄平が虐待をしていないのを大石は知っているから鉄平を殺す動機がないとわかる。
圭一→鉄平が沙都子に虐待をしていると勘違いはしていたものの、沙都子を助けようとしていた圭一はそもそも鉄平が逮捕されていると思い込んでいるので、殺すために北条家を訪れることはない。
祟殺し編では事件前の16日の放課後北条家を訪ねるが、既に皆殺し編ルートに突入しているため、訪問は無し。
レナ→そもそも御三家ではない上に、1年目の祟りに関われないためノーマーク。
魅音・詩音→園崎家とは和解している世界のため、もうマークから外れている。
公由→集会での公由村長の発言を聴いてマークから外す。園崎家とは関係がかなり深いので信頼があると共に、「ある人の赦しが欲しいのではないですか?」と、これまた圭一陣営を強化させようと動く梨花を見て自分の中の説がより強固になった。
梨花→一人迎えに来た梨花が沙都子に圭一を連れて北条家へ行けと誘導したに違いない。一連の事件の犯人は古手家だと思っている。
綿流しの日(19日)。
大石はずっと北条家を見張っていた。
虐待の無い北条家に「梨花」が迎えに来てしまう。
その後、沙都子が圭一を連れて戻ってくる。
圭一が来るのは問題ない。元々村に居なかった前原家は4年前から続く事件の黒幕になりえないから。
その後続けて鉄平も家への中へ。もしくは既に家の中にいた。たとえ鉄平のフラッシュバックがまだでも体調が悪いから、祭りには行けないだろう。
圭一が話す声が聞こえる。どこか別の世界で聞いたことがある声な気がする。
大石からも聞いた。前原圭一という男が、自分を警察に突き出そうと躍起になっていたことを。
ここで鉄平は、圭一がバットを持って自分に襲い掛かって来たシーンをフラッシュバック。
圭一は自分を殺すためにここに来たんだ。そうだ、そうに違いない!
悟史のバットが視界に入り
それを取って先手を打つチャンスを待つ。
沙都子が圭一を部屋へ案内する。
圭一が部屋の電気を付けたその瞬間を狙う!
騒ぎに気付いた大石は、場が静まり返った所で北条家へ突入。二人が倒れているのを発見する。
大石は刑事であり、普通殺害現場を見たくらいでは発狂したりはしないが、連続怪死事件の真相を教えてくれるような事件を目の当たりにしたのなら、少し話が違ってくる。
さらに、今回の現場を確認した瞬間に不意打ちを喰らって一時的に行動不能にされたのなら、まず事件の首謀者である(と思っている)梨花が口封じのために襲ってきたのだろうと思いこんでしまう。
この時点でL3もしくはL4くらいまで大石の発症レベルが上昇。
そしてその隙に身を隠していた沙都子が気絶している大石にH173を注射して、自分が梨花より先に殺されないように逃げ去り、別の場所で隠れるなどして大石の動向を監視する。
時間が経って起き上がった大石は近くにあったバットを持ち、梨花を探しに歩き出す。
ちなみに、H173は注射後「数時間」経過した後にL5に到達させるものであるが、実際に大石が神社にやってきたのは祭りが終わった後だったため、経過時間と症状の進行具合に矛盾はない。
このように…
沙都子は、大石が梨花を連続怪死事件の黒幕と思い込むように誘導したのである。
鉄平と圭一を相打ちさせ、その場面を大石が目撃するように舞台を整えていたのは沙都子だった。
勉強するのが苦手な沙都子がそんな事できるのか?と疑問に思う方もいるかもしれないが、トラップマスターである沙都子はそのトラップの性質から考えても、人の行動原理を理解し、その上でどんな行動を取るのかを予測することが得意であると考えられる。
だから、誰にどういうアクションを起こせばどんな行動をするかを理解している。
梨花を北条家に迎えに来させたのも沙都子が梨花に電話をかけてお願いしたのだろう。
沙都子を大切に思う梨花なら断ったりはしない。喜んで迎えに来てくれるはずだ。
鉄平は圭一に罪を着せられてヘイトは十分であるし、圭一に殺されるという記憶をフラッシュバックすればなおのこと、彼を殺す動機は十分である。
2.疑問点の解消
■沙都子の血の浴び方に、圭一VS鉄平の時と、古手神社境内に来た時のとで差があるのは?
圭一VS鉄平の時は、圭一はバットで殴られた瞬間、衝撃で意識が朦朧としてしまっているため、その後の描写は私たちにとって信用できるものではありません。
祟騙し編も圭一視点で進む物語でした。
不意打ちを喰らい、意識がおかしくなった圭一が、一体何を正しいと感じられるのでしょうか。
皆さんは立ち眩みを経験したことがありますか?特に貧血で倒れる直前の記憶がおすすめです。バットで殴られた経験を思い出した方は大変申し訳ございません。
頭がクラっとした時や貧血で倒れこむ寸前の時、まるで方向感覚がわからなくなってしまいませんでしたか?
前に進もうと歩いているはずなのに、左へ右へ、または後ろへ移動していて、周りの様子も目の前が真っ白になってしまって認識できないんです。
それでも、壁に正面からぶつかったら自分のすぐ目の前に壁があると認識できます。
少し時間が経てば、視界も少しずつ回復してきます。
この圭一の意識の朦朧具合が、きちんとアニメの描写にも表れています。
(※①の画像 部屋の奥側を北とします。)
血の付いた方向がめちゃくちゃであること、圭一がテーブルの西側で殴られたはずなのに、次のカットでテーブルの北側に倒れている(④参照)こと。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
そういえば…?
エウアおばさん(かわいい)の干渉があったのではという考察も以前は見かけましたが、それも無いと思っています。長椅子に横になって笑ってるだけです。(かわいい)
■沙都子の心の中の、最後の砦
さて。
ここまで祟騙し編にてどのように惨劇が形成されていったのか書いて参りましたが
「なんだよ、やっぱり沙都子が悪いんじゃないか😕❕」
と思われた方に向けて、 いや、そうでなくても知って頂きたい。
業/卒の沙都子を理解する上で、重要であると考えるこちらをご紹介します。
それは…
「解離性同一性障害」
です。
解離性同一性障害とは…
一人の人間の中に全く別の性別、性格、記憶などをもつ複数の人格が現れる神経症。
のことです。
原因は主に、家庭内での暴力(心、体、性的なもの)・虐待、家庭外でのいじめです。沙都子の場合、幼少期からほぼ絶え間なく原因となる環境下に置かれていたことが影響しています。
業では描写されていませんが、父親は何度も入れ替わり、唯一の実母も3年前に他界。
その後叔父夫婦に引き取られた後も虐待を受け、支えてくれた兄の悟史も突然いなくなってしまいます。
もうやめてあげてよと言いたくなるほど、十分に傷ついてきた過去があります。
部活メンバーと仲良く過ごせていた期間は、いつだって沙都子に束の間の癒しを与えてくれました。 純粋にその時間を楽しんでいる沙都子は少しだけ、心が回復していたことでしょう。
しかし、時が経つに連れて魅音の卒業、その一年後には圭一とレナの卒業と、沙都子が心の支えとしていた仲間たちが次々に旅立って行きます。
それでも、同い年であり一番の親友の梨花だけは唯一、ずっと一緒にいてくれました。
だからこそ素のままの沙都子でいられたのだと思います。
私たちにはとてもあっという間のことに見えてしまっていますが、圭一とレナが卒業し、部活メンバーが分校に2人だけの期間って、中2〜中3の「2年間」もあるんですよね。
梨花だけが、寂しさを埋めてくれる。絶対的な安心感を得るのも2年あれば十分です。
変わらずにずっと、隣で優しくしてくれるんですよ?
そんな梨花と離れるだなんて、最早考えられるはずもありません。
それが、積み上げてきた二人の絆が、高校へ進学した途端無かったことにされる。
今までの時間はなんだったの?
ルチーアに誘ってくれたのも、一緒にいたいと思ってくれていたからじゃないの?
さて。話を戻します。
沙都子には現在(猫騙し編終了時点)で2人の人格が存在しています。
そうですね…およそ綿騙し編の終盤くらいまでは、梨花と仲良く一緒に生きたいと願う「白沙都子」が主人格だったと思います。(綿騙し編の記事で補足できたらと。)
カケラ世界でエウアといる時の沙都子はほぼ、どんな手段を使ってでも梨花を屈服させてわからせてやると考える「赤目沙都子」です。
沙都子に別人格が現れたのは聖ルチーア学園ループ1回目にて、もう一度だけ信じてみようと梨花と約束をしたのに裏切られた、あの時点からではないかと推測します。
その後の沙都子は躊躇なく(シャンデリア百合)心中したり、自殺を繰り返したりと、明らかに今まで私たちが見てきた沙都子とはまるで変わってしまっているようでした。
完全な角の力で自分が死ぬ直前の記憶すらも覚えているはずの沙都子が、カケラ世界で起き上がる時に冷静でいられているのは何故でしょうか?
それは、自分が死ぬ瞬間には既に「赤目沙都子」に代わっているからです。
「赤目沙都子」は自殺することになんの躊躇いもない性格です。
躊躇い、苦しみながら死んだのであれば、その記憶が思い起こされて恐怖したりするでしょうが、「赤目沙都子」が自殺するシーンにそんな様子は全くありません。
それに加えて、羽入が説明したように
殺される時の“記憶“が繰り返す者を苦しめるのであって、カケラ世界に来た時には実際の身体はもう痛みを感じてはいないのです。
つまり、カケラ世界での沙都子は「赤目沙都子」であって「白沙都子」ではないので、死に際のシーンを思い出してもなんとも思わない。のです。
以下は補足的な引用。
解離とは、記憶・知覚・意識といった通常は連続してもつべき精神機能が途切れている状態で、軽いものでは読書にふけっていて他人からの呼びかけに気付かないことなどが当てはまります。この解離が、非常に大きな苦痛に見舞われたときに起ることがあり、実際に痛みを感じなくなったり、苦痛を受けた記憶そのものが無くなることがあります。これは、苦痛によって精神が壊れてしまわないように防御するために、痛みの知覚や記憶を自我から切り離すことを無意識に行っていると考えられています。
解離性同一性症はこの解離が継続して起こることによると考えられています。
簡単にまとめると…
ループ開始地点「赤目沙都子」
↓
仲間と楽しい時間を過ごしていく内に癒されて「白沙都子」に
↓
梨花に裏切られた瞬間心に傷を負い現実逃避のために「赤目沙都子」へ交代
↓
「赤目沙都子」が梨花をわからせるために暴れたり自殺したり
↓
カケラ世界「赤目沙都子」
…以下しばらくループ
※繰り返していく内に1ループ内で「白沙都子」と「赤目沙都子」の占める割合や交代の条件が変化していきます。
竜騎士先生が凄いのはもちろんですが、アニメ制作会社のパッショーネさんが本当に丁寧に心の変化を描いて下さっていて感動です。
また記事にする予定ですが、鬼騙し編は死ぬ瞬間まで「白沙都子」。恐怖から自分の心を守るため、「赤目沙都子」に交代。
綿騙し編では、梨花が行方不明になった頃に「白沙都子」から「赤目沙都子」へ交代。と今は考えています。
祟騙し編は「白沙都子」の心がだいぶ弱まってきていて、部活を楽しんだりしている間は「白沙都子」であるが、大石を利用しようと動いたり圭一をそそのかそうと考えたのは「赤目沙都子」。
演舞の時の圭一とのやり取りは、特に白と赤目2人の沙都子が見え隠れしているシーンで、圭一への感謝の想いや"にーにー"になってほしいという気持ちは本物です。
心が枯れかけている沙都子はきっと、自分一人では耐え切れず他の誰かにすがろうとする。
圭一は梨花が繰り返した100年を振り返ってみても、いつも沙都子のことを助けよう、守ろうと必死に頑張ってきてくれた人だった。
それは、沙都子自身が繰り返す者として生きてきたカケラでも変わらなかったはず。
沙都子がそのカケラ達をすべて見てきたというのならば、その信用・信頼は今や他の部活メンバーよりも頭一つ抜けていると言える。
そして、最後にもう一つ重要なのは、学んだことは他の人格と共有できるということです。
なんとこれ実例があります。
なので、沙都子はどちらの人格であっても、H173や拳銃(トカレフ)などがどこにあって、どうやったら持ち出せるのか等を理解しているのです。
おわりに
さてさて!
本気で解答してみる 祟騙し編 は以上となります!
私の拙い長文にお付き合いいただきありがとうございました。
個人的には今拾える情報を最大限活用しつつの解答ができたのではないかと自負していますが、それでもどこかに穴はあるのだろうなぁとドキドキしています笑
質問などありましたらお気軽にコメント残してもらえたらと思います!!
お手柔らかによろしくお願いします><
次は鬼か綿騙し編ですかね?
猫騙しのことも書きたい欲すごいけど、順番は迷い中です…。
※4/1追記
現在「猫騙し編〜卒」の"解答してみる"記事書いてます!進捗はおよそ60パーセントなのですが、その時点で10000字オーバーしちゃいました😇
ありとあらゆる謎についてしっかり理由を説明しながら解答して、最終回にバトンを渡していく長編になってますので、見ても大丈夫な方はぜひ…!
「心」を大事にする事は一貫していますので、きっと納得して頂けると思います!(監督がこういうのもよくわかりました笑)
改めまして、ご覧いただきありがとうございました!!
本気で解答してみる 祟騙し編 ~完~