『祟明し編 其の弐 考察』ドSとドMは紙一重
いつも閲覧ありがとうございます!
月詠🌸 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
ひぐらしのなく頃に卒 祟明し編 其の弐を視聴しましたので、感想交えつつ、ぶわーっと書いていきます…!
1.第一関門突破…!
まずはここからです🙏
自分の考えてきたことに対する答えが、ようやくひとつ明示されたので書かせてください…😭
沙都子が二重人格っぽいという考えは、このブログを始めた当初からずっと軸にしてきたものであったので、それがようやくわかる形で描写されて正直めちゃくちゃ安心しました…
梨花と沙都子は二人とも家族を亡くしていたりと、家庭環境が恵まれてはいませんでした。
そういった心の土台となる部分が既に失われている状態であるため、精神疾患が見える形で表に出てきていてもおかしくはないと思ったのが始まりだった気がします。
また、ひぐらし業最終回を迎えた後に沙都子が多くの人に叩かれているのを見て、「じゃあ、どうしたらこの子が許してもらえるようなトリックを用意できるのだろう」と考えていたのも、もう一つのきっかけだったと思います。
以下は引用です。
※祟騙し編の記事の内容はこの時の私のひぐらし知識が無さ過ぎて、もはや半分くらい信用ならないので流し読みでお願いします。。。🤣
・沙都子の心の中の、最後の砦
さて。
ここまで祟騙し編にてどのように惨劇が形成されていったのか書いて参りましたが
「なんだよ、やっぱり沙都子が悪いんじゃないか😕❕」
と思われた方に向けて、 いや、そうでなくても知って頂きたい。
業/卒の沙都子を理解する上で、重要であると考えるこちらをご紹介します。
それは…
「解離性同一性障害」
です。
解離性同一性障害とは…
一人の人間の中に全く別の性別、性格、記憶などをもつ複数の人格が現れる神経症。
のことです。
原因は主に、家庭内での暴力(心、体、性的なもの)・虐待、家庭外でのいじめです。沙都子の場合、幼少期からほぼ絶え間なく原因となる環境下に置かれていたことが影響しています。
業では描写されていませんが、父親は何度も入れ替わり、唯一の実母も3年前に他界。
その後叔父夫婦に引き取られた後も虐待を受け、支えてくれた兄の悟史も突然いなくなってしまいます。
もうやめてあげてよと言いたくなるほど、十分に傷ついてきた過去があります。
部活メンバーと仲良く過ごせていた期間は、いつだって沙都子に束の間の癒しを与えてくれました。 純粋にその時間を楽しんでいる沙都子は少しだけ、心が回復していたことでしょう。
しかし、時が経つに連れて魅音の卒業、その一年後には圭一とレナの卒業と、沙都子が心の支えとしていた仲間たちが次々に旅立って行きます。
それでも、同い年であり一番の親友の梨花だけは唯一、ずっと一緒にいてくれました。
だからこそ素のままの沙都子でいられたのだと思います。
私たちにはとてもあっという間のことに見えてしまっていますが、圭一とレナが卒業し、部活メンバーが分校に2人だけの期間って、中2〜中3の「2年間」もあるんですよね。
梨花だけが、寂しさを埋めてくれる。絶対的な安心感を得るのも2年あれば十分です。
変わらずにずっと、隣で優しくしてくれるんですよ?
そんな梨花と離れるだなんて、最早考えられるはずもありません。
それが、積み上げてきた二人の絆が、高校へ進学した途端無かったことにされる。
今までの時間はなんだったの?
ルチーアに誘ってくれたのも、一緒にいたいと思ってくれていたからじゃないの?
これがどうやら旧作においては、既に梨花に適用されているらしいと理解した時に「郷壊し編」が『ひぐらしのなく頃に 第9話』じゃないか?という考えに繋がっていきました。
それが正しいのか否か明かされるのかはわかりませんが、今は自分を信じていきたい気持ちしかないです。
2.祟騙し編と祟明し編の差異について
さて、本編考察に入っていきます!
鬼騙し編⇔鬼明し編/綿騙し編⇔綿明し編とそれぞれ比較していくと、所々に相違点があったというのは明らかだったと思います。
あれだけはっきりと”違い”を見せつけてきたのに、「祟明し編 其の弐」まで来て、それがめっきり無くなってしまっているのです。
ということは、これも意図的ということですよね。
これまで私が示してきた結論の中で、こういった描写の矛盾について最もパズルのピースがハマる感覚を覚えたのが以下です。
沙都子視点の物語とされている各明し編内だけでも変わらず矛盾が生じているのは、表舞台で暗躍し続ける赤目沙都子の行き過ぎた行為(魅音殺害等)を、白沙都子が「私じゃない!」と否定し続けているから。
つまり、白沙都子は赤目沙都子の存在や行動を"認めていない"ということ。
(※エヴェレットの多世界解釈に近いです。)
そのために各惨劇の結果の描写は2つに分かれている。
鬼騙し編ではまるで「第三者犯人Xに梨花と沙都子が殺された」ように見せられたが、
実際に起きていたことは「梨花が自殺し、沙都子も自殺した」
綿騙し編では「第三者犯人Xが沙都子と魅音を殺したか、魅音によって沙都子が殺された後に魅音が自殺した」かのような描写だったが、
実際に見せられたのは「沙都子が魅音を殺し、沙都子自身も自殺」
例えば、鬼騙し編では14日の天気は朝から「雨」でしたが、鬼明し編では「曇り」でした。
惨劇のシーンに限らず、こういった描写にも2人の沙都子の心が反映されていると考えると、それぞれの心境が天気に映し出されていると考えることができるのです。
騙し編を白沙都子、明し編を赤目沙都子と考えて当てはめてみると凄くハマるんですよ。
泣いている人格と曇っている人格。
空を仰ぎ見ながら雨に打たれる自分を想像してみてください。
たくさんの雨粒が自分の頬を伝って、泣いているみたいに映りませんか?
ここに合わせて鬼明し編・綿明し編の沙都子を思い返してみると、この二編は無理に演じることなく、赤目沙都子が素直に「悪」の道を突っ走っていましたよね。
ところが祟明し編ではどうでしょうか。
赤目沙都子の魔女らしい言動を見せたかと思えば、突然しおらしくなったり、物思いにふけるような場面があったり。
明らかに前の二編では見せなかったこの二面性が、同時に私たちに見せられているのです。
完全に分かれていた二つの人格が、沙都子が演技をすることで同時に存在している。
演技として喋っている言葉に本音が混じっているから、2人が疑似的にも同じ感情を抱いている。同じ方向を向いている。
だからカケラの中の描写に矛盾が発生しないんです。
3.圭一が見た夢
圭一は自身が見た夢の内容について「沙都子」が出てきたとレナに話したようです。
しかし、祟騙し編で私たちが見たのは「鉄平を殺している圭一の夢」でした。
と、一見圭一は騙し編とは全く別の夢を見たと思ってしまいそうになりますが、彼は鉄平を殺す夢と沙都子が関係していることに気づいている…という風に考えても良いと思います。
圭一に限らず、レナや詩音も他のカケラの記憶を思い出したりする時、どうしてそうなったのかという経緯まで理解しているからです。
…なのですが、沙都子が圭一の夢に本当に出てきたのだとしても、それはそれで「沙都子のSOSサイン」を表しているのかもしれないと読み取れたりもして、どちらの解釈も成り立つような気がするのですよね。
夢と言えば、ルチーア学園の沙都子の寮室のイラストについて思い出したのでぺたり。
今更かもだけど、この沙都子の部屋の謎のイラスト…「夢占い」じゃん…!
— 月詠🌸 (@higurashi_moon) June 30, 2021
入道雲→自分の内から湧いて膨らんでくる不安にあなたが振り回されていることを示している。
もう1枚も、一本道の先に夕暮れが見えてるから、明るい未来の先にみんなが待ってるのかも。#ひぐらし業 #ひぐらし卒 pic.twitter.com/7vy1zOOXRn
4.沙都子の心情
そんなのは「家族」ではないと、自ら否定する梨花。
沙都子が梨花にどれだけ傷つけられてきたか、記憶が無いから梨花にはわからないという…😔
これもルチーア学園のこと思い出させるセリフですね……
うわああああん梨花ちゃまぁぁぁあぁぁぁあ😭😭😭
”僕たちの”って言ってくれえええええええ😭
歪んだ鏡に映る自分でさえも……!
嘘だ…😩
もう言葉が出ない………😞
5.精神崩壊への道
いやあああつらい……!
結局のところ、祟騙し編(祟明し編)の沙都子の"撫でられる前に手を弾く"という行為も、演技ではなくて「並列世界の記憶が入り混じり始めて本当に苦しんでいる」ということだったんですね…?
今まであんなに名女優っぷりを発揮していたのに、突然下手な演技のようになっていたのはこういう事だったのかと…!!
そして、猫騙し編のあのびっくり箱の行動も、ここと同じ現象が起きているということに😥
ここ、凄くないですか?
ひぐらし業時点では
「吐いている演技をしている?=沙都子黒幕説」を強固にした演出だったはずなのに、
ひぐらし卒では
「実は本気の演技ではなく、むしろ結構素で苦しんでいた」というシーンに…!
重要なシーンであることは間違いなかったはずですが、こんなに見方が変わるような描写であったとは思いませんでした…!
自分の本当の想い、願いを演技でも口にすることで改めて認識し、やっていることとの乖離に苦しんでいる沙都子。
このカケラというテレビ画面を通して、沙都子がエウアに許しを乞うているように見えるのも、きっと意図的なのでしょうね…怖い。
そして今の沙都子にとってのエウアは、こういう風に映ってしまっていると...
加えて、祟騙し編 其の伍の圭一VS鉄平のシーンで赤い世界がチカチカと点滅していた理由も、沙都子の赤目のちらつきと重ねて良さそうです。
このシーンだけ、綿明し編の沙都子VS魅音等の完全に赤い世界と表現が異なっていたのも、2つの人格が表に出ているというある意味対等な状態でせめぎ合い、苦しんでいるからということだったのかと…
6.エウアと羽入の残り香
オレンジ色の帯…ということは梨花のカケラ世界にエウアが居るということに…
— 月詠🌸 (@higurashi_moon) August 13, 2021
つまり、羽入の残り香さんは……🤐
(作画ミスじゃないって赤字で言って欲しい笑#ひぐらし卒 pic.twitter.com/xXHyNC0wkc
やっぱり視聴1周目じゃこういうの見落としますね…エウアさんが”良"すぎて目がいかなかったです。
私は今回の祟明し編 其の弐をテレビで観たのですが、2周目はdアニメで確認したため、一先ず放送版と配信版で色が異なるということはないようです。
背景指定ミスとかだったら悲しいですけど、とりあえずは信じたいと思います…
エウアさんについても裏でこっそり明かされていくの、面白いですね。
これ、突然エウアさんが茶目っ気発揮してウィンクしているみたいに思ってしまいますが、いやいやいや!怪しいですよ!!(素敵な二次創作やひぐらし業アンソロを摂取してしまった後なので尚更素直に受け入れてしまいそうになる😇)
まずはしっかり疑って、前後のシーンを検証します。
結論から言うと、エウアが右目を閉じている時は羽入の残り香を操っている状態。
ではないかと思います。
おわりに
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
沙都子が梨花の考え方を変えた。いつの間にか見えなくなっていた、人の痛みを思い出させてくれた。
この長すぎるすれ違い、絶対に終わらせてくださいよ。。。
次回は「祟明し編 其の参」ですか?!
騙し編の其の参と其の四はほぼ圭一たちの話なので大胆にカットできるはず…なので一気に物語が加速すると思っていますが、どうなんでしょうか。
そういえば最近、首の左側がズキズキと痛むことがあるんですよね。
もしかして、私の精神もぐちゃぐちゃになってきてる説ありますか????
あの沙都子ゴロゴロも制作会社が放送終了直後に原画公開とかいう、明らかに”笑わせに”来ている描写だと思うんですよ。
笑ったり泣いたりを30分間でごっちゃまぜにしてくるの、私も一緒におかしくなっちゃいそうで怖いですよ!!笑
それではまた…
ひぐらし業/卒 当ブログにおける考察の前提まとめ
閲覧ありがとうございます!
月詠🌸 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
この記事は、現時点での私の考察の前提(土台)となっている事柄をまとめたものです。
現行で書いているひぐらし卒の考察記事だけでは、私が何を考えているのかわかりにくいかなと思ったので…。頭に入っていることを書き出しました。
(※あくまで私の頭の中でそうなっているだけなので、様々な解釈があって良いと思いますし、他の方の解釈を否定したいというわけではありません。)
基本的には原作8編(無印+解)と礼(賽殺し編)、そしてそれらのTIPSだけで業卒も考えるようにしてきました。
卒業問題が原作祭囃し編の最後で出題されていたので、そこまでの情報でほぼ全てわかるようになっていると思ったからです。
ひぐらし業終了後から色々と考え、ブログに書いてきましたが、「祟明し編 其の壱」までを視聴した上で少し考えが変わった部分もありますので、今までの記事の内容とここに書いてあることが少し食い違っていても、そういう事だと思っていただければ幸いです。
0.プレイ実績
「なく頃に」シリーズのみ記載します。
最初はひぐらしのアニメ版からで、以降 ひぐらし→うみねこ→キコニアの順に読んできました。
■ひぐらしのなく頃に(主にCS版奉。原作は一部のみ。)
憑落し編、盥回し編、染伝し編、昼壊し編、影紡し編、宵越し編、賽殺し編、罰恋し編、言祝し編、アウトブレイク
現壊し編、心癒し編
アニメは全て視聴済み。
※業卒のように竜騎士先生がプロットを書いたり、直接執筆されたもの以外は他の作家様のフィルターを通した物語であるため、作品の設定的な部分は半信半疑で読んでます。(ひぐらし命など)
EP1~EP8
※本編にあたる部分だけ知っています。1周しか読めていないのでざっくりとした理解度です。
■キコニアのなく頃に
Phase1
※1周しか読めていないのでざっくりとした理解度です。
1.物語
■結末・物語の目指すところ
絶対の絶対のハッピーエンド!!!!
※ただし羽入は復活しない。
以下は川口監督のインタビューにて
「確実に納得していただけるエンディングになっていると思います。それは皆さんの想像とは少し違う形になるかもしれません。新たなる『最高のエンディング』をお見せできるかと自負しています。」
この発言の”少し違う形”が羽入の存在のことだと考えています。
梨花の親離れ。もう繰り返すことのない人間らしい生活に戻れるようにという願い。梨花には自分の手で生き様を選び取ってほしい。
梨花と沙都子、2人が辿り着いた最後の世界で、たった一度しかない人間らしい生活を歩み直す物語。
夢の夢のぶつかり合いが、夢と夢の調和に。
罪を認め、赦し合うことでみんなの”夢”が叶う。
古手桜花の教えの復活。
オヤシロさま(古手梨花)の復活。
一緒にいていい証としての「誓いのキスEND」!!
■物語の過程について
後述する鬼狩柳桜の解釈に加え、フレデリカ人格と古手梨花との統合がされた際に今までの記憶を失っていなかったことから、心の鬼(赤目人格[魔女])を殺しても記憶は無くならないという考えであるため、私としては無印→解→業卒と通って作品全体1周のみで物語は終わると思っています。
自分の罪の記憶を失くしてしまうというのは、作品のテーマと外れてしまう気がするというのも一つの理由です。これはメタ的ですが。
超個人的な想いとしては、同じ物語を実は何度もやってましたって言われてしまうと、それこそ祭囃し編などのドラマ性が薄まってしまうなと感じるので嫌だなぁと…💧
賽殺し編も通っていないと考えています。
以前の記事にも書きましたが、第9話ではないという竜騎士先生の発売当初の発言と、今回の郷壊し編の導入部分を観て、祭囃し編のエンドロール直前の描写から繋がっていると感じたため。(フレデリカ・ベルンカステルの詩として紡がれていたはずなのに、意思を持って喋り出している。)
2.世界設定
■現実世界(物質的世界)
皆殺し編まで。
死の瞬間を魂に刻み付けようとする行為はすなわち、自身の肉体の「死」を受け入れること。
■精神世界
祭囃し編以降全て。
■カケラ世界
繰り返す者の心の中の世界。
足場の崩壊などの現象は、その世界の主の心の寿命、精神の崩壊状況を表している。
■カケラ
繰り返す者が想像したIFの物語が収められているもの。
ひとつひとつが1冊の本のイメージ。
雛見沢症候群とは、アレルギー反応をその発症過程のモデルとし、
文化依存症候群を主とした、解釈妄想病、統合失調症 、その他精神疾患が複合したものであり
本作においてその病原体となる寄生虫は、本来の意味である実在する生物ではなく「オヤシロさま信仰」のこと。
思想の空気感染。
■H173
偽アレルギー反応をモデルとした注射剤。
1回目の注射で対象者に抗体を作らせ、2回目の注射でアナフィラキシーショックを引き起こし擬似L5発症に至らせる。
どんな人間にも2回の注射で同様の効果を与えられる。雛見沢症候群の発症レベルは無関係。
同時に、1回の注射のみでは擬似L5発症までは至らない。周りの環境等によるストレスだけで雛見沢症候群は進行する。
よって、ひぐらし業卒において全ての惨劇は自然発症であり、大石以降の惨劇は"オヤシロさまの祟り"である。
■鬼狩柳桜
『慈愛の心』そのもの。
誰かを敵と認めて物理的に殺すためのものではない。心の鬼を”殺す”ためのもの。
神剣・鬼狩柳桜は1000年間誰もその存在を見た者はいない。剣であるということすら、伝承がつくってきた幻。
「猫騙し編 其の四」のラストシーン以降、あの破片が見つからなくなってしまってもおかしくはないと思っている。(沙都子の精神の崩壊)
3.人物
主要な4人のみで失礼します。
■古手梨花
これから現代のオヤシロさま像の教義を受け継ぎ、体現していく存在
オヤシロさま(古手桜花)の生まれ変わり
元々は普通の人間だったが、昭和58年6月という鳥籠に捕らえられることによって解離性健忘を繰り返して自身の死を否定し続け、やり直す度に徐々に精神をすり減らしていった。
やがて慈愛の心を失ったフレデリカ人格が生まれ、自身の幸せを求めて祭囃し編のカケラを壊し舞台に上がった結果、沙都子を不幸にしてしまったが、彼女(猫)は沙都子&エウアの繰り返しによって9回殺され、本来の古手梨花を取り戻した。(九死に一生を得る)
「猫騙し編 其の参」の腸流しまでは人格が分かれていた状態で、フレデリカ人格が主人格だった。
竜騎士先生が「梨花は主人公でもなければ、プレイヤーでもなかった。」と仰っているのも、この解釈で通ると思っています。
元々旧作の皆殺し編までの物語も、「最初の世界」以外は全て梨花が想像(作話)したIFのストーリーであるため、祭囃し編以降はフレデリカ人格が望めばあらゆる人物の言動や性格も変えられる。郷壊し編が彼女の夢にとって都合のいい展開ばかり続いていくのはこのため。奇跡の魔女。
梨花の魂は一つしかないけれど、人格は二つに分かれてしまっていた。(解離性同一性障害がベース)
「沙都子→梨花」の順番で死んだり消えたりすると梨花の記憶が残らないのは、梨花の魂が沙都子の存在を求めているから。沙都子がいない世界を魂が否定しているから。
旧作において唯一皆殺し編が「沙都子→梨花」の順番で死んでいるカケラで、祭囃し編スタート時に”無かったこと”になっているのも同じ理由から。
あの時の梨花は「罪滅し編→皆殺し編→祭囃し編」と来ていたはずが「罪滅し編→祭囃し編」という認識になっていた。
記憶継承のルールの正体は
「A→B→C」と来てBの世界で沙都子→梨花の順番で死んだ時、それまでの梨花の記憶が全て失われるのではなく、その順番で死んだ世界の記憶だけが抜け落ちる。
よって「A→×→C」と同じ梨花が通る。
シャンデリア百合心中したあのカケラの出来事を一部だけ覚えているのに、沙都子の記憶が全て欠落していたのも似たような理由で、「私にあんな態度を取る、私の知らない沙都子」を見てそれを否定してしまったから。
沙都子の死を観測する暇なく2人同時に死亡したことも、記憶範囲がおかしくなっている理由の一つであると推測。
つまり、騙し編に連れて来られた梨花は高校二年生時の同窓会まで進んだ梨花。
本人が忘れているだけで同一の存在。
記憶が一部残っているルチーア2回目のシャンデリアに潰された時の服装が反映されている。
梨花と同じく元々は普通の人間だったが、フレデリカ人格によって一度壊され、再度紡がれたカケラの中の世界で、梨花と理想の日々を送ることができなかった。しかし、あくまでも自身の選択を悔いる強さを見せ、「やり直させて…!」と願った。
沙都子と羽入の自身の選択による後悔と「やり直したい」という願いが共鳴し、カケラ世界にてエウアと出会う。
しかし、繰り返す者として世界を巡る度に精神をすり減らし、ついには梨花に罪を求めてしまい、幸せすらも疑ってしまった。
現在も二重人格で、白沙都子と赤目沙都子が心の中でせめぎ合っている。
「昔、屋根によじ登って中に入ってしまったことがございましたわね。今でもオヤシロさまは、私を許しては下さらないのでしょうね…」
→いいえ、絶対に許して下さいます。梨花ちゃまが。
■羽入
不完全な鬼神 完全な母 現代のオヤシロさま像
梨花が祭具殿にて初めてオヤシロさまのせいにしたことによって生まれた、古手梨花のイマジナリーフレンド。
梨花と羽入、2人で原始のオヤシロさま”教義”を表現している。
(梨花は事あるごとに「あんたのせい。」と羽入に当たっていた。TIPS:お気に入りのワイン[CS版:お気に入りの飲み物] 等)
伝承で言うと1000年前に鬼狩柳桜で古手桜花に切られた後の姿。故に鬼神として不完全。実際に1000年前に存在していたのではなく、あくまでも古手家の禁書を読んだ梨花によってそのままの設定が反映されているだけ。
ひぐらし業/卒では、古手家の伝承の再現を目指している。
自身が完全に心を鬼にすることで、全ての罪を背負う覚悟でいる。
梨花を信じつつも悪を演じ、貫き通すことで完成された世界に導こうとしている。
梨花がもう繰り返すことの無い、唯一の世界に生きるという人間らしい人生を歩めるようにと、自らの意思で梨花の元から去った。それが猫騙し編 其の壱。
■エウア
完全な鬼神 不完全な母 原始のオヤシロさま像(+現代のオヤシロさま像?)
古手家の禁書の内容に則り、鬼狩柳桜(慈愛の心)の封印が解けた影響で、鬼神(羽入)の角の傷が治り、その力を取り戻した。
つまりは完全な角を持つ完全な鬼神として復活を果たした。
彼女は鬼狩柳桜(慈愛の心)を失った古手梨花のフレデリカ人格に対応していた。
『古手桜花の心を探れ』の記事では、エウアを現代のオヤシロさまとだけ記したが、オヤシロさま本体はあくまでも梨花であって、実際は羽入ではないしエウアでもない。
しかし、鬼狩柳桜を受け入れた羽入も、その羽入を内包するエウアも現代のオヤシロさまの側面を持っていると言える。(鬼狩柳桜を心に禁じてる状態であるということ)
形式としては結局「羽入 - 鬼狩柳桜 = エウア」となるが、原始と現在のオヤシロさまどちらの側面も持っているように見えて、やはりはっきりとしない存在である。
羽入もエウアも、鬼神とオヤシロさまの二面性を持ち合わせた神様。
羽入本人が生贄となって召喚された形なのか、羽入が完全体となった姿がエウアで羽入の残り香を操っているのかはハッキリしていない。
嘘を言っていたり、ふんわりとした発言が多すぎて判断がしにくい。
両者に繋がりがある事は疑っていない。あまりにも事が上手く進んでいるため。
以上です!🙋
それぞれの前提項目について、どういう過程で導き出したかは以下のカテゴリーの記事をご覧ください。
※8/19追記 個人的解釈に基づく時系列の整理やってみました!
閲覧ありがとうございました🌸
『祟明し編 其の壱 考察』精神攻撃は基本。
閲覧ありがとうございます!
月詠🌸 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
さぁ!ついに始まりました「祟明し編」!!
毎話楽しみで仕方がないのですが、やはり確実に物語が大きく動き出すだろうということもあって、期待に胸が膨らみますね🤗
というわけで今回も感想交えながらいろいろ書いていきます~~~
ちょっと長めなのですが、お付き合いいただけますと幸いです😭
- 1.製作委員会さん?!
- 2.”かんしょう”
- 3.梨花と羽入の残り香
- 4.古手神社境内でのやり取り
- 5.鉄平と沙都子
- 6.祟騙し編(祟明し編)のカケラを視るエウア
- 7.再び、猫騙し編について
- 8.祟明し編の惨劇
- おわりに
1.製作委員会さん?!
裏切ったなぁぁああああぁ?!!!?!???!?
(※勝手に信じて勝手に裏切られただけです。)
ひぐらし卒のPV第2弾を見直しましたが、やっぱりすべてのシーン、すべてのセリフが回収されていました。。。
ということで、このPVは上げて落とすための製作側のトラップで、下記生放送の時にレナ役の麻衣さんが「沙都子ありがとう…のシーンもぞわぞわでした私。」と仰っていたのは
全然そんな感動的なシーンじゃないのに、そういう風に作られていて鳥肌が立ったということだったんだと思うと……!酷いことをする…!🥺
(※再生時間24:00~です。)
これで祟明し編のほとんどはおろか、最後の4話なんてもう完全に猫箱にしまわれてしまったというわけですね。
ハッピーエンドとバットエンドの物語が今、同時に存在しているというわけです。。
私はこんな事されたってひぐらし卒の箱の中身はハッピーエンドしかないと信じていますが!!!!
今夜からの #ひぐらし卒 は、 #ひぐらし業 の解答編なので、もちろん皆さん視聴済みかと思うのですが、業を見てから見て下さいね!☺💦
— 07th Expansion (@07th_official) July 1, 2021
「無印・解・礼」も見ていただくと、「業と卒」で本当にひとつの集大成だと感じて頂けると思います。
みんなの頑張り物語をどうか見届けて下さい!
(竜騎士07) pic.twitter.com/AyTzGgmbul
梨花ちゃま巫女衣装×桜のイラスト……これ見た時、信じていいんだってなりましたもん……
そこに至るまでの辛く苦しい時間も受け入れられる…😭
2.”かんしょう”
それでは本編に入っていきましょう。
楽しみにしていたカケラ世界での反省会パートです。
えっ?!そ、そうだっけ…?
と思いましたが、梨花は沙都子にとっては駒では無いでしょうし、間違ってはいないようにも思えます。思った通り、魅音が発症して梨花を殺してくれましたからね。(直接見に行ってないけど、それほど魅音を信頼しているってことですもんね……)
でもまあ、嘘つき!って感じですよね…笑
「ありがとう」ではなく「感謝」という言葉を使う沙都子。
言い回しや態度からして、まるでエウアと対等な神様になったかのような振る舞い。
あれ~~?この流れ、少し前にも見かけた構図ですね??
「言質取ったぞ、人の子よ!」
ゲームのように文字で表したのであれば、沙都子は確かに「鑑賞」の意味で言った。ただそれだけだと受け取れますが、ダジャレが大好き(偏見)なエウアさんのことですから、音だけで聞いてしまったら、そこから先は好きなように解釈しちゃうんでしょう…
鑑賞は干渉に。
大石からのあり得ない発症者ラッシュが、エウアの干渉によるものと以前から考えてきているため、そのフラグを立ててくれたという好意的な解釈をしておきます。
沙都子に新たな可能性を吹き込むエウアさん。
情に訴えかけるには左耳から右脳に届けるのが効果的なのですが、それをよく分かってらっしゃる。
彼女が沙都子に力をあたえてから何度も沙都子は梨花よりも先に死んでいますが、一度も梨花がいない世界に行った事はありませんでした。
それもそのはずで、今まで沙都子にとって梨花は居て当たり前の存在で、彼女の心情からも読み取れるように居なくなる可能性なんて考えたくもないんです。あり得ない可能性なんです。
だから今まで想像しようもなかった。
ですが、自分よりも圧倒的な力を持つ神様という存在は、自分の当たり前としてきた常識・考えというものを、いとも簡単に壊していくことができます。
それを体験し、理解しているからこそ、このあり得ない可能性に沙都子は怯えることとなるのです。
視聴者側としてもそうですよね。
今までに広まっていった考察の一つに
「沙都子→梨花の順に死ぬと、記憶がリセットされた別の古手梨花からやり直すことができる。」というものがあると思いますが、
「梨花が存在しない世界に飛ばされる」と考えていた人は少数なのではないかと思います。
神様のたったの一言が、視聴者側にも新たな可能性・新たなカケラの可能性を植え付け、沙都子が抜け出せない地獄に落ちてしまうという、恐ろしい想像を生み出してしまっています。
カケラの中の物語は、夢の主(今は沙都子)が自ら新しい可能性を想像することで、梨花の100年にはなかったものが描かれるようになります。
それが以前にも書いた、鉄平がSSRに進化する最初のカケラのことでもあります。
この時もちょうど、記憶の蓄積によるカケラ内の人物の変化について話をする中で、沙都子の「親族であれば、その影響は尚更なのでございましょうね…」に対して、エウアは「無論、そうであろうな。」と答えるという、”新しい可能性をエウアに示されている”というシーンになっています。
(※よって、祟明し編 其の壱でルールが追加されたという意味ではない。と受け取ります。)
まず、第一にカケラというのはその人物が思い描く、1つのIFの物語と解釈することができるのですが…(※解離性同一性障害→解離性健忘と繋がる先に作話があります。詳しくはこちらを→作話 - Wikipedia
エウアが沙都子に力を与えた時の描写を見ると、エウアは左手を沙都子にかざし、それに合わせてその時存在していたカケラが反応しているのです。
そして、鉄平とのシーンに入っていく繋ぎの描写がこちら。
沙都子が目を閉じ、沙都子の背面且つ遠くにカメラが移動し、我々の視界を遮るようにカケラが通っていくが何も映っていない。
(中略)
まだあります。北条家の状態と沙都子が小学生というギャップです。
まず、祟殺し編ルートで仮に鉄平が帰ってきたとして、2人だけでこれだけ傷んだ家を修繕するのは非現実的です。
また、夕飯の買い物でさえ後回しにされるのに、村から煙たがられている北条の家の手伝いをする人がいるとも思えません。
「さよなら、にーにー。」した沙都子にとっては北条家を守る理由もありませんし、そんな沙都子の心情が表れているようにも思えます。
以上から、この鉄平の一連のシーンは梨花の100年のカケラに入って分岐したものではなく、沙都子が0から生み出したカケラであるため、エウアの左手の干渉を受けていない。
沙都子はここまで来ても梨花の事を信じたいし、自分の方を向いていて欲しいのでしょうね。
猫騙し編 其の四の最後の赤目沙都子シーンを見る限りでは、一先ずあの地点まではしっかり追いかけられているようなので、そこは安心していいと思います。
(というかこの猫騙し編 其の四の最後のシーン、ワンチャン教室にいる仲間を皆殺しにして梨花の心音が消えるまで待ってから自殺する…くらいやるんじゃないかと今は思っています。)
でも、その後ですよね。
沙都子が先に死ぬとなればもう、
『こんな罪に塗れた自分なんて、梨花と一緒にいてはいけない存在なんだ…』
という強い自責の念で、自ら命を絶とうとする時だと思います。
これに近いことが沙都子にも起きると思うのです。
カケラ世界に取り残されて、梨花と会えなくなる。
今まで生み出してきたカケラの存在も、次第に薄れて消えようとしてしまう。
でも、こうなったとしても、カケラの中の世界(雛見沢)に呼び戻せる方法があるんですよ。
今回の以下のシーンって、その伏線なんじゃないかなって思うんです。
カケラ世界にいるのに、カケラの中の雛見沢から「梨花?」と呼ぶ沙都子の声が聞こえて、古手神社の境内で目を覚ますんです。
真っ暗闇な自分の心の中の世界で彷徨うことになったとしても、外側から沙都子を求め続ければその想いはきっと届くんじゃないのか?
そしてそれこそ、沙都子の心を探す「宝探し」なのではないか??(鬼明し編 其の壱)
「勝負はかけっこではなく、宝探しなのなのです。ボクにも勝ち目はあるのですよ。」
— 月詠🌸 (@higurashi_moon) July 2, 2021
これ、沙都子の心を探せ。だとか、沙都子という唯一無二で一番大切な存在に改めて気づくことが梨花の勝利って受け取ったよ#ひぐらし卒
というのが個人的な展開予想です。(やっぱりFF8じゃないか!)
…こうやってまた考えていくと、ずっと猫騙し編 其の四で殺された後は記憶を何も引き継げないと予想してきましたが、そこだけ覚えているという「奇跡」があってもおかしくないというか、遂に沙都子と梨花が対等になるというシーンとしてはここがピッタリで。
以降梨花が自分の意思で沙都子を救おうとするのを見せてくれるはずなので、その下準備的な意味でも覚えてないとですよね。
フレデリカ人格はあと5回と宣言してちょうど諦めましたが、それと羽入の残り香が与えた力の有効期間は別のものとして考えた方が良い気がしてきました。
一応、可能性として置いておきます。
3.梨花と羽入の残り香
再びカケラ世界にて目を覚ます梨花。
遂に彼女が「今のあんたはあぅあぅ言わないのね。」と指摘するのを聞けました。嬉しい。。。
そして、変わらず梨花を心配しつつも導こうとする姿勢は見て取れるので、梨花を自立させ、沙都子との関係の修復も願っているのは間違いないと思います。
色々と誤魔化し続けている羽入の残り香さんですが、知っていることを教えてしまっては梨花の今後のためにならないので、正しい選択だと思います。
祭囃し編の時は梨花に鷹野が犯人だとすぐに教えましたが、今回は目的が違いますからね。
4.古手神社境内でのやり取り
沙都子に呼ばれ、目覚めた梨花は境内で言葉を交わします。
上記の画像、沙都子は梨花を掴んで前傾姿勢ですよね。
これ、梨花の「メッセージなんて何もないのです。」という言葉の直後に、梨花の動きとは関係なく、少しだけ肩を落としているんですよ………
映像で見直していただくと尚わかりやすいと思うのですが、沙都子明らかにガッカリしているんですよね…
梨花のこと大好きだから、最後に選んだ唯一の世界では幸せにしたいのももちろん本当ですし、自分の罪に早く気が付いてほしいのも本当。
鬼→綿と来て、梨花はもちろん沙都子と一緒にいる時間が一番長いわけですし、ちゃんと彼女を見ていれば今までとは違った一面を見つけることができて、その違和感にも気づけるはずなのに、何も気づいてない。
自分のことなんて置いて、自殺してしまう。
わかってはいたけど、こんなに悲しいことありますか…?
社に向かって発言しつつも、沙都子には背を向ける。
今の沙都子からしたら、ルチーアに行ってしまうだけでバットエンドなので梨花の発言聞いただけでもうNG。
梨花はその点においては何も間違っちゃいません。
(フレデリカ成分感謝…!)
沙都子の雛見沢の良いところついての発言。猫騙し編ではようやく部活メンバーの存在に言及するけれども、ここでは人に対する発言は一切無し。
沙都子の言葉が出所だったんですね。
似たような発言+より踏み込んだ言葉で沙都子が捲し立てるのも、梨花の記憶継承範囲が修正されたことを知らないからだと思います。
事実、今回の時点で沙都子は梨花と羽入の会話を見ても聞いてもおらず、目を逸らしているんです。
簡単に心を折ることができないということを鬼明し編の直後に確認し、以降も”まだ足りないに決まっている”という思考なのかもしれません。
「梨花には、もっともっと苦しんでもらわないといけませんの。」
5.鉄平と沙都子
バーベキューの後、沙都子は梨花に「買い物に行ってくる」と嘘をついて鉄平の自宅へ……みんな嘘ばっかり!
鉄平とその仲間2人と卓を囲み、麻雀を打ちます。
鉄平は素で強いようですが、沙都子はそれに加えてイカサマを使ってるようです。
勝つのも負けるのも自分次第とか…恐ろしいですね。
現状が正にそうです。
ここの沙都子、鉄平たちの話を聞きながらも梨花のことを考えてたりしてないかなぁと思うのですが…
梨花は若干キレ気味でかなしいね😷
野球やバーベキューといったイベントが発生した時点で、祟殺し編ルートなのはもちろん理解しているのでしょうけれど。
このチンピラさんたちは素敵ですね。友人の雰囲気が突然変わっても、それをすんなり受け入れてくれる。
このセリフに被せるように沙都子が映される。もちろん意図的でしょう。
今の沙都子は、雛見沢にいた時のあの梨花しか受け入れられない状態ですから。
どんなあなたでも受け入れられたら、好きでいられたら、どんなに素敵な事か。
そしてその直後、叔父様は”こういう人だ”という固定観念をひっくり返されるのでした。
赤目沙都子に誘われ、雛見沢の北条家宅へ。
鉄平に「村の全員にいじめられている。」と半分嘘で半分本当の事実を告白。
それをわかっているからこそ、この涙が嘘にも見えるし、本物にも見えてしまいますね。
彼女に少なからず村八分による痛みが残っているからこそ、これだけの涙が流せるのかなとも思いました。
エウアさんの「抜けぬ棘のごとく」という表現が似合いますね。
そしてこの赤目のシーン。
本当にしんどくて、リアタイ時はそれほどでもなかったはずなのに、翌朝思い返していたら声に出して泣いてしまって。
やっぱり私は沙都子に感情移入しているらしいです。
そもそもこうやって自分で考察するようになったのが、沙都子が叩かれている様子が辛かったから、なので…
一晩にして噂が広がる雛見沢。
他の誰にも見えない所なら、特に家族間でなら。
沙都子を気遣う言葉を口にしたって嫌な目を向けられることは無い。住人の殆どは沙都子を悪く思ってないが、村全体の雰囲気や圧力によって北条家に対して冷たい態度を取らないと自分が後ろ指を刺されると思っている。
なんというか、これがまさに日本の悪いところ。ですよね〜。良くも悪くも周りに合わせようとする。
誰も心の底からは心配なんてしてくれないんだなぁと。他人は結局他人なんですね。悲しい。
6.祟騙し編(祟明し編)のカケラを視るエウア
祟騙し編で私たちに見せられた映像と全く同じものが、エウアの手にしたカケラの中に流れています。
詩音はバーベキューに後から合流しますので、今のところは騙し編との差異は見られないかなと思います。
野球のシーンも騙し編を確認しましたが、セリフと動作が噛み合っていました。
いや、それはそれで怪しいのですが。
今まで足場の上に椅子を置いて鑑賞していたにもかかわらず、突然空中に椅子を配置しそこに座っているエウアさん…彼女は重力なんて関係ないんですね。
(というか沙都子の身体はどこ?2つの人格一緒に放り込まれてる??でも最後にまた足場復活するんですよね…)
ちょうど、このシーンは沙都子が「自ら憐れみという愉悦の池に身を浸す」場面でした。
これ、結構沙都子にとっては切り札的一手だと思うんです。
自身が嫌いな「憐れみ」という人の感情を利用し、常に自分を騙し続ける、演技をし続けるという大きな精神負担。諸刃の剣。
ルチーアでは梨花に憐れみの感情を持たれていたと思っていましたから、まさにそのままお返しして差し上げますわという形…
嫌いな食べ物を無理やり食べているみたいです。
ピーマン、ナス、カボチャ…
沙都子目線では、自分のトラップにハマっていることに気づかず、泣いてくれたりしてるのがなんだか滑稽で面白かったりもするのでしょうかね。魔女思考です。。。
7.再び、猫騙し編について
沙都子の葛藤が随所に見られるのを確認できたので、それを踏まえてまた猫騙し編のことを振り返ってみます。
梨花を腸流しするという惨いことをしながらも、今までの自分の罪を嘆いたり、雛見沢を離れようとする意思がなくならない梨花に対して本音を訴えている一連のシーン。
やっていることと叫んでいることがどうも真逆なんですよね。
精神に限界が来ているであろう、というのはもちろんなのですが、赤目沙都子と白沙都子の両方がこのシーンに同時に存在しているようにも思えます。
人格を無理やり統合された結果…?それで言うならば、解離性同一性障害から内在性解離に変化した…?
それに対して、内在性解離は、別人格が潜在意識にとどまっていて、表面意識(顕在意識)にでてくることはありません。以下の項目に当てはまる人は、内在性解離の可能性があります。
- (1)感情を溜め込みやすい。
- (2)(あのときこうすれば良かったなどと、)過去の自分と自問自答(あるいは脳内会議)する。
- (3)その場と関係のない感情(悲しみ、怒りなど)が湧いてくることが多い。
- (4)過去のつらい体験を、過去の感情とともに突然思い出し、それをコントロールできない。
猫騙し編は沙都子による腸流しがあるため、繰り返す者としての沙都子は実在している。しかし、序盤の燕返しは失敗している。
今までずっと、猫騙し編の惨劇の世界は梨花が上位の存在(羽入の残り香でもあればエウアでもある)に見せられている夢の世界であり、羽入という記憶媒体がいなくなっているから記憶範囲が「死の直前のみ」に限定され、それ以前の時間の記憶は正しく記録されていない。
だから皆殺し編の記憶もあったはずなのに失っている。
と思っていました。
私たちが見る夢もそうですよね。前提知識もおかしいし、自分が喋っているはずなのに内容がデタラメだったり…
他には、カケラを俯瞰する魔女から一段階人間側に戻ってきた状態を表しているとも考えられる気もしています。つまり、皆殺し編の記憶を参照できなくなったという事。
それはそうとしても、沙都子がおかしい…?
……いや、もしかしたら繰り返す者としての沙都子が猫騙し編の世界に降りてきていない段階というだけなのかもしれません。
赤坂と梨花がダビンチでお喋りするシーンまでが当てはまります。
赤目沙都子がカケラの中の世界に降りてきていないときにも、物語は進行していることが既にわかっています。
郷壊し編を見るに「鉄平改心」→「鷹野改心」→「H173初入手」は連続したカケラだと読み取れるのですが、ということは沙都子が麻雀の練習に本腰を入れ始めたのもこれ以降だと思われます。
鉄平を利用するという思い付きは、改心を知った直後ですからね。
銃の練習もそうです、沙都子が中学生まで成長できているので。
村の全員にいじめられているという前提で北条家に居座り続けるので、鉄平の麻雀仲間とも仲良くなるのも退屈しのぎの一つになります。
自分が無限の準備時間で得た圧倒的力を”ご披露”できる場面でもありますからね。
神様には脅されちゃうけど、人間にはマウント取りに行く沙都子ちゃん…
ちなみに、沙都子含め部活メンバーは全員、昔から麻雀ができるのですが、今回のようにイカサマ使って役満を作り、しかもダブロン狙い撃ちというのは中々の芸当です。
旧作皆殺し編では「練習で、ほんの何度かできたことがあるっきりですわ。」と発言していましたが、これだけ腕を上げていることですし、燕返しなんてお手の物なはずです。
こういう部活の場で、敢えて梨花の100年の記憶に合わせる形でわざと失敗する、というのも綿明し編での神経衰弱の件から考えて無いと思います。
成功しても「沙都子、すごいのです~!」と、褒めれば照れる沙都子が見れるし、失敗してもかわいいので梨花的には結果はどうでもいいと、皆殺し編でも語っておられます。
ここで、「祟騙し編 其の壱」と「猫騙し編 其の壱」の長ネギを比べてみましょう。
以前は猫騙し編のネギの状態にも特に疑問を持たなかったのですが、繰り返す者としての沙都子が切っているのならば、祟騙し編の切り方と全く同じになるはずです。
敢えて書き分けている、ということになりますよね。
猫騙し編のネギは一部繋がってしまっているような。
そう考えると、この表情も本当に梨花を心配しているように見えるんですよ…
8.祟明し編の惨劇
とりあえず私としては、沙都子は今回も最後までしっかりとやり切ると思います。完全な改心とかは無く。欲しいのは梨花なので…
騙し編と明し編の描写の違いを今回も考慮してみるのであれば、とにかく鉄平は死ぬだろうというのは変わらないと思いますが、沙都子が既に手にしているH173や銃を使わないというのも考えにくいですよね。
沙都子本人がH173が遅効性っぽいなと思っているのであれば、打つべきは鉄平になります。
けれども、今回ばかりは常に傍にいる存在なので、変な所で発症されては困る。自分が先に死んでしまうリスクが高くなるということですから。
となると、圭一がターゲットと考える方が自然な気がしてきます。
ただし打てそうなのは祭りの晩のみ。うーん、微妙ですね。
大石さんですか?確かに顔を合わせる機会くらいはありそうですが…仮に魅音の時のように飲み物に入れてもOKだったと思っているのであれば、お茶なんかに混ぜてやろうとか考えるのでしょうか。
仮にそうしたとしても、私としてはH173は1回では疑似L5発症しない薬&大石はL5自然発症するような条件を満たさない人物であると考えているため、エウアの干渉無しでは発症しないと思います。
竜騎士07先生が「大石はH173ではございません」という発言も含めて信じてるので、貫いていきたいですね。
先生、文章で嘘をつくのは得意だけど、口頭だと誤魔化しきれないタイプだなと思ってるので←
他に気になるとしたら、ここでしょうか。
沙都子、がっつり血溜まり踏んでいるのに、足跡らしいものってその血溜まりの中には無いんです。
殺人現場に怯えて逃げたすのは明らかに白沙都子側の行動ですが、赤目沙都子側の真実としてはもしかして圭一か鉄平か、どちらか殺してしまったんじゃないかと考えることもできて恐ろしいです…。
綿明し編では魅音を銃で殺害しているため、こういう可能性も捨てきれないですよね。
しかし、圭一は秋ごろに目覚めるシーンがありました。。
いや、、圭一ともあろうお方が、そんな長い期間眠りっぱなしで起きないって、そっちの方がもはや不自然なんですよね。
■「祟騙し編 其の伍」いつも圭一は数日後には起き上がっていたのに秋まで起きないのは不自然
→有り得ない事、非現実であることの示唆。カレンダーは出ていないが紅葉の状態からハロウィンだと思われる。(すべての亡くなった者たちが、この日によみがえると信じられてきた日)
→マンガ版でカレンダーが9月と表示された。ハロウィンだったら面白かったかもと思ったけれど、ただ単に頭の記述通りでしかなかった。
マンガ版と繋げて考えてしまい、一度は放棄したこの「ハロウィン説」が合っていたのだとしたら…つまり圭一は祟騙し編(祟明し編)の最後に”死んでいた”ということになります……あれ?なんかそれっぽくなってしまう…でも他の人は生き返ってないし…うーん、めちゃくちゃだ🙄
おわりに
長文になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございます…!
業卒の物語の中で、今回が間違いなく一番泣いてしまったので、最終回で生きていられるのかわかりません笑
次回も非常に楽しみですが、胃が痛くなってきそうですね😭
祟明し編 其の弐までに、自分の考えてること(考察の前提となっている部分)のまとめみたいなのを作って、ブログトップに置いておくようにしたいと思います。
それではまた…!
『ひぐらし業/卒 考察』びっくり箱から考えるカケラ内の描写の矛盾について
はじめに
いつも閲覧ありがとうございます!
月詠 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
本記事は、「ひぐらしのなく頃に業/卒」が夢落ちであるとか、そういった結末になるという予測で書いているものではありません。
世界の外側がどうなっていようがひぐらしはひぐらしで、”たった一度しかない物語”。
そういう認識です。
うみねこもキコニア(Phase1)も一周しかしていませんので理解が浅いです。
そのため、記事の中で具体的に「キコニアのこのシーンとの繋がりが~」みたいな話はしませんし、できません。。
そして、もちろん私は学者ではないので数式を絡めた難しい話はこの記事には登場しません。
自分なりに本を読んだり調べたりして構築してみたものになりますので、予めご了承ください。
目的
さて。本記事は「量子」とかいうわけのわからないものと、今までの自分の解答を合わせ、ひぐらし業卒の違和感描写について更に考えたものです。
作中で強い印象を残している「びっくり箱」を中心に、話を広げていきます。
「綿明し編 其の参」まで放送された現在ですが、前回の記事でも示した通り、同一カケラ内でストーリーに矛盾が生じています。
これについて、楽曲や他「なく頃に」作品を(ふんわり)巻き込みながら書いていきますので、よろしければ最後までお付き合いくださいませ。
結論
同一カケラ内で2つの真実が同時に存在するように見えるのは、
「観測者」である梨花が、沙都子に生まれたもう一つの人格を認めていない(気づいていない)段階であり、真実が確定されていなかったから。
これは視聴者目線でも言えることで、猫騙し編 其の四の最後のシーンを「視聴」するまでは
沙都子が黒幕である可能性と、そうでない可能性が同時に存在していた。
梨花が沙都子の赤目人格を「観測」するのは同じく「猫騙し編 其の四」の最後。
ちょうどシュレディンガーの猫箱がモデルとなっている「びっくり箱」が開かれた時である。
沙都子視点の物語とされている各明し編内だけでも変わらず矛盾が生じているのは、表舞台で暗躍し続ける赤目沙都子の行き過ぎた行為(魅音殺害等)を、白沙都子が「私じゃない!」と否定し続けているから。
つまり、白沙都子は赤目沙都子の存在や行動を"認めていない"ということ。
(※エヴェレットの多世界解釈に近いです。)
そのために各惨劇の結果の描写は2つに分かれている。
鬼騙し編ではまるで「第三者犯人Xに梨花と沙都子が殺された」ように見せられたが、
実際に起きていたことは「梨花が自殺し、沙都子も自殺した」
綿騙し編では「第三者犯人Xが沙都子と魅音を殺したか、魅音によって沙都子が殺された後に魅音が自殺した」かのような描写だったが、
実際に見せられたのは「沙都子が魅音を殺し、沙都子自身も自殺」
自分の心に住まう鬼を認めて鎮める行為というのは、すなわち
「自分の中のもう一人の自分を認めること」
TIPS鬼狩柳桜やオヤシロさまの昔話とも通じることで、鬼の血と溶け合うことと同義です。
もう一人の自分の罪を認めた上で、どう生きるか。
1.量子とは
さて、ここからは「量子」と「びっくり箱」の繋がりを知っていただく為に、順番に材料を並べていきます。
量子とは、粒子と波の性質をあわせ持った、とても小さな物質やエネルギーの単位のことです。
物質を形作っている原子そのものや、原子を形作っているさらに小さな電子・中性子・陽子といったものが代表選手です。
光を粒子としてみたときの光子やニュートリノやクォーク、ミュオンなどといった素粒子も量子に含まれます。
量子の世界は、原子や分子といったナノサイズ(1メートルの10億分の1)あるいはそれよりも小さな世界です。このような極めて小さな世界では、私たちの身の回りにある物理法則(ニュートン力学や電磁気学)は通用せず、「量子力学」というとても不思議な法則に従っています。
>粒子と波の性質をあわせ持った
これが本記事の核となる部分です。
光も物質もその実体は量子です。
それが何物かはさておき、その最大の特徴は「波と粒子の二重性」、つまり、波であると同時に粒子でもあるという性質です。
松浦壮. 量子とはなんだろう 宇宙を支配する究極のしくみ (ブルーバックス) (Kindle の位置No.748-750). 講談社. Kindle 版.より
2.重ね合わせとは
重ね合わせ(かさねあわせ、英: superposition)は、量子力学の基本的な性質である。
重ね合わせとは、複数の状態を確率的に取り得る状態であるが、実際に状態を「観測」して見ると、量子力学の原理によってある1つの状態に収縮することを表します。
これが次の猫箱の話とも密接に関係しています。
3.猫箱とは
「うみねこのなく頃に」でひたすらに登場してきたイメージがあるこの「猫箱」ですが、作品ファンにとっては周知の事実であるように「シュレーディンガーの猫」が元となっています。
オーストリアの物理学者、E=シュレーディンガーが考案した量子力学に関する思考実験。
ラジウムがα粒子を放出すると毒ガスが発生する装置を猫とともに箱に収め、α崩壊の半減期を経過した後に猫の生死を問うもの。
半減期を迎えた時点でラジウム原子核が崩壊してα粒子を放出する確率は50パーセントであり、量子力学的には崩壊していない状態と崩壊している状態は1対1の重ね合わせの状態にある。
一方、これを猫の生死と結びつけると、生きている状態と死んでいる状態を1対1の比率で重ね合わせた状態にあると解釈される。
量子力学的な効果を巨視的な現象に結びつける際に生じる奇妙さを指摘したものとして知られる。
ここまでで「量子・シュレーディンガーの猫箱・びっくり箱」この3つの繋がりというのを、なんとなく感じていただけるかなと思います。
4.重ね合わせの猫箱
うみねこ咲の「重ね合わせの猫箱」と、ひぐらし業の「不規則性エントロピー」のメロディーが似てるという話は当初からあったと思います。
「不規則性エントロピー」を聴いた一部のファンが、「重ね合わせの猫箱」を連想させるようにわざと曲調を寄せたのだと思います。
曲を作っていたら、たまたま他の「なく頃に」作品に提供した曲と似てしまったんだ!
と解釈するのはさすがに苦しいかなと思っていたので…
両曲の関連性について、一見曲調だけのように思えますが、実は曲名もしっかり繋がりがある"らしい"です。
私には下記の内容がさっぱり分かりませんが!
ところで、「エントロピー」ってあまり聞き慣れない言葉ですよね。
私もひぐらし業でこの曲に触れるまで知りませんでした。
意味を調べてみると…
エントロピーとは、不可逆性や不規則性を含む、特殊な状態を表すときに用いられる概念である。簡単にいうと、「混沌」を意味する。
もともとは熱力学において、エントロピーという言葉は使われ始めた。すべての熱をともなう物体は、「高い方から低い方へと流れる」という方向性を持っている。しかし、逆に、低い方から高い方には流れない。逆の現象は起こらないので、「エントロピーが発生している」と表現することとなる。
(中略)
エントロピー増大の法則
熱力学で頻繁に用いられる理論が、「エントロピー増大の法則」である。
エントロピーは、物質が存在し続ける限り増大し続ける。外部から何らかの働きかけをしてやらない限り、エントロピーが減少することはない。
言い換えれば、物事は秩序から始まり、自然に無秩序へと向かう可能性はあっても、さらなる秩序を目指しはしない。
前述の、鉄と氷の関係でいえば、熱い鉄はずっと氷を溶かし続ける。
仮に、氷が溶けなくなったとすれば、誰かが意図的に鉄を冷やした場合だけである。現象を放置している限り、鉄と氷の間にあるエントロピーは増大する。
ということは、一先ず「不規則性」と「エントロピー」は大体同じ意味だろうと捉えて良さそうです。
では、「不可逆性」。これについて考えると、すぐに思い浮かぶのが「記憶の累積は不可逆的だ。」というエウアの言葉です。
元々、「ひぐらしのなく頃に」という作品は、古手梨花が体験した「最初の世界」で、鷹野に腹を裂かれて殺されたのがきっかけとなり、彼女の100年の旅が始まったという物語です。
ある意味その最初の世界というのは、誰の手も加えられていない「秩序の保たれた世界」ですよね。
そこから「不可逆的」な記憶の蓄積によって、これまたある意味「無秩序」な方向へ進み続けるのが今までの物語で示されています。
無秩序から秩序のある状態には絶対に戻らない。
梨花が鷹野に殺される世界は、もう二度と訪れることはないということですね。
5.「猫騙し編 其の四」の視差表現
放送当時にTwitterか何かで、どなたかが「沙都子が反復横跳びをしている。」
みたいな発見をされていたかと思います。
はっきりとした出所を覚えていなくて申し訳ないのですが、これも量子云々と結び付けられます。
過去の記事では、大石の「フレデリカァ!(?)」発言も拾って意味づけしてきたのもありますし、この描写も意図的なものとして捉えます。
効き目の調べ方はご存じですか?
もしやったことがなければ、ぜひやってみてください!
①まず腕を前に伸ばし、両手を45度の角度で合わせて親指と人差し指の間に三角形の開口部を作ります。
②両目を開けた状態で、この三角形の開口部を中心に、壁掛け時計やドアノブなど、遠くにある対象物と重ね合わせます。
③左目を閉じます。
④対象物が中央に見える場合は、右目(開いている方の目)が利き目です。対象物が指で作られた開口部の中にない場合は、左目が利き目です。
ちなみに私は「右目」が効き目でした。
ここで改めて先ほどの沙都子のカットを見てみると…。
ここから導き出される答えは2つあります。
まず一つは古手梨花の効き目は右目だったこと。
そしてもう一つは、梨花はこの瞬間、確かに「両目」で沙都子の赤目人格の存在を「観測」し、認めたということ。
「左目」だけで見た瞬間に、沙都子の赤目が梨花の前で初めて表現されていたのも私としてはかなり嬉しいです。
赤目沙都子側の真実を「左目」だけで見ている状態と例えていたので。
片目で見ると…例えば左目だけでワンシーンを見てしまうと、赤い線で描かれたものは全て見えなくなってしまうが、青い線で描かれたものは黒い線として認識することが可能である。
と、このように考えてみると、例えば「猫騙し編 其の参」“綿流し“のシーンは「観測者」が左目だけで見ている状態であると仮定することができます。
まとめ
今まで、業/卒のカケラの違和感描写については
①フレデリカ人格が祭囃し編のカケラを”壊して”世界を作り替えたからその余波的な物
②フレデリカと古手梨花の物語が並行して進んでいる
などと考えてきました。
それらに「びっくり箱」要素を加えることで、今回のような結論に辿り着けました。
ということで私の中では…
■アニメ版 業/卒
世界α「赤目梨花(フレデリカ)と赤目沙都子」
世界β「白梨花(黒でもあるけど!)と白沙都子」
■マンガ版
業「白梨花と白沙都子」
卒「赤目梨花(フレデリカ)と赤目沙都子」
という描き分けがされている認識になるかなと思います。
卒マンガ版はあくまで予想ですが、表現方法の違いを考慮し、かつアニメのように業の中で話の矛盾や描写の異変を感じなかったので、こういう分け方するんじゃないかなぁと思いました。
H173が無くとも同じ人物が発症するために、白い2人の物語であっても惨劇は起きてしまう。
…ほんっとにマンガ版の沙都子めちゃくちゃ白く見えるので!!
一旦まっさらな気持ちで読み直してみてほしいです!!!
私は信じる!!!!
それでは、閲覧ありがとうございました!!
引き続き毎話投稿していきます🤗
書ききれなかったメモ書き達
・騙しと明しが別のカケラだと言うのであれば、旧作の出題編↔️解答編のように描けばいいですし、同一カケラ内で描写の矛盾が起きてはいけない
・沙都子もある意味箱の中に閉じ込められた"猫"ということに。
・「Eyeがなければ見えない。」ってことですね。。検索したらそこそこの人が同じギャグを思いついててジワりました。
・対話というのは基本的に、目を開いていなければ成立しない。
・私たちが距離を測ることができるのは、両目で見ているから。
相手との心の距離も、両目を見開かなければ測れない。
・H173の入ったケースの反転は、鏡写しのもう1人の自分は使っていないという暗喩とも取れるか。
・世界の見え方は、あなたの捉え方次第で何色にも変えられる。
参考文献
図解でわかる 14歳から知る人類の脳科学、その現在と未来
量子とはなんだろう 宇宙を支配する究極のしくみ (ブルーバックス)
この本の著者の方の記事もあります。
『綿明し編 其の参 考察』無料で遊べる!間違い探しゲーム
閲覧ありがとうございます!
月詠 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
綿明し編の最終話にあたる「其の参」が放送されましたので、流れに沿って書いていきます〜〜
書きたいことはまた出てきたのですが、綿明し編限定の話ではないので別記事にします。
なので今回は間違い探し中心になっちゃうかも?
1.間違い探しゲーム
■お手洗いの南京錠の有無と色
綿騙し編・綿明し編を観るとまず2パターンあります。
ドアの構造から考えても鍵があるのなら取っ手のすぐ左側についており、回想シーンで魅音が梨花をボッシュート(もしかして:死語)した後しっかり鍵をかけているので、圭一がこれに気づかないというのはかなり無理があると思います。
2つの世界を比較したときに、鍵のある世界とない世界が存在していると考えた方が自然です。
つまり、私たちは鍵がない世界の扉に触れている圭一しか見せられていない。ということになります。
この取っ手を引く手元のアップも、魅音が開けている時だけ左側を暗くして見えないようにしてるんですよね…これは意図的としか思えません。
そして、鍵の種類にも2種類あります。
綿騙し編・綿明し編に一度も登場しなかったこの金色の錠前。使用禁止の看板も結局綿の世界では一度も登場しませんでしたよね。
なので、猫騙し編はまた違った種類の世界であるということの暗示と取れます。(自分の説が守られた…!)
■作業員に偽装した警察官の色
■魅音の衣装
園崎家に圭一と共に入るシーン。魅音の服に違いがありました。
綿騙し編では制服のまま入って行ったのに、綿明し編では圭一と入る時にはすでに白装束。
ちなみに、園崎本家の敷地内はこうなってます。
■沙都子VS魅音
いやぁ、、、ちょっと沙都子の立ち回りが美しすぎて感動してしまいました。
魅音大好きな方にとっては非常に辛いシーンなのは理解しているのですが…
さて、やっぱりこういう違い出してくるんですねと思いましたが、それにしてもなかなかの過剰演出ですよね。
2人が廊下を歩くシーンなんて、何かの演目を見せられているようです。
真っ赤な演出については、昨日にあげた記事であれこれ考えてあります。
綿騙し編の絵と綿明し編の違いを箇条書きにしてみると…
(※前者が綿騙し編、後者が綿明し編)
・血の飛び散り方
・魅音がお腹を撃たれていないor撃たれている
・魅音の首の引っ掻き傷が確認できるorできない
・落ちている拳銃がシルバーorブラック
・襖が開いているor閉まっている
これくらいでしょうか…?
ちなみに綿騙し編の方はBDで修正が入っていたのですが、場面の明るさを上げたのと、2人の軽微な位置調整だけだったと思います。
多分後でカットを差し替えます。
2.梯子ガタガタとその前後
上にも少し書いたのですが、 圭一を呼び止めた直後のシーンについて整理しておきます。
この辺、どうしても納得いかない部分がありまして…。
どうせ、惨劇の真実なんて騙し編とは異なるものを見せられると思っていたので大きな衝撃というのはないのですが…
やっぱり、梨花ちゃま自殺と他殺、両方の真実が混在していませんか…?
これが私の読解力の無さから来る勘違いなのか、そう思ってしまっていいのか…
今までの明し編のあれこれを加味して考えれば、多分こう考えてしまっていいんだと思います。…いいよね?だめ?🤧
おわりに
今回は以上です!
次回はいよいよ祟明し編。私が今まで考えてきたあれこれは、この編の後半から一気にこの作品とぶつかり合う事になるでしょう。
自分がひぐらしの世界についてどれだけ正しく認識できていたかの答え合わせ、非常に楽しみです!!(こういう楽しみ方もあるんですよ!)
卒業証書よこせ〜〜〜〜ッ👊😠
また今週中に新しく一本書くと思います!
閲覧ありがとうございました🌸
— 月詠🌸 (@higurashi_moon) July 28, 2021
『ひぐらし業/卒 考察』LOOPERSから考えるドップラー効果と赤い世界
閲覧ありがとうございます!
月詠🌸 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
「LOOPERS」が「ひぐらし業/卒」のヒントになっていそうだったので、今回はそちらを考えていきます。
⚠️注意⚠️
本記事は、竜騎士07先生シナリオの最新作「LOOPERS」のネタバレを含みます。
未プレイの方はご注意ください。
短い時間で完走できて、今ならスマホでも読めます!
ぜひぜひ😉
ドップラー効果と青い世界
ドップラー効果 https://t.co/5mmXUqv7Dy
— 月詠🌸 (@higurashi_moon) July 27, 2021
いよいよ無視できない感じがしてきた。 pic.twitter.com/cO6JSl4BtO
せっかくApple Storeに出てきてくれたので遊んでみたら終盤にこんなシーンが…
青い世界?これは一体何なのでしょうか。
直後、サイモンがこのように語っていきます。
青方偏移と来ましたか!なるほど〜と思い、調べたらまず出てくるのがこちら。
ドップラー効果です。
波の発生源と観測者の相対的な速度によって波の周波数が(従って波長も)変化して観測される現象。
音波などの媒質を伝わる波と(特殊相対性理論に基づく)電磁波では周波数変化を計算する式がわずかに異なる。
互いに近づく場合には周波数が高く、遠ざかる場合には周波数が低く観測される。
光の場合には前者を青方偏移、後者を赤方偏移(運動学的赤方偏移)と呼ぶ。遠方の銀河からの光は赤方偏移しているが、これは宇宙膨張に起因する宇宙論的赤方偏移で、ドップラー効果による運動学的赤方偏移とは異なる(ハッブル-ルメートルの法則も参照)。
1842年にオーストリアの物理学者・天文学者であるクリスチャン・ドップラー(Christian Doppler;フルート奏者・作曲家として有名なドップラー兄弟とは別人)が公表した論文で、星(連星や超新星を含む)の色の観測から推測して光と音波の場合に定式化した。
音波に関するドップラーの式は、1845年にオランダ人のバロット(Christophorus Buys Ballot)がユトレヒトで、屋根のない列車に乗った楽団のトランペット奏者が吹く音を絶対音感を持った音楽家が聞いて音程が変化する実験を行って証明した(星の色に関するドップラーの考察や計算は一部間違っていた)。
星のスペクトルに見られるフラウンホーファー線の波長のずれから相対速度を求められることはフランス人のフィゾー(Hippolyte Fizeau)が示した(1848-1870年)。
天体のスペクトル中の吸収線や輝線の波長のずれから天体と観測者の視線方向の相対速度を知ることができるドップラー効果は、天文学の基本的な研究手段である。ドップラー効果は天文学の発展に大きな役割を果たしていることに加え、現代社会のさまざまな分野で応用されている(例:野球で投球スピードを測るスピードガン、ドップラーレーダーなど)。
宇宙要素きたーーーーーー!!!
これは新しい道が開けそう!
以前定義したことも活かせそうで嬉しいですよこれは!🥺
>カケラ世界は宇宙モチーフ
順番に引き出して整理していきます。
ちなみに私は宇宙大好きですけれど、泣きながら勉強しても数学赤点連発してたくらいには計算が苦手なので、この記事にそういった小難しい要素は出てきません…
必要そうなら…がんばります笑
ひぐらし業/卒との関連性の提示
「LOOPERS」では、青方偏移に似たようなものという説明で画面全体が青く染まっている描写になっていました。
ちなみにこれは、物語のキャラクター達にも観測できており、
「目が青っぽい感じ。」
「青い眼鏡をかけているみたいだ。」
などと述べています。
我々にわかりやすい形で例えるのなら、3D眼鏡の青い部分だけを目に当てて世界を見ている状態です。
しかしながら、ひぐらし業卒の世界では、実際に登場している人々はこの赤い空間を認識していないようです。
突然世界が真っ赤に染まったら、誰だってまずそっちに意識がいきますよね。
ということは、「観測者」というのはカケラの中の世界には存在しないということになります。
観測者については後ほど考えていきます。
さて、「ひぐらし業」でも「ひぐらし卒」でも、このドップラー効果と繋げられそうなシーンがいくつも存在します。
まずはそれらをとにかく並べてみます。ひぐらし業のOPから順にいきましょう!
①ひぐらし業 OP
②綿明し編
何と、鬼騙し編(鬼明し編)にはありませんでした!これはこれで重要な情報かも?
③祟騙し編
祟明し編(仮)は未放送のため現状は不明。
④猫騙し編
こちらも解答編未放送なので、現状は騙し編だけ。
茜さんのところなんですが、赤みが弱すぎて微妙だったので外しました。
月は真っ赤でしたが。
⑤ひぐらし卒 ED
このように並べてみると、意外と数が多いことがわかります。
また、あくまでイメージ映像なOPEDを除けば全て惨劇シーンですね。
他にも共通項があります。
どの赤い世界にも必ず沙都子が存在しています。
こちらの方がより重要な意味を持っていそうです。
鬼騙し編(鬼明し編)では、レナと圭一による“壊し合い”の場面は別のエフェクトで表現されていましたし、沙都子が梨花の自殺を確認して、自らも命を絶つするシーンも通常の演出でした。
沙都子が惨劇に関係しているか否か。というのも重要そうですね。
ちなみに、LOOPERSにも赤くなるシーンがあります。
これはヒルダが時の渦に巻き込まれる前の描写で、直後の様子からもこのおかしなレオナは幻覚だったと考えられます。
ストーリーを読んだ後だとわかるのですが、これらのレオナの叫びというのは結局、彼女の精神が限界を迎えているが故の、ヒルダに対する悲痛な叫びでした。
レオナは巻き戻るたびに必ずヒルダの頭突きを喰らうのが決まっている出来事なのですが、繰り返される8月1日に精神を崩壊させていき、普段はじゃれあい程度のそのやり取りでさえも苦痛なものに。
レオナはヒルダ無しでは生きられないってことです。
あれ?どっかの2人が思い浮かびますねぇ〜〜りかさと〜〜?
しかし、このレオナがヒルダの見た幻覚だとしても、喋っている内容としてはおよそ正しいんです。
・お前がいないから退屈で死にそう。ていうか死ぬ!
→実際に精神が死んだ。
作中で何度も登場する探し女さんのセリフ
これらが最後のミアのセリフとほぼ同じであったことからも、レオナも繰り返す中で同じような言動をとっていたのではないかと思います。
なので、「観測者」にとっては幻も同然であり、受け入れ難いものだが、赤い世界に登場する人物にとってはその言動がおよそ真実である。
ということではないかと思います。
青は引き寄せる。赤は突き放す。
ドップラー効果のイラストからのイメージです。
さて、 一旦の仮説としてこれを置き、ドップラー効果についてしっかり考えていきます。
青方偏移と赤方偏移
■青方偏移
まずはこちらから。青方偏移とは何?というのを拾って貼り付けてみます。
青方偏移(せいほうへんい、英: blue shift[1][2])とは、光のドップラー効果の一つ。赤方偏移と同様の原理で、近づく音源からの音が高くなるように、近づく光源からの光が短波長側へずれることをいう。
赤方偏移が、ビッグバン後の膨張宇宙の証明であることの反対解釈として、青方偏移は、「宇宙の縮小」=「世界の終焉」を象徴するSFのテーマに用いられることがある。
>青方偏移は、「宇宙の縮小」=「世界の終焉」を象徴するSFのテーマに用いられることがある。
LOOPERSにおいては、青い世界は完全にこれですよね。
■赤方偏移
お次はこちら。
青方偏移とはおよそ逆の意味を持ちます。
赤方偏移(せきほうへんい、英: redshift)とは、主に天文学において、遠方の天体から到来する電磁波の波長が、ドップラー効果によって長くなる(可視光で言うと赤くなる)現象をいう。
太陽光のスペクトル(左)と比べ、遠方の銀河の光のスペクトル(右)は、フラウンホーファー線がより長波長側(赤い方)にずれている。
赤方偏移による波長のずれは、天体の光を分光し、フラウンホーファー線を観察することによって調べることができる。波長λのスペクトルがΔλだけずれている場合、赤方偏移の量 z を
z=Δλ / λ
と定義する。
観測可能なほぼ全ての銀河の光に赤方偏移が見られることから、宇宙が膨張していることを示す証拠であると考えられている。
こちらも。
>観測可能なほぼ全ての銀河の光に赤方偏移が見られることから、宇宙が膨張していることを示す証拠であると考えられている。
カケラ世界の膨張…?うーん、そもそも人の心の宇宙というのは無限大の可能性があって際限なく広がり続けるものだと思うので、膨張も何もわざわざ赤い世界で示さなくても…?
…あんまりしっくりこないですね。
アナグリフ(3Dメガネ)
青方偏移と赤方偏移では、ひぐらし業卒との明確な関連性を見つけられなかったので、少し視点を変えてみます。
とりあえず「赤」と「青」という色に注目してみることにしましょう。
赤と青、そして映像といえば3Dメガネですよね。
角度が違う2枚の画像を、左目と右目のそれぞれで見るために、赤色と青色のフィルムがついたメガネを使います。このメガネを 「アナグリフメガネ」と言います。
赤色セロファンを通して、白地に「赤」で書かれた線を見ると、白い部分と区別できなくなり見えなくなります。白地に「青」で書かれた線を見ると、光がさえぎられ、黒く見えます。
青色セロファンを通して「青」の線と「赤」の線を見ると、赤色セロファンの時と同様に、「青」の線は白地と区別できなくなり、見えなくなります。そして赤色の線だけが黒く見えます。
片目で見ると…例えば左目だけでワンシーンを見てしまうと、赤い線で描かれたものは全て見えなくなってしまうが、青い線で描かれたものは黒い線として認識することが可能である。
と、このように考えてみると、例えば「猫騙し編 其の参」“綿流し“のシーンは「観測者」が左目だけで見ている状態であると仮定することができます。
それと同時に、右目だけで見た場合には、全く別の真実の映像が存在し得るということでもあります。
今のところ、ひぐらし業卒ではこの赤い世界は登場していますが、青い世界は登場していません。今後描かれるのかと言ったら微妙なところですが、それを匂わすような言動が無いかどうかは注目するべきかなと思いました。
LOOPERSとひぐらし業卒、似たような設定を使っているようですが、もちろんそれぞれが全く異なる作品のため、設定の細部まで同一でなくてはならないということは無いはずです。そこは柔軟に考えていきたいですね。
ちなみにこのアナグリフですが、必ず左目が赤、右目が青ではないといけないようです。
アナグリフは、左目に赤、右目に青のフィルムを貼ったメガネを通して見ると立体的に見える画像です。
後は…小ネタ程度だと思いますが、赤と青以外でも光の三原色の内いずれかを遮断すれば良いらしいですね。
知らなかったです😇
アナグリフでは、赤と青のフィルターでそれぞれの色の光を遮断することで、左右の目に異なる映像を見せています。 テレビの色彩はいわゆる光の3原色(赤・青・緑)で作られているので、アナグラフを用いて3D映像を見る場合、これらの色の光のうちのいずれかを遮断するメガネを作る必要があります。
「観測者」は誰か
現在公開されている「綿明し編 其の弍」までで、左目だけで見ていたかもしれない人がまず1人…
しかし、これだけだと鬼明し編で全く赤い世界が映らなかったことと大きく矛盾します。
なので、エウアはこのドップラー効果における「観測者」ではない。と考えます。
じゃあ一体誰?という話になりますが、業卒に既に登場していて且つ、その存在を示唆されている人物が後1人だけいます。
それが通称、白沙都子です。
以前にもカケラ世界でエウアさんと会話している際でさえ、カケラの中の世界で沙都子が動いていることを示しましたが、綿明し編 其の壱でも似たような場面がありました。
ここで再度確認します。
ぱっと見でも、じっくり見ても、沙都子は座っていたorしゃがんでいた状態から立ち上がっています。
「さよなら、にーにー。」の場面で沙都子の赤目が初登場するまでは人格の分裂が起こっていないと考えられます。
その段階においては、沙都子の精神がカケラの中に行っている時、以下のように必ずカケラ世界にある身体は眠っていました。
ということは、赤目の沙都子がカケラの中の世界に降り立っている時、カケラ世界には常に白沙都子が存在しており意識を持っているのではないかと考えられます。
逆に、赤目の沙都子がカケラ世界にいる間は、進行中のカケラの中の世界では白沙都子が意思を持って動いているのではないかとも…。
そして彼女こそが、赤い世界での惨劇を強く否定する「観測者」の1人ではないかと考えます。
言葉遊びでもある?
今までの考えを取り込みつつも、とってもシンプルに捉えることができます。
それが…
真っ赤な嘘という言葉です。
「赤(あか)」の語源は「明らかな」という形容詞で、「明らかな他人」「明らかな嘘」から「赤の他人」「真っ赤な嘘」になったという説が有力です。
「赤」は「明らかな」以外にも「間違いなく」「完全に」「全くの」という意味で、「他人」「嘘」を強調するために用いられています。
その他、「赤」を用いる慣用句には「赤っ恥」や「赤裸々」などがありますが、これらの「赤」も同じ意味で用いられています。
赤い世界はとにかく「嘘だッ!」ってことです。
由来も見てみると、結構繋がりが見えます。
あまりにも本来の自分とかけ離れている自身の別人格なんて、他人も同然です。
梨花が100年のループの末に生み出してしまったフレデリカ人格と、本来の古手梨花とで分かれているように、沙都子も人格が分かれてしまっていてもなんら違和感はないのです。
おわりに
「LOOPERS」から話を膨らませてみたらこうなった!という記事でした。
私が今のところ広げられるのはここまでなので、後は煮るなり焼くなり考えてみていただけたら幸いです。
私も私なりに、ここから進められそうなら追記してみる予定です。
さて、本日は鬼明し編振り返りの生放送と、綿明し編 其の参ですね…!
惨劇の真実は、鬼明し編の時のように騙し編とは異なる真実が見せられたりするのだろうと思ってますので、緩く構えておきたいと思います。
それにしても、リークはもう勘弁してほしいですね。。
この段階なのでまだ良いんですが、祟明し編(仮)以降はしっかり遮断していきたいです。
ライブ感って大事です…😦
それではまた…!
閲覧有難うございました!!
『綿明し編 其の弍 考察』やっぱり魅音は強かった! 他
閲覧ありがとうございます!
月詠 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
綿明し編 其の弍が放送されましたので、今週も書いていきます〜〜!
詩音は魅音をからかうつもりであれこれ行動を起こしていただけなのに、結果的にそれが悪い方向へと噛み合っていきましたね…悲しい。
ではでは、綿流し編・目明し編と宵越し編も絡めながら整理していきます!
1.園崎姉妹のあれこれ
一応再確認の意味も込めて、箇条書きですが…
■生まれた時の姉妹の入れ替わりは…
→起きている。
■園崎ブラフの存在は…
→あった。昭和58年以前より続く園崎家の抱える問題で、魅音の発言からも旧作の以下のようなやり取りは発生しているでしょう。
以前から昭和58年より前の出来事に変化はないと信じてきましたが、綿明し編のおかげで安心できました。
■詩音と悟史の件は…
→悟史の存在も、昭和57年以前の出来事にも変化は無いでしょう。詩音には記憶の蓄積の影響が表れていると思われます。
記憶がより強固になる。というのはつまり、私たちにわかる形で表現されないということだと思っています。小説みたいな地の文が無い、アニメならではの表現方法です。
その人にとってその記憶が当たり前になり、フラッシュバックが起こる段階を既に通り越している状態。
行き過ぎると、「
思い込みは時に悲劇を生み出してしまいます。問題に向き合う機会を、気づかないうちに自分で捨ててしまう。
繰り返す者ではない魅音が意思を最後まで貫き通すその姿と、すぐに逃げ出す今の梨花ちゃま。
他の単一世界に生きるみんなもそうですが、観れば観るほど両者は真逆の生き方をしているなぁと…😢
後は、一部の方が仰っているように、視聴者側のキャラに対する固定観念を物語側から否定しにきているというか。(作者がキャラ崩壊させてるとかそういう意味じゃ無いですよ!)
例えば「園崎詩音はとにかくヤバい女」みたいなイメージって少なからず付いてしまっているところに、こういう一面も持っているんだよというのを教えられている感じ。そんな考察を見たりして、すごく納得しましたね。
■魅音…?
殺そうと思ってなかったはずなのに、殺してしまった。ということですよね。
でもこれ、冷静に考えてみれば鬼隠し編の圭一がレナと魅音を殺してしまった時、実際に殴っていた時間の記憶を忘れていることと同じだなあと思ったり。
2年目の祟りである、沙都子が両親を突き落としたのではないかというあの事件も、沙都子はその瞬間の記憶を失っていたりと、実際にそういうことが起きているので深く考え過ぎなのかなとは思うのですが……
これを観た時に頭をよぎったのが、宵越し編(竜騎士先生原作・原案)の以下の描写なんです。
これを見ると、ナチュラルに人格交代する可能性が!?とか考えてしまったのですが、そもそも宵越し編って梨花ちゃまの幻が現れたり、血を吐くくらいに怪我をしたはずがピンピンしていたりとファンタジー色強めで判断がつかないんですよね💧
一応、罪滅ぼし編のBADEND(校舎爆発)から繋がっているようですが、BADENDってCS版からの新しいルート分岐のはずなので、本編と絡めようとするのは厳しいのかなと思いました。
というわけで、置くだけ置いておきます。笑
それはさておき!
重要なのはそっちではなく、魅音ってやぱり強いんだ!ということです。
圭一は、罪滅し編でようやく鬼隠し編の記憶を思い出し、後悔するのですが、魅音はこんなにも早い段階で自分の過ちに気づき、後悔している。
詩音は全てを終わらせた後、最後の最後に後悔しているのですが、それでも同一のカケラの中で気付けているんですよね。園崎姉妹、やっぱり凄い。
強い後悔の念が記憶の蓄積をより強く促すのであれば、魅音はきっと、二度と同じ過ちを繰り返さないでしょう。
2.カレーで勝負
6月14日(火)
綿流し編では、沙都子が魅音にもレナと同じく塩を、しかもご飯の方に入れていたんですよね。
しかし、今回は砂糖で、カレー鍋の方に入れていました。
甘い恋が、いつしか惨劇に繋がるトラップであるという皮肉を込めたんでしょうか…?
ただ、沙都子自身はH173の効果で魅音が発症するものだと考えて行動しているので、恋愛事情は関係ないと思っていそう。
魅音は今までのカケラでは一度も発症したことがないと知っているのなら、これくらいでは発症しないという認識な気がしますし…
投与したはずなのに発症の兆候を見せない上機嫌な魅音に対して、苛立ちを感じているようでした。
そうなると、奉納演舞が始まるタイミングでの魅音への発言も、事が思い通りに進まないからちょっと意地悪言ってみた…とかそういう心理なんですかね…?
「ただの愚痴でございますのよ?」
結局、この時点までで沙都子は一度も魅音が発症したのを目視していないことに。
(横目で見てたかもしれませんが笑)
3.梨花の死亡原因と魅音の発言
先行カットを見て勘違いしていたため、其の弍の段階で梨花ちゃまが八つ当たりするのだと思ってました😇
私の予想は変わらず自殺です。
この世界をさっさと捨てようという動機があるからです。圭一への八つ当たり時の発言内容からも読み取れます。
他にも理由とか色々。
①屋外のお手洗い()で自殺するという常識的には考えられない場所を選んだのは、鬼明し編での包丁での過剰な刺突行為も併せて、小学生に巻き戻されてしまった自分の身体が憎たらしいからだと思います。要するに自傷行為です。
愚痴を言う相手がいないんですよね、羽入がカケラの中の世界に降りて来られないので、自分に当たることでしか発散できないんです。
鬼明し編では、瞬時に死ねるはずなのに何度も刺し続ける。綿明し編ではすぐに死ねない方法を選ぶ。
もちろんその世界に生きている梨花は苦しみながら死ぬわけですが、どうせその苦しみでさえも忘れてしまうんですよね。
忘れてしまうのだから“自分”には関係ない。
そう思っているのだと思います。
②梨花が鬼明し編の惨劇を認識していないこと、死体の発見場所が園崎家の古井戸ではないこと、死亡時から遡って数時間の記憶を失うため、八つ当たりしたことも覚えていませんし、猫騙し編を観ると「殺されてしまった。」と本人は考えていますので、自殺しようと考えたことさえも記憶から削除されているということになります。
これらのことから、圭一への八つ当たり直後にすぐ身を投げたのだと思われます。
また、魅音の発言も重要です。
梯子ガタガタ時の発言内容からして、この時に初めて古手梨花が元凶なんだと気づいたと読み取れます。
園崎本家での以下の発言も、目明し編でのやり取りから考えて
生贄=行方不明者=死体が発見されていない
ということを表していると考えられます。
…と思ったらこれ、マンガ版の魅音の発言でした。。。笑 アニメでも喋ってたと思ってた;;w
カケラの記憶がごちゃ混ぜに…!うわああぁああぁぁぁあ
重要なこと忘れてました!即日追記します。
外のお手洗いの鍵と扉についてです。
だいぶ前の記事でも一部書いたような気がしますが、当時より物語への解像度が高くなっているので、改めて整理しておきたいと思います。
綿騙し編では、この扉は圭一が開けようとしましたが、どうやら建て付けが悪く開きませんでした。
圭一が扉を手前に引こうとしていることから、まずこの扉は引き戸であると推測できます。
そのため、内側に人がいて扉に寄りかかっていたとしても、そのせいで扉が開かないということはありません。
では、猫騙し編 其の壱のこちらも見てみましょう。
使用禁止の看板と共に、鍵がついています。
圭一が綿騙し編で特に疑問も無く扉を引こうとしていたことから、少なくとも綿騙し編では鍵がついていない扉であると考えられます。
鍵がついているなら普通気がつきます。
ちなみに、引き戸であることは2編の間で共通事項らしいです。
また、捻らず考えるのであれば、扉を前にした2人の背景からして同じお手洗いであると考えて良いでしょう。
というわけで、綿騙し編のこの扉は何か他の原因で開かないということになます。
ではその原因は何かというと…
これで行こうと思います。笑
4.騙し編と明し編の描写の違い
話数が進むごとにその違和感が強まるように描かれているみたいですね。
まさに、視聴者側の記憶の蓄積ですよね…私たちもある意味繰り返す者ですし。。
追体験できてるみたいで面白い!
さて、綿騙し編の方も一応見直してはいますが、私のおっそい検証より遥かに早く気付いてる方たくさんいらっしゃるので、その中で一番わかりやすかったものを選びました。
圭一が魅音にお弁当を返して、事情を説明するところまでは同じなのに、その後の梨花と沙都子の言動が異なっている。という一連のシーンです。
「あらあら魅音さん。上機嫌ですわねぇ?」
このセリフの時、綿騙し編では立ち上がって魅音の元に行っていたのに、綿明し編では座ったまま。
旧作綿流し編では、そもそも圭一は魅音にお弁当箱を返さず詩音に返していますので、これらはどちらも沙都子が繰り返す者となってからの出来事で間違い無いです。
しかも、このわかりやすさに対してわざとそうしたのかわかりませんが、綿騙し編においてはちょうどこのくだりの後に、レナが「見かけとは逆が真実かもしれないよ?」の話をしているんですよね。
真実が2つ存在していることの示唆でもあると思います。
これで、猫騙し編 其の参で見せられたモノクロのカットシーンとも再び繋がりを見せ始めました。
あのシーンは、古手梨花側の記憶と統合された所と考えているため、モノクロのシーンは全て彼女のもの。
カレーのシーンはそれとして、圭一にエンジェルモートの制服を着させようとしているのは旧作祭囃し編以降の出来事、そしてルチーア学園の夢を語るシーンは本来の彼女ならこうなるよという…。
展開予想に含めると、未だカラーで描写されていない後ろ2つの映像は、ひぐらし卒の最終編4話の中で使われるのではないかと思います。
過去のことでありながらも、同時に未来のことでもありますので。
メタですが、メディアミックス展開をしているとはいえ、業卒もアニメしか見てない方はたくさんいらっしゃるはずなので、物語の仕組みの部分はアニメ版の中で完結していなけばなりません。
アニメ版とマンガ版の差異として2つの人格の存在を示したりもしましたが、アニメの中だけでもそれは提示されてきていることなので、これ以上深く考えなくて良さそうです。素直にいきます…後は明かされるのを待つだけ。
できることなら、2つの真実を惨劇含め完全に二分割して再構築とかやってみたいのですが、なんせ現状では振り分けの段階で間違えること待ったなしなので、流石にやめておこうと思います…。 気合と時間と自信のある方はぜひ…笑 犯人Xを認めるか、沙都子の犯行だと認めるかの二択で苦しむことになると思いますが😇多分。
5.またまたひぐらし命が…
【ガチャ名称変更のお知らせ】
— ひぐらしのなく頃に 命【公式】 (@higurashi_mei) July 25, 2021
2021年3月より毎月下旬頃に展開させていただいている【感染発症ガチャ】につきまして、今後【オヤシロ感染ガチャ】へと名称を変更いたします。
詳細はゲーム内お知らせをご確認ください。#ひぐらし命
雛見沢症候群とは、アレルギー反応をその発症過程のモデルとし、
文化依存症候群を主とした、解釈妄想病、統合失調症、その他精神疾患が複合したものであり
本作においてその病原体となる寄生虫は、本来の意味である実在する生物ではなく「オヤシロさま信仰」のことである。
???なんか突然肯定された…?
こんな遅めのタイミング、コロナ配慮なのかよくわかりませんが公式のこの変更、個人的には凄くしっくり来るものなので驚きました。
え?首が痒くないかって…??
まさかぁ…
6.私はこの謎を解けるのでしょうか…
綿明し編 其の壱、なんで突然階段側が梨花のお布団なの???カプの左右の概念なの???(?)
— 月詠🌸 (@higurashi_moon) July 22, 2021
今日はこっち側で寝たいとかあるの?まさかそんな実は沙都子の布団で一緒に寝てたとかそういう訳じゃないでしょ・・・?
そういえば、梨花ちゃまの枕は赤で、沙都子は青なんだね。 pic.twitter.com/4eA1pNFh86
明日は信用ならない先行カットの日!
綿明し編も、もうクライマックスですね。早く木曜日になってほしいです🌟
今週も頑張りましょう〜〜〜
では!
『ひぐらし卒 考察』エウアの右目と猫騙し編の再整理 他
- 1.鬼明し編 ゾンビ鬼の結果
- 2.綿明し編 沙都子と鉄平の関係
- 3.猫騙し編 発症者の順番
- 4.マンガ版猫騙し編 記憶継承
- 5.猫騙し編 裏側予想の再整理
- 6.エウアの右目と羽入の残り香
- 7.ひぐらし命 高校生梨花が…
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます!!
月詠 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
ちょっと書きたいことが溜まってましたので、それらも加えて一本書きました。
今夜の放送までの暇つぶしにでもしてやってください〜!
1.鬼明し編 ゾンビ鬼の結果
鬼明し編でゾンビ鬼の結果が変わっている?というのをあちこちで見ましたが…。
これは、ある意味で"レナに殺された"って事だと思います。
細かく言うと『圭一の鬼としての心を、レナの言動によって“殺された“』
「あいつら…酷い目にあった…」という台詞からしても、りかさとにくすぐられたのも変わりないでしょう。
自分の鬼狩柳桜解釈と繋がる大切なシーンでした。
梨花は沙都子のお色気で殺されちゃうし、逆も然り……あれ?梨花のお色気要素とは……?(オヤシロフェロモン?)
2.綿明し編 沙都子と鉄平の関係
郷壊し編で初めて鉄平の改心を体験した沙都子でした。この時は、鉄平の手に触れることすらできなかった沙都子でしたが、綿明し編では抱きつかれても強い拒絶反応を示すことはありませんでした。
アレルギーと“慣れ“の関係性の話がやっぱりここに重なってきたなぁという感じです。
これでいうと、やっぱり圭一が記憶のフラッシュバックを今だに起こしている段階であることが気になるんですが…つまり、慣れてない段階であるということです。
自説をベースに考えれば、沙都子が鬼隠し編のカケラをあまり繰り返していないことになりますが…(ちょっと無理やりかなぁと思うところはあります。)
もはや、沙都子は梨花のカケラ世界も覗けることがきちんと明かされた以上、綿騙し編(綿明し編)で梨花を一時見失ってしまってもカケラから抜け出した時に確認できる訳なので、綿と祟の間で更に準備を重ねるためのカケラを挟んだりもしないはずで。
となると、どうしてもレナの記憶の蓄積状況が鬼騙し編(鬼明し編)と祟騙し編(祟明し編?)で異なるのがやっぱり気になるのですよね。
一応、明確な違いとしては鬼隠し編ベースのカケラでのレナによるリナ殺害という行動は、鉄平が改心してから初めて起こるはずのイレギュラーなのに対して、祟殺し編ベースのカケラで皆殺し編ルートに移行するきっかけは旧作から不変の物。
つまりは、記憶を刺激するきっかけとなるイベントの発生回数が後者の方が多いので、このような差が出るのではないか…というもの。
これは絶対の意思の下行動してきた鷹野さんや、ずっと悪事に手を染めていた鉄平が騙し編ではより強固に記憶が定着し、完全に改心していることからも“慣れ”の段階に明確な差が出ているであろうことが明かされているので関係はありそう。
それはそれとして、鷹野の突然の改心にもかなり驚いていた梨花でしたが、鉄平のこの様子を見たら一体どんな反応を見せるのか非常に楽しみですね!笑笑
あと、沙都子の鉄平に対する発言を聞いていると、罪滅し編で沙都子本人が言っていたことは、今でも変わらず彼女の胸にあるのかなと信じてあげたくなりますし、これもまた卒のクライマックスに関わってきそうな雰囲気があってこちらも楽しみです。
3.猫騙し編 発症者の順番
アニメ版とマンガ版で、特に赤坂と圭一の順番が違っていましたが、この差異についてはフレデリカと古手梨花の記憶保持範囲の違いがあると仮定しているため、それぞれの人格の2人に対する元々の期待度の差ではないかと考えています。
■アニメ版
赤坂<圭一
■マンガ版
圭一<赤坂
4.マンガ版猫騙し編 記憶継承
以前の記事でもちょろっと書きましたが、アニメ版と違って羽入に死の直前の記憶を引き継ぐ力を修復されなかった件についてです。
アニメ版で羽入が猫騙し編突入時に梨花の元を離れたことから、マンガ版でもこのタイミングでは羽入は梨花の元を去っていると考えます。
アニメ版ではフレデリカ人格を“殺す“ことが目的のため、死の直前の記憶を引き継がせ、精神にダメージを与える。諦めさせる。
マンガ版では逆に諦めさせないことが目的のため、死の直前の記憶を今までと変わらず忘れさせることによって、古手梨花の精神を守っている。
アニメ版ではまだはっきりとしませんが、マンガ版では各惨劇のカケラのスタート地点は死の直前に設定されているようですね。
5.猫騙し編 裏側予想の再整理
まずは事実を大切に。
猫騙し編 其の四の最後のシーンをベースに再整理します。
梨花は雛見沢症候群を発症していませんし、鬼・綿騙し編の事件現場シーンのような神視点の描写でもないため、書き換えもないと考えられます。
そのため、まずこのシーンに嘘はないでしょう。
周りの部活メンバーに止められたら困るので、早急に済ませる必要があります。
なので、ここから銃口を自身へ向け直すといったフェイント的な行為も考えにくいです。
また、沙都子は銃の扱いには慣れていることもあり、撃つ気がない場合はきちんとトリガーから指を離さないといけないことを理解しています。
よって、梨花に対して殺意があって銃口を向けていると言えます。
梨花を先に殺すということは、彼女が死の直前の記憶を忘れないようになったことを知らないという事になります。
梨花は「後、5回だけ頑張って、それでダメなら…もう、諦めよう。」と言っていますが、能力を修復した羽入の残り香は「一時的に修復しました。」とだけ言っているため、仮にこのやり取りを沙都子が見ていたとしても、どのタイミングでその能力が解除されるのか彼女目線では確信を持つことはできません。行動に迷いも生まれるはずです。
ついでに鬼狩柳桜の件もそうです。
猫騙し編 其の壱のかくれんぼの時、梨花と羽入の会話を知っているのなら、梨花が祭具殿に向かったであろうことは容易に想像できるはずです。
でも、それを沙都子はしていなかったのです。知っていたら、今日は解散しようという段階になるまで見つからないということはないはずです。仮に沙都子が見つけたとしても、別に怪しまれる事もないのですから。
鬼狩柳桜が欠片の状態でしか見つからなかったのは、猫騙し編 其の四において、梨花の沙都子へのアプローチや、その心にポジティブな変化が表れているにもかかわらず未だ欠片の状態であることから、恐らくは沙都子の心の状態とリンクしているものと考えます。
巫女の交代の話も猫騙し編 其の参でしていました。
ざっくり言えば、もう精神はズタボロですよ。ということです。
梨花の心からのプレゼントでさえも、疑ってしまったのですから…。
綿騙し編で鷹野さんに観測できなかったのは、彼女がオヤシロさまではないからというのと、伝説の通りこの宝刀は千年間誰も見たことのない、実在しない物であるからでしょう。
御神体の中を確認しても剣は存在していなかった。だから「仮説が一気に現実になった。」
ひぐらし卒のOP・EDも絡めた2人のポジション(?)の変化のイメージは、こんな感じだと思います。
猫騙し編でようやく2人は同じステージに立つ。エウアによって、梨花と沙都子は同じ悪夢に苛まれる。
というわけで、祟明し編の大石による惨劇を沙都子が見届け、片付けた後のカケラ世界では今までとは違った様子が描かれるのだと思います。
下手したらカケラ世界の描写を経由せずに、突然猫騙し編の沙都子視点が始まるような気もしてきます…。
沙都子による梨花への奉納演舞(いみしん)も、当初の解釈からほぼ変わらず「記憶が引き継がれないと思ってリスキルし、溜まっていた本音をぶつけまくった。」で行こうと思います。
6.エウアの右目と羽入の残り香
これ、突然エウアさんが茶目っ気発揮してウィンクしているみたいに思ってしまいますが、いやいやいや!怪しいですよ!!(素敵な二次創作やひぐらし業アンソロを摂取してしまった後なので尚更素直に受け入れてしまいそうになる😇)
まずはしっかり疑って、前後のシーンを検証します。
結論から言うと、エウアが右目を閉じている時は羽入の残り香を操っている状態。
ではないかと思います。
動画が貼れないので静止画で申し訳ないのですが、エウアさんが右目だけを閉じている間は、沙都子と一緒に見ていた鬼明し編のカケラの中の2人の口元がちゃんと動いているのに、その後両目を閉じ、開いてからは2人の動きが完全に静止しているのです。
特に意味が無いのであれば、今までのカケラの描写のようにそのままずっと動かしていれば良いはずですし、こんなきっちり静止するのは初めてのことです。
元々梨花のカケラ世界に出現する羽入の残り香は、エウアによって送り出されたものだと考えていたので割と決定的な描写なのでは…?と思いました。
神様と目に関係がありそうなのは、とりあえず以下のお話かな?と思いました。
多分エジプト神話とかに詳しい人なら、もっと考えを深められそう。
あるいは、別方向からも発見がありそう。
7.ひぐらし命 高校生梨花が…
あっ…
閲覧ありがとうございました!
エウアさんの件、数時間前に気づいたのでちょっと慌ててしまいましたが、とりあえずコンパクトにまとめられて良かったです。
さぁ、今日は綿明し編 其の弍放送日です!!!!
また更新します〜それでは!
『綿明し編 其の壱 考察』沙都子のストレス 他
- 1.反省会:神経衰弱について
- 2.沙都子のストレスと雛見沢症候群
- 3.綿明し編のスタート地点について
- 4.綿明し編におけるH173
- 5.カケラ世界への移動
- 6.鬼騙し編(鬼明し編)における梨花の死亡原因
- 7.伏線回収とかその他感想
- おわりに
閲覧ありがとうございます!月詠 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
綿明し編 其の壱が放送されましたので、今週もあれこれ書いて参ります!
では、本編同様…反省会から始めます🤧w
1.反省会:神経衰弱について
ひとまず、この現実世界の指パッチンについてはしっかり明かされたので、それはちゃんと事実として認めないといけないなと…🤧w
ということで整理すると
①カケラに入る度に、トランプの配置はランダムになる。
(※綿流し編ベースのカケラ2つを比べても配置は異なっていた。)
②沙都子はガン牌トランプの要領で、カードの傷を目印にすべてのカードを覚えた。
③傷を覚えるために何度も同じカケラを繰り返した。
④指パッチンは繰り返していることを示唆する合図で、徐々に当たりを捲るのがスムーズになっているのは、沙都子がカードの特徴を段々と覚えていったから。
⑤沙都子は興味のあること、目的のために必要なことであれば何でも覚えられる。
ということになりますかね。
ダビンチでどのくらいの頻度でこういったゲーム大会が開かれていたのかはわかりませんが、お店のレイアウトからも、大石さんが麻雀で遊んでいったことがある等、みんなで遊べる場所として普段から提供していると読み取れますので、このトランプはそのために以前から使われているものなのでしょう。
だから、昔からいろんな人が使っていて、これだけの傷がついている。そう思えば納得です。
じゃあ、私の考えはどうだったのかというと…
うみねこのフェザリーヌの脚本を書き換える能力の下位互換的なものなのではないか?
結果を書き換える能力。
という認識でした。正直ここでこの自説に対して筆を置くことに恐怖を感じていますが。。
というのも、私目線でも、他の視聴者さん目線でもそうだと思うのですが、そこ明かしてくれないのかよ!みたいな描写があまりにも多く、竜騎士先生が真実を隠したがっているのではないかと感じるからです。
いいんですよ、、頑固なやつだな!と思われても…笑
とりあえずはこんな考えもある。ということで、一旦頭の隅に置いておくことにします。
というか、逆に言えばエウアさんから与えられた能力以外に、沙都子は能動的に特異なことはできないということが判明した。ってことですよね。
わーん!考えすぎちゃったよ~~~!🙄くやしー
でも頑張って考えてみたことは褒めたい。自分を。笑
反省会終わり。
2.沙都子のストレスと雛見沢症候群
度重なる強いストレスに、表面上は理性を保てていても身体は素直に反応しているっぽい描写がいくつか見受けられました。
それらを並べて整理していきます。
まずは頭の方から、鬼騙し編(鬼明し編)終了直後、カケラ世界でのエウアさんとのやり取りです。
ちなみに、ストレスとリンパの痛みにはちゃんと関連性があります。
自律神経・リンパの流れが痛みの原因になるのはなぜ?|【福岡市薬院・天神の整体】まえだ整骨院
併せてこちらも面白いと思いますのでお暇なときにでも。
次は皆殺し編ベースのカケラにて、鉄平とのやり取りです。
この沙都子の反応と似たような構図が、同じ話の中でありました。
冒頭の梨花と羽入です。
この反応、個人的に凄く共感できるんですよね…。色々あると基本目も合わせたくないですし、笑顔なんて見せられないんですよ。15年くらい経ってようやく顔を見てそれなりに話せるくらいに関係を修復できたんです。
…私の話はさておき。
似ているこの2組にも明確な違いがありますよね。
相手側の謝罪に対しての反応が沙都子と羽入とで正反対です。
沙都子は表面上は許していても、内心は許せない気持ちが渦巻いているのだと思います。だからこそ、梨花を屈服させるために簡単に利用できる。
以下は5月末にあげた、雛見沢症候群についての記事です。
ここでは、雛見沢症候群の寄生虫=オヤシロさま信仰そのものと結論付けていること、症状としては主に精神疾患がメインとなっていることからも、そして作品内の描写からしても心に影響を及ぼす病気だとわかるため、
カケラ世界という繰り返す者の心の中の世界で、沙都子がこの病気に苦しみ始めるのはおかしくはないと思っています。
猫騙し編 其の参の腸流しについては、梨花に打たれたケタラールの幻覚作用の効果が、鬼明し編のレナを参考にするのなら本当に軽微なものであると推測できるため、沙都子の実際の様子としては強いストレスによる首の痒みは感じていたのではないか?
という予想はできそうです。
しかし、解剖の知識と経験については、今回の綿明し編で明かされた無限の準備期間中に実は練習してました!では解決できない次元のものだと思うので、やはり梨花がエウアによって悪夢を見させられていると思う方がまだ自然な気がします。
ゆっくりと、でも確かに沙都子の心は壊れてバラバラになっていくのでしょう…。
その過程を丁寧に書く気満々のようなので、ここから更にしんどくなるのは間違いなさそうです。
猫騙し編の裏側が楽しみですね!!!!
3.綿明し編のスタート地点について
沙都子と梨花のセリフからして、まずこの昭和58年6月5日(日)から始まるカケラの物語は、鬼騙し編(鬼明し編)の後です。
・梨花が包丁で自殺したことを知っている。
・もっと楽なお道具を用意したい。
そして開始地点の日付ですが、私たちが見ることのできる綿流し編の最初の日付「6月12日(日)」よりも明らかに早いです。
しかし、平成ひぐらしにおいても梨花が綿流し編をプレイしている段階では、"時間を巻き戻す力"が皆殺し編よりは弱まっていない段階であったはずなので、実際は梨花もこれの1週間前に既に巻き戻っていておかしくはないと思います。
なので、単純に銃の練習期間は無限の準備期間中の出来事ということですね。
そこまで先読みして練習しておけるの、さすがトラップマスターといったところでしょうか…?
一応、仮に別のカケラを挟んでいたとしても、それはそれで困ることはなかったので良いのですが…。
4.綿明し編におけるH173
直前のこの自販機へのズームから推測するに、今回は飲み物に混ぜたということでよいのだと思います。
この表現方法、何かを思い出すなぁと思ったんですが、原作ゲームにおける鉄平の沙都子への性的虐待の有無について、こんな風に直接的に描写せず、音などの「効果」で表現しているシーンがあったなぁと。
祟殺し編なのか、たぶん私がまだ買っていないお話なので画像貼れないんですが、確か児童相談所の虐待に関する統計資料のシーンで、性的虐待件数の文字が流れるところだけ不穏な音が流れたんですよね。
そのシーンと、沙都子の「気持ち悪いの…やだ…」みたいなセリフから推測して、性的虐待はあったんじゃないか?という結論に辿り着けるようになっている…みたいな。
なので、今回はおそらく経口摂取であろうことから、薬剤の効果が薄まる、あるいは完全に無効となり、魅音の雛見沢症候群は低レベルのまま物語が進行していく、という感じで最後まで行きそうな気がします。(※私はレナも魅音もH173による発症ではないことを疑わずに行きます。)
鬼騙し編(鬼明し編)でも見られた、最後の沙都子と梨花の死亡現場の描写の書き換えを考慮すると、もしかしたら魅音は一度も首を掻いて血を流すことなく、銃で自殺する可能性もあるのではないか?と思っています。
5.カケラ世界への移動
今回は、物語が進行する途中でカケラ世界へ沙都子が移動するシーンがハッキリと描かれました。
これは、平成ひぐらしにおける皆殺し編のこのシーンと結構近いものじゃないかな?と思います。
役所への陳情前に、羽入と梨花が心の中で会話をするシーンです。
カケラの中にいる自分自身を動かしながら、同時にカケラ世界の自分も観劇者と会話ができる。郷壊し編 其の七で既にそれらしき描写がありました。
所謂「魔女化」が進むに連れてこうやって分離して、それぞれを自在に動かせるようになっていくのでしょうかね。
なんかキコニアっぽいシステム?
少し話を戻しますが、この
「観劇者であるあなたが望めば、惨劇の台本だって書き換えられることもあるかもしれないのだから。」
というセリフ、どうも業卒にも深く関わっている気がしてならないですね。。
この観劇者というのは、今はエウアさんなわけで。
彼女が望めば、猫騙し編のような惨劇の台本に書き換えられる。とか。
以前から大石からはエウアさんによる"オヤシロさまの祟り"が惨劇を引き起こしているのではないか?と考えているのもあるので、ちょっと楽しみにしている部分ですね。
というか、各編の惨劇シーンの書き換えもエウアさん側の仕業だったりします?
6.鬼騙し編(鬼明し編)における梨花の死亡原因
ここでちょっと鬼騙し編(鬼明し編)の話に戻ります。
梨花のカケラ世界で、彼女ははっきりと告げました。
鬼騙し編(鬼明し編)の梨花が自殺であること前提で書きますが、フレデリカ人格ベースであるアニメ版では鬼騙し編(鬼明し編)の自身の死亡原因に対して
「惨劇は起きてしまった!」とだけ話しているのに、マンガ版では
「惨劇は起きて、私もまた殺された!」と他殺だと思っているのです。
ということは、やはり漫画版は他殺、もしくはより死の瞬間に近い時点で自殺を選んだのか、、という所でしょうか。
となると気になるのが、アニメでも描写されていたもう一つの事件現場です。
仮にこの描写がマンガ版側の真実だとしたら、前原家の包丁を持ち出して2人を殺せるのは誰?動機がある人は?
そう考えたらやっぱり当てはまる人が思い浮かばないんですよ。。
圭一もレナも、壊し合った後にわざわざ包丁を持ち替えて、梨花と沙都子を殺しに行くのは考えにくいです。
だからこそ、第三者視点の描写の書き換えをまだ疑いたくなってしまうんですよね…。
実際のマンガ版、フレデリカ人格側の死とリンクする形で突然怪死するんじゃないかとか、けっこう吹っ飛んだ考えも浮かんではいますが、、
一番最悪なのは、赤目沙都子が直接梨花を殺めたパターンですかね…。
死の直前の記憶の欠損を利用して。
この段階での彼女にそれができるのか微妙なところですが、一応可能性としては0ではないということで置いておきます。
うーん、進んだようで進んでないですね💦
7.伏線回収とかその他感想
■やっぱ梨花ちゃまとしか住めないね!
まさか祟騙し編のこのシーンが伏線だったとか笑ってしまったよ…!
確かに鉄平の家も北条家も掃除する必要あるけども!笑 こっちの家まで片付けるのね🤣
繰り返す者となり、綺麗なりかさとハウスでずーーっと過ごしてきた分、汚い家に対する不快感も比例して膨れ上がっていそう。
繰り返すうちに家事スキルが上がっていったというのは、りかさとハウスでの長い年月の賜物でもありますね。。
最初に覚えたきっかけは、梨花は羽入に家事を教えてもらったのに対して、沙都子の片付けに関しては北条家での虐待からでしょうし(加害者が散らかしたものを被害者に片付けさせる典型的なアレ)、心苦しいですが…。
お料理は、梨花と暮らし始めてから少しずつ覚えたのでしょう。
平成ひぐらし時点ではまだまだ半人前だったので。
■オレンジジュース…あれ?
沙都子がオレンジジュース…やっぱり私これを思い出しちゃいます…。
沙都子の純情が汚れて真っ黒に!!
ってあれ?もしかしてこれ、ひぐらし業卒の伏線だったんですかぁ?!?!??
■祟明し編への準備
わわっ、やめろ~~~!!フラグ~~~!!!
おわりに
やはり新しい編の頭ということもあって、あまり大きくは進展しないですね。
驚かされたり笑わされたりはしましたが…w
それにしても、やはり真実を隠そうとする意思をこの物語には感じます。
だから、鬼狩柳桜についても、もしかしたら本編では詳しくは語られないまま物語の幕は閉じるのかもしれません。
私はそれで困ることはないのですけども…。ついてこれる人だけついてこい!みたいなスタンスなんでしょうか?
まだまだ始まったばかりな綿明し編!
次回の放送も楽しみです😛!
『鬼明し編 其の参 考察』第三者視点の描写の書き換えについて 他
はじめに
閲覧ありがとうございます!月詠 (@higurashi_moon) | Twitter
と申します。
梨花ちゃまの自殺シーンで私も喉が閉まって息ができなかったです!恐ろしい。
さて、鬼明し編 其の参を受けて、今回も書いていきたいと思います〜〜〜 !
ていうかもうこの大見出し要らないのでは???
1.鬼明し編 其の参 考察
解答編に入っても、梨花の違和感描写出し続けてほしいなぁと思っていた矢先に、ゾンビ鬼のこのカット!そしてこの表情ですよ!!!
単純にゾクゾクしたのもありますが、ひぐらし業の物語を始めてしまったのはフレデリカ・ベルンカステル人格だと思っている関係で求めていた描写でもあったので、そういう意味でも内心喜んでしまいました🤣
本人からしたら一種のからかいの延長線上なのでしょうが、こうやって絵にされると中々インパクトがありますね笑
では、一番気になる惨劇について考えていきたいと思います。
通報者は誰?という問題について、知恵先生の発言と魅音の登校時間の早さや発言から
あの惨劇の夜、レナのパパが娘が帰ってこなくて前原家に電話をしたら誰も出ず、様子を見に行ったか、もしくはそのまま警察に相談したのか。それがきっかけで事件が発覚したのでしょうか。
娘を想う気持ちはもちろんあるとは思うのですが、布団に籠ってグラビア誌見ながら酒飲んだりしている彼の様子を見てしまうと、どうも積極的に行動するようには見えないのが残念なところですね…。
ただ、レナは出かける前に「お夕飯、ちょっと遅くなると思うけど…」とレナパパに話していたので、一人娘の帰りがあまりにも遅いのなら、当然の行動と言えると思います。
さて、鬼騙し編の惨劇の部分だけですが、答え合わせもしてみましょう。
以下は先週の記事の引用です。
レナと圭一惨劇の直後に梨花だけが圭一宅内を確認して発狂し、家にある包丁で自殺しようとするも、この惨劇の記憶だけでも残しておけば運命を打ち破るヒントになるかもしれないと考え、なんとか自制する。
手にした包丁は鬼騙し編にて梨花沙都子宅に前原家の包丁が存在したことから、梨花が持ち帰ったと考える。
ただし、沙都子は絶対に起きているはずなので一階か外に隠す。
翌朝、沙都子に体調が悪いと訴え一人で行かせて、その間に自殺。
朝の始業前に沙都子は前原家の惨状を確認し、察してすぐに帰宅。二階に上がると既に梨花は死亡しており、自分も自殺。
魅音はレナ・圭一と毎朝登校しているため、2人が来ない時点で絶対に家に確認しに行くはず。だから沙都子が惨劇を確認するためには学校が始まるまでの時間でないと、警察などによって家の中には入ることができなくなり、PVで手に持っていた血の付いていない包丁が前原家の物であることが説明できなくなる。
しかし、鬼騙し編と鬼明し編でどうやら梨花と沙都子の事件現場の様子に違いが見られることから、沙都子の主観に歪みが生じているのか、カケラの外から改めてこのシーンを見ることによってフィルターがかかるのか…どちらかかなとは思いますがまだ断定はできないです。
ちなみに前原家の現場は、実際にはレナが圭一の頬に対して軽く傷をつけただけで二人とも出血はほとんどないと思われる。だから侵入しても足跡などが残りにくい。
レナの死因は、幻覚を見て錯乱した圭一が青い時計で頭部を激しく殴打したこと。
圭一は惨劇のショックで気絶。
結果は合っていましたが、過程はやっぱりはずれちゃいましたね~。
ミステリー得意な人はこの辺も上手いのでしょうか?
というか、PVの包丁のデザインと血がついてないという絵に完全に騙されました!笑
冷静に魅音の発言である「同じ包丁で首を何度も刺されて…」を信じて、そこを軸に考えるだけで良かったものの、新しい情報に完全に踊らされてしまいました🙃
だから梨花と沙都子が前原家の包丁を持ち出さないといけないと思い込んでしまい、こんなトンデモ推理に…。
包丁の書き分けって結構しっかりしていたのでそこは信用していたのですけど、どの情報をベースに考えるのかを誤ってしまったのが失敗でしたね…。
気を取り直して、とりあえず順番に整理していきましょう。
せっかくこの流れなので、先に梨花と沙都子の自殺現場について。
まず、鬼騙し編で私たちが第三者視点として見せられた現場の様子はこちらです。
そして、沙都子視点で描かれたのはこちらです。
2人の状態もそうなのですが、包丁が明らかにりかさとハウスの物から、前原家にあったものにすり替わっていますね。
冷静に一つずつ確認していきます。
まずは梨花と沙都子に前原家の包丁を手に入れる機会があったかどうか?です。
梨花は圭一とレナの惨劇が起こってしまったという事実を、翌朝の学校にて初めて耳にしました。
もちろん、あの夜は勝利を確信した後にすぐ帰宅しています。
では沙都子はというと、確かにこの夜、どこで何をしていたのかは示されていませんが、実際に自殺に使った包丁が梨花が使用したものであったため、前原家の包丁を盗む理由は無かったということになります。
また、あの夜は梨花が前原家に行っている以上途中で鉢合わせたりする可能性もあるので、外を彷徨くのは得策じゃないでしょう。警察とバッタリも不利になります。
私はこの放送を観る前、梨花の自殺を目撃した沙都子の心が揺らいで、沙都子の主観が歪んだのでは?と考えていましたが、今回の沙都子の様子を見るに至って冷静ですし、普段の様子からしても彼女が幻覚に悩まされている様子はありません。
一貫して周囲の人との認識の差が生まれていないのがその証拠だと思います。(もちろん心の中は狂気で染まっているわけですが。)
また、梨花が自殺用の包丁を取り出すシーンには沙都子はおらず、梨花の主観で描かれています。
よって、この包丁は確かにりかさとハウスの包丁である。と断言できます。
梨花も沙都子も自殺、レナも圭一も前原家で意識の無い状態で見つかった。
誰も自然にりかさとハウスへ包丁を持ち込めないんです。
ここから導き出されるのが、タイトルに記した通り
第三者視点の描写が書き換えられている。
ということになります。
じゃあ誰によって?という事になりますが、ちゃんと描写を挟んでくれました。
正直ここで効いてきそうなのは驚きましたが…。
以下は4月に投稿した記事の一部分です。
(※内容が若干古いので記憶のこととか今の考えとズレてるところがありますが、大筋は変わってないです。)
この沙都子の神経衰弱は、誰かのハズレの声が途切れた後、再度自身の同じセリフを沙都子が発していることから、カードを捲るという過程を経て、ハズレなら"カードが表になった"という結果を書き換えたと説明できます。書き換えると再度トランプは裏になるため、時間が巻き戻ったように見えるのです。
この記事では、沙都子のこの能力について
物事の過程は変えられないが、夢の主が望む未来の結果は変えられる。
と結論を出していました。
これについて、今一度考えて過程を書き出してみたものの、新たに自説を固める要素を見つけてしまい、結局この結論に収束したのです。
戻されてしまうので、トランプの配置を記憶しなくてはならなくなる。
— 月詠 (@higurashi_moon) July 9, 2021
では、カケラのリスポン地点を任意で調整できるのでは?となるけれども、これは梨花にはできなかった事なので誤り。
次に、舞台に降りている時に他のカケラの閲覧ができる?と考えるが、これはできなかったとは言えない。しかし、
シャッフルのやり方・並べ方1つでいくらでも配置が変わってしまうため、同一のカケラ内で済ませないと、それこそ猿とタイプライターの話になってしまう。
— 月詠 (@higurashi_moon) July 9, 2021
ゲームを公平なものにするためにも、普通カードを切るのはお店のおじさん等の第三者だと思うのも理由の一つ。
これと似たものなんじゃないかと考えて、今こうしてもう一度考えてみてもやっぱりここに落ち着いてしまう。
— 月詠 (@higurashi_moon) July 9, 2021
他になにか見落としているのかと考えるけど、私には見つけられない。。
カケラが変わると配置も変わる pic.twitter.com/KypkNyiZK4
— 月詠 (@higurashi_moon) July 9, 2021
上記に「その世界に希望が残っている状態(惨劇が起こるきっかけが発生していない)で、梨花は自殺を選ぶことはできない」を追加しておきます。
それにしても、できること・できないことの範囲を考えるのが難しく、今のところは
①物理法則は無視できない
例→生死は変えられない。病気の進行も変えられない。条件が揃わなければ鍵の類は開かない。H173などの薬剤の効果は変えられない。(※そもそも沙都子はH173の効果を勘違いしている) 等
②人の意思は変えられない(元々のカケラの創造主は梨花だから)
というルールになっています。
では、仮に沙都子の指パッチンによってこの自殺現場の映像が書き換えられたのだとして、なぜそれをする必要があったのかを考えていきます。
パッと思いつくものとしては…
記憶の蓄積が起こりやすい誰かの死が絡むイベントを改ざんしなければ、他の部活メンバーによって、今後沙都子自身の行動が妨げられる可能性があるから。
これが、現段階で個人的に一番腑に落ちる理由です。
他にあるかどうかは冷静に考えたいところですが…。
圭一に指パッチンを観測され続けている状態で神経衰弱をパーフェクトで終わらせた時、沙都子は実際は何度も失敗しています。
それをずっと見ているはずなのに、圭一も同卓の人もその失敗を認識できていませんでした。
つまり、結果を変えてしまえば変更前の事実は初めから無かったことになり、記憶の蓄積の対象にならない。
実際それを沙都子は理解していているからこそ、あのワンターンキルができるわけです。
沙都子がカケラの中に行って死に、繰り返してしまうと、エウアさんの言う通りに記憶が蓄積されてしまいます。
そしてもう一つ、沙都子の指パッチン(自殺ラッシュ時のやつ)について別方向から出した結論がありました。
「猫〜卒」の記事への追記に合わせ、こちら側で諦めてしまっていた上記の「死ぬ直前の指パッチン」について、自分の解答が出たので書き込んでいきます。
結果として、この指パッチンについては夢の世界を暗示していたのだと思います。
この解釈に対して、沙都子のこのセリフを持ってきます。
「私と梨花が一緒に暮らす未来では、惨劇など起こりませんもの。…それ以前のカケラの出来事なんて、無かったも同然でしょう?私が最後に選んだカケラが、唯一の世界になるんですの。その過程は全て、夢や幻と同じですわ。」
そうです、まさかのダブルミーニングになっているんです。
鬼騙し編(鬼明し編)は過程のカケラ。
過程のカケラは夢や幻と同じ。
沙都子にとって、このカケラは夢や幻である。
という意味の描写なのです。
😦
次に、圭一とレナの惨劇について参りましょう。
鬼明し編では、この惨劇の真実について、多くの方がもっと直接的な描写で明かされるものだと信じていたと思います。
もちろん、私もその内の一人です。
しかし、蓋を開けてみれば警察の捜査が入っているにも関わらず、肝心なその警察視点で一切描かれなかったんですよね。
梨花もあの夜、圭一が疑心に打ち勝ったのを確認しただけで勝ちを確信してしまい、目視することはありませんでした。翌朝も警察に現場を抑えられていたので何も見ることができなかった。
つまり、あの2人の惨劇は鬼騙し編と鬼明し編を比較して推理する他ないのです。
違和感や事実を拾っていくと…
レナを圭一がタックルで気絶させるところまでが現実。
その後は全て圭一の幻覚で、気絶しているだけのレナを青いカレンダーで殴打し続け、殺してしまった。
およそこの辺りが真相なのだと思います。
あれだけ血を流してまず生きているのがおかしい。
病院で起き上がっても腹部の痛みを訴えない。
身体を刺されたことはないので現実だったらどうなるのかはわかりませんが、誰もが抱く違和感だったと思います。
その違和感を無視することはできないです…。
2.旧ルールXYZについて
ルールX(疑心暗鬼による暴走)
ルールY(強い意志と目的をもって行われる梨花殺害と雛見沢大災害)
ルールZ(雛見沢の「オヤシロさまの祟り」を容認する土壌)
鬼明し編からいったん離れ、私が今までなぜか勘違いしていたルールXYZについてのお話です。
勘違いというか、ちゃんと理解できてなかったというやつです…。
郷壊し編 其の七 にて鷹野が初めて自分の意思で終末作戦を中止したカケラの世界を見せられました。
そしてこのカケラの鑑賞を終えたエウアさんはこのように話します。
「猫の言うところの、惨劇のルールが全て失われた世界…か。」
ここについて、ずーっと勘違いしていたのですが、完全に打ち破られたのはルールYのみであってXとZは他のカケラでは一部存在し続けているのですよね。
必ず共通する事項としてのルールは確かになくなったけれど、『気まぐれ』として発生するものとしては0になったとは言っていない。という。
そして、エウアさんがこのカケラに対してXYZが打ち破られているという発言をするのもそれはそのはずで、このカケラは皆殺し編のカケラがベースになっているから…。
物語の中で圭一達が記憶の蓄積の影響でお互いの狂気を鎮め合いルールXを打破。
そして、沙都子を救うタイミングで園崎家に乗り込み、ルールZを打破。
鷹野は絶対の意思があった影響で、どこのカケラでも必ず改心するきっかけが生まれるのでルールYは自然消滅。
基本的には皆殺し編のように、ここまで頑張って初めて、全てのルールが失われた世界が完成します。
鬼明し編ではH173を使用する前からレナの発症が始まっていたこと、綿騙し編では園崎家絡みがまだ解決していなさそうな点からも、惨劇の火種は残っていたということになります。
沙都子はルールXとルールYの代わりとして騙し世界に君臨したのでしょうが、残念ながらどちらにもなれていなかったという事になります。
ルールXはその火種がまだ残っており、ルールYは結局梨花の自殺、もしくは"オヤシロさまの祟り"にすり替わっているだけ。
ちなみに郷壊し編 其の七の皆殺し編(改)の鉄平は、祟騙し編と同様の方法で呼び寄せて流れを作っていると思われます。準備期間なので。
3.梨花追いかけについて
当たり前のように見えて、個人的にはさらっと重要なこと言ったなぁと思ったのでメモ書きみたいなものですが、、、
沙都子は鬼→綿と続けて通る。
他のカケラは挟まない。
ということでもう確定のようですね。
前の記事で新たな可能性を考え始めていたところだったのですが…一応、綿の後はその可能性が残っていそうな気もします。
綿で沙都子が梨花を追いかけられなかったと考えてしまうのであれば、準備が足りなかったのかもという思考になって、他のカケラ挟む可能性が無くもないかな…って感じです。
いやぁ、、考えすぎ???
でも、祟殺し編ベースのカケラを皆殺し編ルートに持っていくためには、必ずみんなの記憶の影響を発生させないといけないはずで…。
カケラ世界のこと、もう少し整理する必要がありそうです。。
ん~他に可能性としてありそうなのは、鬼・綿・祟の間に沙都子は梨花に記憶を引き継がせない形でカケラを繰り返したとか、でしょうか。
ちょっと長くなってしまったので、今回はこの辺で…!
引き続き更新していきますので、よろしくお願いいたします~~🤧
『フレデリカと古手梨花』アニメ版とマンガ版の差異について
はじめに
7月2日(金)にマンガ版ひぐらし業の猫騙し編が更新されました。
その内容を受け、自分の説がまだ通りそうなのでこの機会に軽くまとめてみたいと思います。
アニメ版が左手 マンガ版が右手 でエウアによって着色された物語です。
マンガ版を現在公開分まで通してみてみると、他のみんながシリアスな顔つきをしているのにも関わらず、梨花ちゃまだけやたらニコニコしているシーンが多いんです。
それに、沙都子を中心に仲間に対する冷たさもかなり軽減されていて、人を駒として見ている側面は少なからずありますが、それでもアニメより思いやりや強い意志を持って挑んでいる雰囲気があります。
また、アニメ版 ひぐらし業のBD5巻の特典としてブックレットが付いてくるのですが、その中に竜騎士先生のインタビューが記載されており、「梨花は主人公でもないし、プレイヤーでもなかった。」という様な発言がすごくしっくり来たのもこの説を後押ししている理由の1つとなっています。
1.物語の流れ
ざっくりですが以下のように…
①鬼狩柳桜を失ったフレデリカ・ベルンカステル人格が自分の幸せのために世界を作り替える(祭囃し編エンドロール直前→郷壊し編 其の壱冒頭)
②沙都子の存在を蔑ろにしてしまい、沙都子と共に再びループ突入
③ルチーア2回目のシャンデリアから騙し編世界へ
④梨花の人格が2つに分かれる。鬼騙し編 其の弐の描写通り、梨花は小学生と高校生の2人が同時に存在しており、それぞれ古手梨花とフレデリカ人格。
ここで物語は分岐する。
(※一応の補足ですが、私には騙し編1周目・2周目などの周回の概念はありません。鬼狩柳桜の解釈が対象の記憶を消すものではないとしているからです。実際に心の鬼を鎮めた古手梨花が、フレデリカとして過ごしてきた記憶を忘れていなかったのが根拠です。また、記憶の累積は不可逆的だというエウアの発言や、繰り返す者の心の寿命は限られていることもここにかかってくると考えています。)
⑤猫騙し編 其の参のこのシーンで2人は出会い、心の中で対話をする
⑥フレデリカ人格は死に、古手梨花に記憶が統合される。魔女からの卒業。
9月9日にひぐらし卒の最終編 其の壱を迎えると思われます。
そこからは完全に本来の古手梨花に統合されてからの物語と考えているため、9月10日の漫画版更新日ってどのタイミングだろう?と考えた時に、ちょうど猫騙し編の最終話っぽくて、2人が統合されるのなら綺麗だなと思いました。
アニメ版はフレデリカ、マンガ版は古手梨花
マンガ版の猫騙し編 其の壱でハッキリしました。
決定的とも言える違いが…
・大石に殺された後、羽入の残り香と出会わない。
・鬼狩柳桜の存在を教えられない。(この古手梨花はもう心に禁じているから)
・死の直前の記憶は今まで通りに忘却する。(古手梨花の精神崩壊を防ぐため)
これら3つです。
2人の記憶保持状況には違いがあり、皆殺し編の記憶は共通して持っているという事実がありますが、祭囃し編以降に明確な違いがあると考えます。
■アニメ版(フレデリカ)
祭囃し編&郷壊し編:VS山狗・鷹野の決着時、中学生〜聖ルチーア学園高校2年
■マンガ版(古手梨花)
祭囃し編&郷壊し編:スタート~VS山狗・鷹野の過程、昭和58年の綿流し祭~小学生
2.赤目について
綿騙し編にて、マンガ版でも赤目の梨花になる描写がありました。
これはアニメ版と共通して描かれたため、今のところ赤目は古手梨花とフレデリカを繋いで操れる人格(状態)なのかなと思っています。
鬼騙し編(鬼明し編)の梨花が自殺であること前提で書きますが、フレデリカ人格ベースであるアニメ版では鬼騙し編(鬼明し編)の自身の死亡原因に対して
「惨劇は起きてしまった!」とだけ話しているのに、マンガ版では
「惨劇は起きて、私もまた殺された!」と他殺だと思っているのです。
これが意味するところは…
①アニメ版では圭一&レナの惨劇を目撃した時に赤目が顕現し、その場で自殺してやろうという考えが湧き出てきたが、この惨劇を記憶するために踏みとどまり翌朝沙都子を見送ってから自殺した。だから自殺願望をフレデリカは認識している。
しかし、綿騙し編では赤目人格が顕現したその日のうちに自殺していると考えられるため、記憶が残らず他殺だと思い込んでしまった。
②マンガ版でも同様に赤目が同じタイミングで顕現するが、こちらは古手梨花ベースであるため記憶が完全に分断されるではないかと考える。
そうなると、赤目が顕現した時点で古手梨花としての記憶はそこで途切れる。
ただしカケラの中の肉体が死ぬのが翌朝であるため、惨劇が起こったという事実の目撃までが彼女の記憶保持範囲となる。
こうして考えてみると、沙都子側にも見えてくるものがあります。
どちらも祟騙し編の描写ですが、白沙都子(本来の沙都子の意)の本音っぽく感じるのです…。
仮にマンガ版では赤目状態の時の記憶が抜け落ちているのであれば、繰り返す者となった自覚はあるけれど、レナに注射したことも覚えていないし、なのに前の世界の惨劇等の恐ろしい記憶を覚えてしまっていて、精神的ストレスにより限界が近くなっている…ということになります。
沙都子には残念ながら、梨花のように死亡時の記憶を忘れる力がありません。自己防衛機能が弱いんですよね。。
沙都子についてはまだちゃんと見れてないので、また時間を割けたらなぁと思います。
3.アニメ版とマンガ版の梨花を並べてみる
わかりやすいのはおよそこの辺りかなと思います。
4.マンガ版の展開予想
■猫騙し編
これから先も鬼狩柳桜の話はされないし、タイミング的にも羽入の残り香と出会うこともなさそう。アニメ版では猫騙し編 其の壱の段階で既に沙都子の精神が死にかけていて、完全な鬼となろうとしていたように受け取れた。(角の修復)
沙都子の綿流しはあっても記憶が一切引き継がれないので描かれない気もするが、これの最中に記憶の統合がされると考えているので必要な気がする。
梨花は覚えのない罪に戸惑うかもしれないが、フレデリカ人格との対話を経てもう1人の自分の罪に気づく。
以降、猫騙し編の平和な世界からはアニメ版と同じ展開。誕生日会もやる。
でも鬼狩柳桜のカケラを手に入れることは無い。最後に赤目沙都子に銃口を向けられておしまい。
■郷壊し編
騙し編に於いて、古手梨花が覚えているのは基本的に小学生時代まで。後は本屋でルチーア学園への夢を語るシーン。
なので、魅音の卒業式辺り(昭和59年3月)で突然記憶が途切れるような演出があったら面白いなぁ、怖いなぁとか。
ただし、郷壊し編のエウアが生まれていない段階では、右手左手云々もないのでアニメ版とほぼ同じ展開でルチーア編も描かれると思われる。
メタ的?に言ってしまうと、ここでルチーア編を描かないと沙都子の動機がマンガ版では明らかにされないことになってしまい、マンガ版のみを一つの作品として読む人が話を理解できなくなってしまう。
以上、小まとめ記事でした。
明日は鬼明し編 其の参だーーーーー!!!!🥺
次回も即日更新とかできないと思いますが、記事は書く予定です~~では。
『鬼明し編 其の壱・其の弐 考察』H173と罪滅し編のカケラについて 他
はじめに
閲覧ありがとうございます!月詠 (@higurashi_moon) | Twitterと申します。
うわああああああついに始まりましたね!!!!!!!!!!
OPEDの映像が想像以上にりかさとりかしていて、にやにや止まらんです。。。
さて、せっかく業終わってから思考し続けてきたので、卒でも引き続き考えつくしていこうと思います。
昨夜放送の「鬼明し編 其の壱・其の弐」を視聴した上で、自分の用意した答えは壊されなかったので曲げずに突き進んでいく方向で行きます。
では、本編の考察に入ります。
1.H173について
正直なところ、結構あっさり使うんだなぁという印象でした。
使い終わったらゴミ箱に容赦なくポイなのはちょっと笑ってしまいましたが、あとの事なんてどうでもいいですもんね。
それはさておき、私の中でのH173に対する考えはこうです。
・H173は2回(アンプル2本分)投与しなければ、疑似L5発症には至らない。
(※雛見沢症候群がアレルギー反応に似ていることから鷹野さんが発想を得た、偽アレルギー反応を引き起こす薬だと考えているから。郷壊し編 其の七 で鷹野さんが予防薬投与のために取りに行こうとしたのがH173だったことも根拠の一つ。)
・1回の投与の段階では、体に薬の抗体ができて、軽微な幻覚作用が起こるだけである。雛見沢症候群で言うL3相当。
・雛見沢症候群とH173は症状としては似ているが、H173は雛見沢症候群の発症レベル関係なしに2回で疑似L5に至る。
(※雛見沢症候群のL3患者に1回投与しただけでは、強制発症は起こらない。薬物アレルギーによるアナフィラキシーショックの条件が揃っていないから。)
・H173自体に眠らせる効果はない。
(※皆殺し編では富竹に別の薬を使って眠らせていたから。)
映像を確認していただければわかる通り、レナにアンプル1本分全てを沙都子は投与したわけですが、レナの様子はどうだったでしょうか?
富竹のように起きたら狂って暴れだすことはなく、表向きはそこそこ冷静です。
注射後帰宅して首を掻いてしまうシーン。途端に真っ赤に。
しかし、この後の描写を確認すると…
この赤い痕のようなものは、このシーンでも、それ以降でも実際に首を掻いた時にしか描かれませんでした。血が出ている様子もありません。絆創膏もしていません。
レナ視点で描写されているため、軽微な幻覚作用が画面に反映されている可能性が高いです。
しかし面倒なのが、H173とは別に同時進行でレナの雛見沢症候群も進行しているということです。
進行度の判断は難しいですが、この段階で既にL3+orL4相当と思っていいと思います。
事実、注射を打たれる前には既にレナはボーっとする様子を見せており、雛見沢症候群の初期症状が現れています。
では、他の引っ掻き傷を探してみます。
以下は圭一が疑心暗鬼を打ち破った後、一時的に健全になったと思われる圭一視点で見ることができるレナの引っ掻き傷です。
その後の様子から、レナは明らかにL5に至っている状態です。
アップのカットで、明確に書き分けがされていることがわかります。
そしてもう一つ比較対象として、梨花が沙都子に綿流しをされるこちらのシーン。
こちらは鬼明し編 其の壱でのレナの首掻きシーンと似た描かれ方をしているのです。
沙都子の「残りの痛み止めを全部使って差し上げますわ。」というセリフから読み取れるように、梨花が目覚める前に一度注射をしていると考えられます。
ということは、梨花も軽微な幻覚は見ているというわけです。
だけれど、注射は一本しか盗んでいないはず。
それに2本打ったら疑似L5になるんじゃ?
赤坂や茜のような強者相手に注射を2回も打つ?トラップで都合よく気絶させて?スタンガン?そんな危険なものを沙都子に簡単に渡すの?
疑問点があまりにも多すぎます。
猫騙し編が沙都子綿流しまで、とにかくおかしな世界であることがわかると思います。
話を戻しますが…
リナの職場がある商店街に赴き、カフェに入ったレナはリラックス効果のある紅茶を選択して一度心を落ち着けられそうな雰囲気でしたが、、運が悪かったですね。
リナに遭遇し、会話を途中まで聞いてしまったために完全にエンジンがかかってしまったようでした。
レナが去った後に、レナパパから手を引こうと考えている話をし出すという、、完全なすれ違いでした…。
H173側の軽微な幻覚作用が存在したとしてその効果時間がどれほどなのかは明確ではありませんが、少なくともこの時点では回復し、これ以降は雛見沢症候群側の症状のみに移っていったのかなと思います。この辺りは今後解決しそうです。
確かに沙都子は危険な注射をレナに打ちました。
それはいけないことだと思います。
けれども、H173によって直接レナが狂ったわけではない。原因はあくまでも竜宮家の家庭環境にある。
そういえば気づいたのですが、なんかこの流れ、どこかで見たことがあると思ったんです。
「死んでしまえ!」と願えば、それが現実になってしまう。
「惨劇を起こせ。」と行動すれば、それが現実になってしまう。
前者は祟殺し編の圭一です。でもあれって結局、全てが偶然重なっていただけだったんですよね。。
2.罪滅し編との違い
①鉄平がリナと接触しておらず、リナ自身が手を引くと考えているから竜宮家の模様替えが起こらない。
②それに連なってレナパパがジャケット2着を購入してない。
③100万円ほどあったであろう一万円札の束が存在しない。
④レナが放課後にいなくても彼女を戦線離脱扱いとするだけで、麻雀等4人で遊べるゲームをしていたが、今回は部活そのものが中止に。(他のカケラの影響を受けている)
等々、他にもたくさんありそう。
レナは鷹野さんのスクラップ帳で疑心暗鬼を加速させていたが、鬼明し編では代わりに圭一の記憶の蓄積が加速させる原因になってしまった。
中途半端に繰り返すとこうなるということなのでしょうか。
リナは鬼騙し編(鬼明し編)での学びを得たため、猫騙し編 其の参の梨花改心後の世界ではレナのパパに手を出すことすら止めている可能性がある。
ちなみに、間宮リナという人物は旧作においては「どこかのチンピラと園崎家の上納金に手を出して殺される」か「レナパパに鉄平と手を出して殺される」かの2択だったのではと思われます。
それが鬼騙し編(鬼明し編)では鉄平が改心したことに加え、リナの心情の変化も感じ取れたので園崎家の上納金にも手を出さないようになり(このチンピラ共が鉄平経由で知り合った人なら尚更)、必然的にレナパパと出会うルートに集約したのかな?と思いました。
3.罪滅し編の学びがレナやみんなに無いことについて
沙都子は郷壊し編 其の六にて、エウアに圭一たちが他のカケラの記憶を思い出すことがあると質問します。
「私、たくさんのカケラを見ていて少し不思議に思うことがありましたの。」
このセリフの直後、罪滅し編のカケラが映し出されます。話の流れ的にも見ただけです。
そしてその答えをエウアさんから受けて、沙都子はこのように話しました。
「最近、どのカケラに行ってもおかしなことが続くのは、偶然ではなかったんですのね。」
このセリフから読み取れるように、沙都子の”繰り返し”当初はこのような事は発生していなかったとわかります。
梨花の100年を見たのにその影響は引き継いでおらず、最初からこのような事は起こらなかったということです。
記憶の累積は誰の記憶に起因するのかというと、今回の場合は沙都子だと思うのです。
梨花は梨花の100年で、様々な人の後悔や想いというものをカケラに保存していきました。
ですが、これはあくまでも梨花の体験であって、沙都子は最初にそれを読んだだけなんですよね。
また、ひぐらし業本編ではエウアさんがこのように説明しています。
「世界を繰り返すための引き金となるのは、其方自身の死。」
「記憶の蓄積は不可逆的だ。一度発生した影響は、何度カケラを繰り返しても、いや、繰り返すほどにより強固になっていくであろうな。」
ここを素直に受け取って繋げてみると、記憶の蓄積は沙都子がそのカケラの中に生きる沙都子の中に入って、その状態で死ななければ起こらない。と考えることができます。
カケラを読んだだけでは記憶の蓄積は起こらないことに理由をつけてみるのなら、他人の後悔は自分には響かないし、失って初めて気づくとよく言われるように、散々ああしなさいこうしなさいと言われても聞き流すばかりで、自分に罰が下って初めて「あの時どうして…」と悔やむ気がするからです。
受験勉強を頑張らなくて後悔する自分、親孝行せずに自堕落に生きて後悔する自分。
想像しただけでそれ以降ずっと、その信念を曲げずに生き続けられる人ってそうそういないと思うのです。
結局どこかでだらけて、まあ大丈夫でしょって継続することを放棄しがち。
だから"体験"しなければ気づかない。
それが人間の弱さだと思います。
後悔の想像と、カケラの創造。ん~…なんかもっと深堀りできそうです。
よって、沙都子は罪滅し編のカケラを読んだ(=見た)だけで、体験はしていないのではないか。という結論になります。
事実、レナは鬼明し編にて一度も圭一のような記憶のフラッシュバックを起こしませんでしたし、記憶が強固なものになっているのなら尚更、この殺人という努力が最善ではないことがわかると思います。
罪滅し編を体験しない理由しては、梨花の心を砕くための情報(惨劇のルール)を理解するだけなら、わざわざ実際にカケラの中に行って行動する必要がなく、途中でカケラから出られる「読む」という行為の方がよっぽど要領がいいからです。
郷壊し編 其の七では特に、ダビンチや診療所での決まった流れに退屈そうにしている様子であったり、鬼明し編でも見れたように梨花一直線で梨花の100年で語られてきたはずの部活メンバーからの「絆」や「学び」を全く感じさせない辺り、どうでもいいと思っていそうなんですよね…。
祟騙し編の嘔吐も演技っぽさが出ていましたし、綺麗ごとを長々と語るのは今の沙都子にとっては苦痛な気がします。
沙都子が惨劇の準備のために動いたのは「拳銃の入手」「H173の入手」「鷹野改心の確認」。これらは全て、梨花の100年では確認できない事柄のため、沙都子が実際にカケラに行って確認しなければなりません。
また、他にもトランプ指パッチンで綿流し編は繰り返していることがわかります。
皆殺し編も同様です。ほっといても沙都子→梨花の順番で殺してくれます。鷹野さんが。
目明し編は非常に悩ましいのですよね。他メンバー同様に、祭囃し編の記憶を薄っすらとでも持っているのなら、目明し編を繰り返さなくても悟史の生存を確認したことを感じられるのかなとか。悟史の生存さえわかれば発症しなかったとも思いますし。
でも、その後の祟騙し編で詩音が完全に「ねーねー」になっているのは目明し編を繰り返してこそで、綿騙し編では得られないものだと思いますし、レナに関しても「最善手じゃない」と言ったのが鬼騙し編(鬼明し編)の影響なのかと言われたら微妙ですし。
ん~他に可能性としてありそうなのは、鬼・綿・祟の間に沙都子は梨花に記憶を引き継がせない形でカケラを繰り返したとか、でしょうか。
例えば、鬼騙し編が終わった後に罪滅し編を繰り返せば、レナにはそのカケラでの後悔や学びが蓄積される。
もちろんその世界では沙都子→梨花の順番で死ぬ必要があります。
鷹野による終末作戦はもう起こらないので隙はいくらでもあります。
このように他のカケラを挟めると考えるのにはもちろん理由があって…
旧作の梨花は罪滅し編→皆殺し編→祭囃し編と通ってきた時に、唯一沙都子→梨花の順番で死んだ皆殺し編の記憶だけを失い、罪滅し編→祭囃し編の流れだと勘違いしていただけで、罪滅し編以前の記憶を失った訳じゃなかったから。
です。
一番大切な存在である沙都子を失ったという精神的ダメージによって、このように業/卒でも記憶を失うという仕組みなのではないか?という仮説に基づいています。
まだ時間はあるので、この辺りはゆっくり考えを深めていきたいと思います。
4.鬼明し編 其の参 展開予想
さて、せっかくなのでこちらも書いておきます。
ざっくりではありますが…
レナと圭一惨劇の直後に梨花だけが圭一宅内を確認して発狂し、家にある包丁で自殺しようとするも、この惨劇の記憶だけでも残しておけば運命を打ち破るヒントになるかもしれないと考え、なんとか自制する。
手にした包丁は鬼騙し編にて梨花沙都子宅に前原家の包丁が存在したことから、梨花が持ち帰ったと考える。
ただし、沙都子は絶対に起きているはずなので一階か外に隠す。
翌朝、沙都子に体調が悪いと訴え一人で行かせて、その間に自殺。
朝の始業前に沙都子は前原家の惨状を確認し、察してすぐに帰宅。二階に上がると既に梨花は死亡しており、自分も自殺。
魅音はレナ・圭一と毎朝登校しているため、2人が来ない時点で絶対に家に確認しに行くはず。だから沙都子が惨劇を確認するためには学校が始まるまでの時間でないと、警察などによって家の中には入ることができなくなり、PVで手に持っていた血の付いていない包丁が前原家の物であることが説明できなくなる。
しかし、鬼騙し編と鬼明し編でどうやら梨花と沙都子の事件現場の様子に違いが見られることから、沙都子の主観に歪みが生じているのか、カケラの外から改めてこのシーンを見ることによってフィルターがかかるのか…どちらかかなとは思いますがまだ断定はできないです。
ちなみに前原家の現場は、実際にはレナが圭一の頬に対して軽く傷をつけただけで二人とも出血はほとんどないと思われる。だから侵入しても足跡などが残りにくい。
レナの死因は、幻覚を見て錯乱した圭一が青い時計で頭部を激しく殴打したこと。
圭一は惨劇のショックで気絶。
と、一応こんな感じですがどうなることやら!
Twitterにつぶやいたことまとめ
「恨みっこなしの真剣勝負」とか、
— 月詠 (@higurashi_moon) July 2, 2021
"かけっこ勝負"で同時スタートする所とか、2人をとにかく対等な状態で向き合わせたい感じがある。#ひぐらし卒
「勝負はかけっこではなく、宝探しなのなのです。ボクにも勝ち目はあるのですよ。」
— 月詠 (@higurashi_moon) July 2, 2021
これ、沙都子の心を探せ。だとか、沙都子という唯一無二で一番大切な存在に改めて気づくことが梨花の勝利って受け取ったよ#ひぐらし卒
はぁ、もしかしなくても9月9日に卒の最終編其の壱を迎えるっぱくて、そこからは完全に本来の古手梨花に統合されてからの物語と考えてるから、9月10日の漫画版更新日ってどのタイミング?と考えた時に、ちょうど猫騙し編の最終話っぽくて、2人がここで出会うって筋書だな…?#ひぐらし業 #ひぐらし卒 pic.twitter.com/MiRrvmujjm
— 月詠 (@higurashi_moon) July 3, 2021
というところで、鬼明し編 其の壱・其の弐の考察は一旦この辺りで…
次回放送までには漫画版猫騙し編についてちょっとしたメモ書きを出せたらと思いますが、、間に合うかな…😷w
閲覧ありがとうございました!
卒は引き続き毎話更新したいと思いますので、私の行く末をお楽しみください…😇
『ひぐらしのなく頃に業/卒』卒へ向けての解答総括と一問一答
はじめに
この記事はこれまでの総括と、他記事に書ききれなかった事を一問一答で書いていきます。
内容はすべて私の記事の内容に基づくものになっていますので、ご注意ください。
①ハッピーエンドへの土台と鬼狩柳桜について
②奇跡と絶対が織り成す"夢"の世界
③羽入の動機について
④アレルギー反応と雛見沢症候群・H173の関係
性
ひぐらしに挑みたい自分用のメモみたいなところもあるので
時系列とか気にせずカジュアルに作っていきました。
総括
古手梨花は実際には昭和58年を超えられておらず、祭囃し編以降は全て夢(≒天国)の世界。
夢の主である梨花が望めばそれは「奇跡」となって描かれる。
古手梨花とは違って、カケラ世界で独り取り残されたフレデリカ・ベルンカステルは自身も幸せになりたいと望む。
祭囃し編のカケラを壊し、雛見沢という小さな世界から外へ抜け出す為の都合のいい奇跡を再度作り出していく。
精神をすり減らした古手梨花と主人格を交代し、自身の夢を優先するあまり沙都子の想いを汲み取れず不幸にしてしまう。
■古手梨花
元々は普通の人間だったが、昭和58年6月という鳥籠に捕らえられることによって解離性健忘を繰り返し、徐々に精神をすり減らした。やがて慈愛の心を失ったフレデリカ人格が生まれ、祭囃し編のカケラを壊し舞台に上がって沙都子を不幸にしてしまったが、彼女(猫)は沙都子&エウアの繰り返しによって9回殺され、本来の古手梨花を取り戻した。
■羽入
梨花が祭具殿にて初めてオヤシロさまのせいにしたことによって生まれた、古手梨花のイマジナリーフレンド。
梨花と羽入、2人で原始のオヤシロさま教義を表現している。
伝承で言うと1000年前に鬼狩柳桜で古手桜花に切られた後の姿。故に鬼神として不完全実際に1000年前に存在していたのではなく、あくまでも古手家の禁書を読んだ梨花によってそのままの設定が反映されているだけ。
梨花がもう繰り返すことの無い、唯一の世界に生きるという人間らしい人生を歩めるようにと、自らの意思で梨花の元から去った。それが猫騙し編 其の壱。
■沙都子
梨花と同じく元々は普通の人間だったが、フレデリカ人格によって壊されたカケラの中の世界で、梨花と理想の日々を送ることができなかった。しかし、あくまでも自身の選択を悔いる強さを見せ、「やり直させて…!」と願った。
沙都子と羽入の自身の選択による後悔と「やり直したい」という願いが共鳴し、カケラ世界にてエウアと出会う。
しかし、繰り返す者として世界を巡る度に精神をすり減らし、ついには梨花に罪を求めてしまい、幸せすらも疑ってしまった。
■エウア
完全な鬼神
古手家の禁書の内容に則り、鬼狩柳桜(慈愛の心)の封印が解けた影響で、大人しかった鬼神(羽入)の角の傷が治り、その力を取り戻した。
つまりは完全な角を持つ完全な鬼神として復活を果たした。「其方が触れて初めてこのカケラに降り立てた」と話すのは、1000年前に本当にエウア(古手桜花が倒したとされる完全な鬼神の実体)が存在したわけではないから。
彼女は鬼狩柳桜(慈愛の心)を失った古手梨花のフレデリカ人格に対応していた。
『古手桜花の心を探れ』の記事では、エウアを現代のオヤシロさまとだけ記したが、
オヤシロさま本体はあくまでも梨花であって、実際は羽入ではないしエウアでもない。
しかし、鬼狩柳桜を受け入れた羽入も、その羽入を内包するエウアも現代のオヤシロさまの側面を持っていると言える。(鬼狩柳桜を心に禁じてる状態であるということ)
両者とも、鬼神とオヤシロさまとの二面性を持ち合わせた神様。
■鬼〜猫の惨劇の違い
全ての惨劇は自然発症だが、祟騙し編(大石)以降は全て祟り神であるエウアによって引き起こされている。
H173は郷壊し編 其の七の予防薬投与タイミングのシーンにて、鷹野がH173を取りに行こうとして思いとどめたことから2回打たなければ発症しない事が証明されている。
また、雛見沢症候群がアレルギー反応に似ていること、鷹野さんのスクラップ帳にアレルギー反応についての記述が詳細に記載されていることから、ここから着想を得たのがH173と考えられ、実際に薬物アレルギー(偽アレルギー)反応というものが存在する所からもH173投与1回目で対象者に薬の抗体を作らせ、2回目にしてアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすという仕組みになっていると読み取れる。
よって、本来の雛見沢症候群の発症レベルとは無関係に、H173を2回投与することで対象者を擬似L5に至らせることができる。
逆に言えば、アンプル1本では擬似L5発症は絶対に起こらないということになる。
フレデリカが沙都子に対する愛を思い出すまでエウアは祟り続ける。
エウアもフレデリカも関与しなければ、 以降は惨劇の起きない完全な世界。
閉ざされた世界に興味のないフレデリカには終わった世界なんてどうでもいい。
鬼騙し編も綿騙し編も死亡原因は自殺。
■鬼狩柳桜の使い方
とにかく沙都子を慈しみ、愛すること。
身体を傷つけるための剣ではない。殺すのは心の鬼。イメージはプリキュアの浄化技。
梨花が与える愛によって沙都子の心の鬼を治めることで、エウアはシュークリームをお供え物として欠かさないようにと言い残してカケラ世界より旅立つ。
繰り返す者を"殺す"ことができる剣。
■卒のラストシーン
梨花と沙都子は"一緒にいてもいい証"としての誓いのキスをして終了。
収録終わったキャスト陣軒並み信じてくれないEND☺️
他に考えられるのは、昔、祭具殿の禁を犯した罪を沙都子が梨花に打ち明けること。
沙都子の「原罪」を梨花が赦す形。そしてそれは同時に羽入も赦されることに繋がる。オヤシロさまのせいではなかったから。
ひぐらしのなく頃に業/卒 ひたすら一問一答
→現実世界において、記憶を留めようとする=死を受けいれる という意味になるから。
沙都子を失うという精神的ダメージ、受け入れたくないという心から記憶を吹き飛ばす。
→梨花は奇跡を起こす力。銃弾を取り除く等、物理法則(世界のルール)を乗り越えることができる。沙都子は絶対の力。物理法則は無視できないが、結果を意図的に書き換えられる。平成ひぐらしのカケラの世界が元々梨花によって構築されたものだからこのような差ができている気がする。
梨花は物語を0から構築しルールを作っていったが、そこに入り込んでいるだけの沙都子にはそこを覆すことはできない。しかし、自身の意思のある言動によって結果は変えることができる。
■「猫騙し編 其の弐・其の参」大石〜沙都子の動機の共通点
→梨花から原始のオヤシロさま(羽入&フレデリカ人格)を追い出す。この2つはエウアの目的でもあるので、祟騙し編でのエウアの干渉とも繋がる。
■「綿騙し編 其の参」鷹野さんの仮説について
→鷹野さんはゲーム版をプレイしてみても不出のはずである古手家の禁書のことを知っているようなので、仮説が云々はそのまま鬼狩柳桜のことを指していると思われる。千年の歴史の中で誰もその存在を確認したことがない。という記述に関して御神体の中を見て現実になったということ。
■「祟騙し編 其の伍」いつも圭一は数日後には起き上がっていたのに秋まで起きないのは不自然
→有り得ない事、非現実であることの示唆。カレンダーは出ていないが紅葉の状態からハロウィンだと思われる。(すべての亡くなった者たちが、この日によみがえると信じられてきた日)
→マンガ版でカレンダーが9月と表示された。ハロウィンだったら面白かったかもと思ったけれど、ただ単に頭の記述通りでしかなかった。
■女王感染者について
→梨花も沙都子もそれぞれ女王感染者(≒巫女)であり、「猫騙し編 其の参」の綿流し以降は特に、梨花は現代のオヤシロさま、沙都子は原始のオヤシロさまと明確に分かれてしまっている。治める梨花と惑わす沙都子。鬼~祟騙しではそういった真逆の動きをしていると思われる。
「猫騙し編 其の四」以降、梨花は現代のオヤシロさまとして沙都子に慈愛の心で接し続けていくが、沙都子はその言動に疑心を抱いてしまう。
■21話のOPで熊のぬいぐるみがびっくり箱に変化したのは?
→カケラの中の物語が猫箱に閉じ込められてしまっている状態に変化した。という暗示。真実が2つ存在しており、エウアの右手と左手によって箱の中の猫が「生きているか(フレデリカ)」「死んでいるか(古手梨花)」が確定される。
■エウアもイマジナリーフレンド
→彼女も羽入とほぼ同一の存在というのは今までの記事で示してきた。
何故肯定的な性格をしているのかという謎は、以下の記事から読み取れる通り。
羽入も元々は肯定的な性格だったが、繰り返すたびに否定的になっていった…はず。
解離性同一性障害が、本人の意識をのっとる別人格なのに対し、イマジナリーフレンドは、本人と会話し、コミュニケーションできる別人格であり、DIDに比べて「補い手」「理解者」「助け手」といったポジティブな役割を果たすことが多いようです。
だからエヴァに近しい名前を持ち、母のような年齢感の姿をしていると考えられる。
■エウアが人を発症させられる理屈は?
→賽殺し編での羽入の能力「巫女の精神を安定させる力」の反対バージョン且つ上位互換というイメージが現時点での仮説。まだ考えたいところ。
■PV第2弾「また会えますわよ…梨花。」について
→マンガ版鬼隠し編・アニメ版厄醒し編のワンシーンとゲーム版のシーンと重なる。
■エウアの「かんしょう」について
→"鑑賞"の意味のほかにも意味を持たせて使っていそう。
候補としては「鑑賞、干渉、完勝」この辺りが可能性としては高そうである。
■卒のタイトルロゴの色について
→雛見沢症候群の記事で示した通り、赤青緑の三原色(三大神経伝達物質)が全て含まれており、調和がとれた状態。
■鬼狩柳桜の”柳”について
→意味を調べてみるとすごーくそれっぽいです。桜花さま…泣かないで…。
■何故梨花だけ中学生以降6月でも長袖を着用しているのか
→本性・本音を隠している事の暗示。
■鬼狩柳桜は何故カケラになってしまったのか
→沙都子の慈愛の心が失われかけているから。精神の限界を迎えようとしている暗示。
『私だって幸せになる権利がある。』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる 「フレデリカの夢」
- はじめに
- 1.「私」と 「あなた」
- 2.Frederica Bernkastel(フレデリカ・ベルンカステル)
- 3.ひぐらしのなく頃に 第9話 「郷壊し編」
- 4.私だって幸せになる権利がある。
- 5.好奇心は猫を殺す
- 6.梨花とフレデリカの夢
- 7.壊れたカケラ
- 8.カケラ世界は宇宙構造モチーフ
- 9.梨花とフレデリカを時系列順に整理
- 10.?????
はじめに
閲覧ありがとうございます!
月詠 (@higurashi_moon) | Twitter と申します。
本記事も変わらず、私が書いてきた記事の内容をベースに考えたものです。
『夢は現に。』の内容をかなりブラッシュアップできたかなと思います。
以下は順番にお読みいただくのを一応おすすめしています。
ですが、気になったところからでも大丈夫です。たぶん。🙏笑
ちなみに祟騙し編の記事は、もはや恥ずかしいくらいにデタラメなのでたぶん読まなくて大丈夫です。解離性同一性障害の件はここからではありますが…。
さて、今回は「ひぐらしのなく頃に業 郷壊し編」が
正真正銘のひぐらしのなく頃に 第9話なのではないか。
というお話をしていきます。
最初は5000字くらいで終わるかと思っていたのに、考えていくうちに1つ、また1つと気づいていってしまっていつもの文量に化けました…すみません…
卒が全15話とのことで、ある程度煙に巻かれたりするだろうと覚悟してはいます。
それでも私の中ではこれで挑戦するんだという気持ちなので、最後までお楽しみいただけたら幸いです。
※ちなみに賽殺し編は第9話ではございません。
[353] 何とか筆の置き所が見えてきました。 投稿者:竜騎士07 投稿日:2006/11/13(Mon) 06:56
(中略)
新規シナリオ2本は、どちらも短編の読みきりシナリオです。ですので、第9話という位置づけではありません。
オフィシャルによるアンソロジーみたいな感覚で読んでいただければ幸いです。「賽殺し編」は、「祭囃し編」後の昭和58年夏の話です。第9話としてくれぐれも読まないように気をつけてください。あくまでも時間軸が「祭囃し編」の直後、というだけですので念のため…。
今回のキーワードは「猫かぶり」です。
猫かぶり
本性を表に出さないようにしておとなしく殊勝なふうを装うさま、猫を被るさま、などの意味の表現。
1.「私」と 「あなた」
Frederica Bernkastel の詩は、それぞれ複数の人物を当てはめて読むことができます。
例えば鬼隠し編の詩は
あなた = 梨花
私 = 羽入
も成り立ちますし
あなた = 沙都子
私 = 梨花
も成り立ちます。
祭囃し編の詩は
わたし = 羽入
私 = フレデリカ
などなど。
それを念頭に「ひぐらしのなく頃に 業/卒」の世界へ移ります。
雛見沢症候群の記事で示した通り、既に神の干渉が始まっていると考える大石による惨劇。
放送当時に賑わったこちらのセリフのイントネーションの違いにも意味を持たせられそうなので、真剣に考えてみることにしました。
一般に公開されているインタビューや、ひぐらしのなく頃に業のBlu-ray各巻に収録されているインタビューも拝見しましたが、本当に皆様熱量を持って制作に取り組んでくださっているということが伝わってきます。
4巻の美術チームのお話は大変興味深かったです。
そんな妥協無しの作品作りを信頼するのならば、キャラクター名のイントネーションの違いでさえも「意味のあるもの」「意図した演出」と捉えてみることは必要なのではないかと、改めて思ったのです。
本記事は、もしかしたら一部お説教っぽい内容が含まれているかもしれません。
けれど、きっととても大切なことを伝えるものだと思います。
「ひぐらしのなく頃に業/卒」の世界にもう一歩、踏み込んでみたいと思います。
2.Frederica Bernkastel(フレデリカ・ベルンカステル)
アニメのみご覧になっている方には、平成ひぐらし礼に一瞬しか出てこなかった気がするので馴染みがないかもしれません。
ゲーム版を遊ばれている方にとっては、各編の詩や「皆殺し編」の冒頭に登場するなど印象的な存在ですよね。
彼女については色々な考えが飛び交っていたりで掴み所のない存在かと思いますが、おおよそ古手梨花のループの影響で生まれた、自我を持ち、思考を持ち、自らの姿を持つ、本来の古手梨花とは別の存在。というのは共通の認識かなと思います。
私は私よ。フレデリカ・ベルンカステル。
古手梨花とフレデリカは全然別よ、そう信じてた人はご愁傷様ね。
年齢は、もう数えるのをやめちゃったわ。面倒くさいし。
え?オヤシロさまの正体は私だろうって?
くすくす、馬鹿、失礼ね。
オヤシロさまはオヤシロさまよ。この子にも挨拶させる?人見知りするのよこの子。
怖がりなんだから、あまり脅かさないであげてね?
…まぁもっとも、あなたの方が怖がり屋さんみたいだけどね。
くすくすくすくす…。
ビジュアルファンブックより
フレデリカとは別に、黒梨花と呼ばれている"梨花のもう一つの顔"とも言える存在がいます。
そしてもう一人いますね、小学生らしい振る舞いをするのが元々主人格だった古手梨花です。「にぱ~☆」の方です。
加えて、両者は梨花が意図して使い分けている人格であり、フレデリカとはまた仕組みが違うのです。
小学生の古手梨花が元々の主人格だとして、ループを重ねるたびに黒梨花人格が形成され、更にループをすると黒梨花人格がそこから更に解離を起こすようになり、やがて完全に別人格としてのフレデリカが形成されていく。
といった流れです。
フレデリカのような完全な別人格というのは、記憶を他の人格と共有していない事が多く、共有するためには頭の中で会議のようなものをする必要があるのだとか。(祭囃し編の羽入と梨花みたいですね。こっちはイマジナリーフレンドだと思ってるので実際はちょっと違いますが…。)
また、主人格とは別の名前を持っている場合が多く、互いをたとえ認識していたとしても、それぞれ別の人間だと思っており、こんな事があったんだと話されても、体は同じなのに自分の事だとは思えないようです。
よって、記憶の共有は以下のようになっていると考えられます。
フレデリカ → 記憶は独立(カケラの閲覧はできるのでほぼ全ての出来事を記憶)
2人の梨花とフレデリカの間で記憶の共有がされていない理由としては、羽入もフレデリカもカケラを紡いで理想の世界を作ったり、よその世界の人物に話しかけたりしていますが、カケラの中に生きている梨花はそれを知らないからです。
ちなみに、「フレデリカ」は「フルデリカ」から「ノ」を取った名前になっているというお話がありますが…
私の解釈だと、この「ノ」とは鬼狩柳桜ということになります。
慈愛の心を失ったのがフレデリカということです。描写もそのままですね。
3.ひぐらしのなく頃に 第9話 「郷壊し編」
「ひぐらしのなく頃に」の世界では、カケラを紡いだり積み木遊びしたりと
カケラで遊べる人物が2人います。
それが「羽入」と「フレデリカ」なのですが、今回は「フレデリカ」に焦点を当て続けていきます。
以下は祭囃し編にて、エンドロールが流れる直前の描写。
背景は灰色に変わり白文字で紡がれていきます。
以下は灰色のモノローグ全文です。
全てのカケラが紡がれ、完成された世界。
これ以上ない、理想の世界。
まだこれ以上、何を、あなたは望む?
古手羽入はまだ望む。
だって、もっともっと、私たちは幸せになれるから。
望んだ数だけ、幸せになれるから。
それは遠い未来のことじゃない。
ちょっとすぐ先の未来。
…ならそれは、いつ?
だから割と、すぐだってば。
私たちは、幸せになれるよ。
…ほら、
ここで画面がちらつき、暗転。
………不穏すぎません?
明るい未来を予感させるのであれば、この後は暗転ではなく明転になると思うのです。
灰色という背景色も、羽入とフレデリカの求める幸せな未来の結果がそれぞれ白と黒とで分かれており、入り混じって不安定な状態を表現していると読み取れます。
そしてそれは、黒に傾く。
ちなみに原作でも同じ表現です。
灰色のモノローグから、暗転。
しかもこちらのモノローグ、フレデリカの語りになっているのです。
言葉遣いが少々荒々しいのがポイントです。
さて、それでは羽入とフレデリカ、この結末に満足していないのはどちらでしょうか…?
比較してみましょう。私たちの知る「祭囃し編」と「郷壊し編」を。
①祭囃し編
②郷壊し編
…改めて文章を起こして比べます。それぞれ会話の順番通りに並べますね。
①祭囃し編
梨花「…あれだけ苦労した旅だったのです。…その程度の奇跡じゃ、ちょっと足りない気もしますですよ。にぱ〜☆」
羽入「あ、…あぅあぅあぅ…。…充分ですよ…。こんな奇跡、僕の身には…充分すぎて…」
②郷壊し編
羽入「こんな奇跡、僕の身には…充分過ぎて…」
梨花「あれだけ苦労した旅だったのです。まだ足りない気もしますですよ。」
満足度が違うどころか「にぱ〜☆」も無し。
奇跡だという発言も無し。さも当たり前かのような振る舞い。
そして話す順番から考えても、羽入の発言を否定しているような印象を受けます。
この舞台を降りる覚悟を決めていた羽入を引き止める描写もありません。一緒にいてもいい証(銃弾)も描写されません。
ここが1つの大きな分岐点となり、羽入が眠りについた理由となります。
(自分の今までの解釈をちょっとだけ殴っておきます笑)
そしてその代わり…
まるで沙都子の言葉を否定するかのように、口を閉じる梨花。
(※なんと、口を閉じる描写はBDで無かった事にされました!w 表情はそのままに口は開いたままOPへ…)
沙都子は、繰り返す者である梨花と最も親しい者であったために、何となく梨花がどこかへ行ってしまうような気がしたのではないでしょうか。
祭囃し編に入り、舞台に上がった羽入と、舞台に上がれないフレデリカ。
カケラ世界に取り残され、”古手梨花”を俯瞰する。
羽入は舞台へ上がってしまったから、カケラ世界に住まうフレデリカの意思や行動を察知できなかったのではと考えます。
フレデリカであろうこの「私」は、他の世界に干渉することができています。
そして以下のように、カケラにもひびが入ったり、割れたり欠けたりすると自ら説明しています。
このように彼女は、壊れたカケラを繋ぎ合わせ、まったく別の運命を作り出しています。
欠けたカケラはもはや別の運命。
ということは、
カケラを直せるなら、壊すことだってできますよね?
壊してバラバラにしてから都合のいいものだけを繋ぎ合わせ、自分の「夢」が叶うようにと、祭囃し編とは似て非なる”都合のいい奇跡”を作り出すことだってできますよね…?
4.私だって幸せになる権利がある。
梨花のループの副産物として生まれた彼女は、カケラの中の”古手梨花”とは違い、幸せにはなれていません。
幸せな様子を眺めているだけです。
フレデリカは古手梨花ではない。けれども、古手梨花から生まれた存在。
じゃあ、私にだって彼女と同じように幸せになる権利があるじゃないか。
それを私が望んではいけないなんて、誰が決めたというのか。
"古手梨花"の幸せを見届けて、それで私も幸せになったとでも?
それで私が妥協できるとでも?
私だって、幸せになりたい。
私だって、夢を叶えたい。
5.好奇心は猫を殺す
イギリスのことわざ(en:Curiosity killed the cat)の訳。英語に「Cat has nine lives.」(猫に九生あり・猫は9つの命を持っている/猫は容易には死なない)ということわざがあり、そんな猫ですら、持ち前の好奇心が原因で命を落とす事がある、という意味。転じて、『過剰な好奇心は身を滅ぼす』と他人を戒めるために使われることもある。「好奇心は猫も殺す」などとも訳される。
「好奇心は猫を殺す」よく聞くことわざですよね。
そして赤字にした通り、猫は9つの命を持っているという意味も、ちゃんと「ひぐらしのなく頃に 業」で表現されているのです。
では、数えてみましょう。
①郷壊し編(沙都子と心中)
②鬼騙し編
③綿騙し編
④祟騙し編
⑤猫騙し編(赤坂)
⑥猫騙し編(茜)
⑦猫騙し編(公由)
⑧猫騙し編(圭一)
⑨猫騙し編(沙都子)
きっちり9回殺されて、その9回目で沙都子によって梨花は罪に気づかされ、改心します。
つまり、猫であるフレデリカは9回目で死に、本来の梨花が戻ってきたということなのです。
幸せは求めるものではなく、気づくもの。
そして…
罪は人に求めるものではない、自分で気づくこと。
羽入はこれらを伝えたかったのだと思います。
TIPS鬼狩柳桜からも読み取れる、オヤシロさまの教えと
繰り返される世界の中で、圭一達が気づいた大切なこと。
これらに類似性を感じずにはいられません。
6.梨花とフレデリカの夢
フレデリカが死んだ後に見たモノクロの映像、これが本来の古手梨花が過ごした時間の記憶と、抱いていた夢の記憶です。
業の時系列的にも、沙都子の手によってフレデリカが死に、主人格の「古手梨花」に統合されたのだと考えられます。
シャンデリア心中に至った世界では、羽入の残り香の力によって記憶は保持されています。
しかし、古手梨花とフレデリカはそれぞれ独立した記憶を保持しているはずです。
なのに、沙都子と本屋に行き、聖ルチーアへの夢を語るシーンだけが重複して記憶されているのです。
つまり…
聖ルチーア学園への夢というのは、古手梨花も抱いていた。ということです。
しかし、それをどう沙都子に伝えるか、沙都子に対してどのような姿勢を示すか。
聖ルチーア学園に行きたいという彼女の夢に、2人でもう一度向き合わなくてはならないはずです。
2人には、本当の幸せを見つけてほしい。
7.壊れたカケラ
沙都子が梨花の100年のカケラの鑑賞をしているシーン、ここから"都合のいい奇跡"のために歪められた部分を垣間見ることができます。
そもそもの前提として注意していただきたいのが、カケラ紡ぎによって祭囃し編を始めるためには「鬼隠し・罪滅し・綿流し・目明し・祟殺し・皆殺し・暇潰し」これら全てのカケラが揃っていなければなりません。
そのため、郷壊し編で詩音が同窓会まで一度も出てこなかったのは「ねーねー化」していなかったからというのは絶対に有り得ません。
綿・目のカケラがなければ仮に皆殺し編のような世界に入っても、沙都子を救うために詩音は現れませんし、山狗と対峙しても鷹野が銃を撃つまでもなくあっさり負けます。
沙都子のトラップも詩音のスタンガンもありませんから。
故に悟史が存在しない世界でもありません。
フレデリカはカケラ遊びによっていくらでも人の言動を歪ませることができます。
梨花の100年の記憶の閲覧、ピックアップされた内容を改めて見ると、みんなが教えてくれてた大切な事がたくさんあるのにも関わらず、梨花の心を折るための情報しか重要視していないことがよく分かりますね。。
誰が惨劇を起こすのか、誰が古手梨花を殺すのか、東京とは何なのか等々。
あまりにも真っ直ぐです。
■鬼隠し編のカケラ 1 (圭一・レナ)
圭一が悟史の話をしない。
レナも同様。
他はゲーム版と同じですね。
(※鬼騙し編でも触れられず”転校”の話が無かったのは、圭一の発症が梨花によって抑えられバッドを手に取る機会が無かったから。猫騙し編其の四の地下研究所の様子や詩音のねーねー化により、悟史周りは変わらず。
よって、綿騙し編の魅音のセリフ「地下祭具殿が使われたことは一度もない。」は圭一を怖がらせたくなくてついた嘘。)
■鬼隠し編のカケラ 2 (圭一・大石)
こちらはゲーム版と全く同じセリフ、進行です。
梨花の100年のカケラの中に、こうやって変化の無いものと有るものが分かれていますよ。というのを示したかったのでしょうか。
■祟殺し編のカケラ
圭一が沙都子を見つけていないのかと思いましたが、そもそも沙都子に突き落とされて無いと時間経過が発生しないため、これはたまたま学校に行かなかっただけ。
と思ったら、圭一が無傷っぽいんですよね。これってしっかり矛盾してますよね。
なお、この部分は梨花にとっては死亡後の世界のため古手梨花自身の記憶内容とは直接関係がない。
あ、もしかして、関係がないからめちゃくちゃでいいってことを表したかった???
そう言えば、祟殺し編のお祭り後の内容を別の世界で思い出したことって無かったような気がします。
鉄平を殺すことがなければそもそも発生しないイベントですし。
…もう少し考えてみました。
場面移って、「郷壊し編 其の六」の罪滅し編のカケラを見ると、こちらも何故か元々は学校の校舎内でのイベントのはずなのに、校庭で起きているんですよね。
同じセリフ同じ挙動なので、記憶の蓄積が進んでいるとも思えないシーンです。
これとルチーア1回目のルートを照らし合わせると、部活メンバーの雛見沢分校への興味が薄れていたことの示唆と言えるのではないかと思いました。
学校から心が離れている。と言えばいいのですかね。
■皆殺し編のカケラ 1 (鷹野・山狗・富竹)
富竹のセリフから考えて、「東京」にいる人間が昭和58年6月の監査で雛見沢症候群の研究中止を命じていないのかと考えてしまったのですが、冷静に考えてみればそういう話ではなさそう。
そもそも小泉先生の死がきっかけでその後の風向きが変わり、東京の人に自身とおじいちゃんの研究を踏みにじられ、「雛見沢症候群の撲滅まで頑張ってもらうが、その後論文を世に公表することはない。」と東京に言われる。そういった経緯があって初めて野村の話を受け入れるはずなので、ここが変わってしまってはダメだと思うのです。
ということは、鷹野の心が少しマイルドになっていて、富竹に対する当たりが弱くなっているということ…?
そういえばフレデリカさん、上の方にも貼りましたけど、鷹野が富竹にゾッコンなカケラに興味があるとか言ってましたね…。まあ、今のところゾッコンってほどでもない気がするのでこのカケラもこれ以上大きな意味は無さそうに思えます。
鷹野失踪、富竹死亡について。
あまり変化のないシーンに思えるのですが、「東京の皆さんも調べられています。」が無い。
とはいえ、その後H173の話の流れで東京の名前を出しているので、やはりこれも大した意味はなさそうではあります。
H173の存在を気にしていたのでしょうか?
梨花と羽入が夜中に会話するシーン。
ここはもう明らかですね。
本来の祭囃し編では同じ部屋で沙都子が寝ているはずなのに、いない。
窓側に梨花と羽入の布団が描かれていれば沙都子いるかも?と思えるのですが、それもないですね。
沙都子という存在の大きささえも、捻じ曲げられてしまっているかのようです。
この二編は鷹野の計画を滅茶苦茶にしてしまうトンデモなカケラですが、この経験がなければそもそも祭囃し編は生まれないので、存在しないということはありません。
詩音が悟史くんのセリフを大切にしているのは、あの惨劇を経ての気づきなので、それが無くなったらダメ。
しかし、郷壊し編については少し違います。
郷壊し編 其の壱から始まるルチーア1回目の世界では、ルチーア絡みなのに詩音が割り込んでこない事と、魅音にいたっては昭和59年の綿流し祭にさえ帰ってこないという疎遠ぶり。
この一連の流れに綿流し・目明しのカケラが無いのは、この"都合のいい奇跡"のために、一時存在を消された事の示唆なのだと思います。
6/22追記
「綿騙し編」にて圭一が人形を渡す相手を迷っているという事実と、詩音が「ねーねー化」しているという点から考えて
沙都子は「目明し編」のカケラは体験したけれど、「綿流し編」のカケラは読むだけで体験はしていないのではないかという結論になりました。
沙都子が綿流し編のカケラを体験しない理由としては、綿目のカケラは共通して詩音が発症して暴走するカケラなので、その仕組みを解明するにあたって綿流し編を理解する必要がないからなのかなと。
8.カケラ世界は宇宙構造モチーフ
突然規模が大きくなりますが、絶対的にイメージがしやすくなると思いますので
先に軽く宇宙のお話をしていきたいと思います。
以前の記事で多重夢構造になっているというお話はしましたが、今回のはそれをより分かりやすく、そしてブラッシュアップしたものです。
ひぐらしのなく頃に業の世界において、世界は全部で4層あると考えています。
それが以下の画像の通りです。
(ユニバースサンドボックス楽しい!頭の中だけでカケラ世界動かすのは気が狂いそうだったので助けてもらいました笑笑)
それぞれ左上から順に…
【宇宙】
①沙都子のカケラ世界で眠って見ている夢の世界(銀河から離れて何もない空間)
②沙都子のカケラ世界(銀河系の側面から入り、各惑星系[太陽系等]を見ているイメージ)
③梨花のカケラ世界(惑星1つ1つを見ているイメージ)
④○○○編(惑星に降り立つ)
【ひぐらしのなく頃に業】
①シャンデリア心中〜用水路
②100年視聴後〜各騙し編
③羽入「ここは数多ある世界を繋ぐ、カケラの1つです」
④ひぐらしの各編舞台上
完全に宇宙モチーフで考えるのならば、カケラの動き方等にも理由づけができます。
例えば、梨花のカケラ世界に浮かぶカケラたちは、それこそ上の画像で言う太陽の周りを「一定方向に」公転し続けるように動かされている惑星そのもののようで、イメージと一致します。
沙都子のカケラ世界に浮かぶカケラたちも、1つ1つが惑星系のイメージなんですが、結局それらも、銀河の中心にある超重力のブラックホールの回転がそれらを公転させているので、こちらもイメージと一致します。
また、各々のカケラ世界の光の帯は、ちょうど上に貼った宇宙の画像の右上ですね、こちらと結構似ている事がわかるかなと思います。
これは書いた通り、銀河系を横から見た図です。
沙都子が梨花より外側に位置するというのは、色勾配で補足できなくもない感じです。
なんでそんな曖昧な表現をするかというと、黄色の星はあるのですが、紫色の星というのはまずないのです。
外側に行くほど青くなるけれど、緑や紫は色温度を紐づけられないのです。
黒体放射だの、スペクトル分類だの、そこら辺が絡んでくるので詳細は割愛させていただきますが…。興味があれば見てみてください。宇宙は良いぞ。
さて。このように考えていくと、卒のPVで一瞬映ったこの映像も説明ができます。
他にイメージしやすそうな話をするならば、今これを見ているあなたが住む世界が、もしかしたらどこか別次元に住む自分が描いた世界の一つでしかなくて…というのはどうでしょうか。
というわけで、沙都子はカケラの中に映る梨花が"ランダムに"選択したカケラの中身を見て、それからそこに飛び込んでいることになります。
全てのカケラの中の梨花は、羽入の残り香の力によってシャンデリア心中の世界の記憶を引き継いでおり、そして必ず最初にカケラ世界にて起き上がります。
そして「鬼騙し編 其の弐」のように、羽入の残り香と全く同じ会話を交わします。
カケラに入った沙都子が梨花の後に死ぬことで、次のカケラに沙都子が入った時その世界の梨花の記憶がアップデートされます。
沙都子は何編に入るかを間接的ではあるものの自ら選べるので、鬼騙し→綿騙し→祟騙しと順番に渡ることが可能になります。
小学校の制服でカケラ世界に降り立っている古手梨花が映りますが、彼女が最後に主人格でいられたのは小学生時代までであると考えられます。
そのため、その人格がどこで"死んだか"によってカケラ世界で服装が分岐していると考えます。最後の記憶がどこで途切れているのか。ということです。
一応、これと関連性があるシーンが沙都子側にもあります。それがこちらです。
カケラは各編の舞台上で繰り返す者が死んだときに生成され、その死んだ時の服装がカケラ世界に引き継がれるはずでした。
にも関わらず、このシーンはカケラが生まれたのに沙都子の服が変化していません。
ということは、この時点での沙都子は完全に本来の沙都子と赤目沙都子で人格が分かれてしまっており、白沙都子が舞台に降りている間赤目沙都子はずっとカケラ世界にいたということになります。
別人格の舞台上での死亡時の服装は、カケラ世界で目を覚ましている人格には引き継がれないのです。
9.梨花とフレデリカを時系列順に整理
上記諸々を踏まえた上で、郷壊し編から猫騙し編までの流れを書いていきます。
キャラの心情についてはもっと上手く表現できたら良いのですが、なにせ物書きでもなければ語彙力も乏しいので雰囲気で感じ取ってもらえたら…←
①ルチーア1回目 昭和58年(小学校6年生)
幸せを求めたフレデリカが、祭囃し編のカケラを壊して黒梨花に芽生えていた外への憧れが叶う"都合のいい奇跡"を作り出す。
そうして「郷壊し編」が誕生。古手梨花が持っていた奇跡の力がルチーアへの道を勝手に開いていく。
(例:沙都子の症候群完治・ルチーアなのに詩音が止めに来ない・悟史の件は誰も言及しない・村八分問題も楽々クリア)
けれども沙都子の行動が予想外だった。100年のループを経て一緒にいるのが当たり前になってしまったこと、複数世界に生きてしまったがために沙都子は"こういう人間だ"という
昭和63年(高校2年生)
同窓会。沙都子は雛見沢に留まり、異変を察知した羽入がおかしくなった世界と梨花・沙都子を見て、自身の「梨花ともっと一緒にいたい」という夢が2人を不幸にしたんだと悔やみ、自身の存在を古手家の禁書の内容に沿って沙都子に討たせるため、再び舞台上へ。
やがて祭具殿の前にやってくる沙都子。「自分のせいだ。」「やり直したい。」という2人の夢が共鳴し、沙都子のカケラ世界にエウアが登場。(※羽入+鬼狩柳桜=エウア)
梨花の沙都子への想いがゼロになったという事ではなく、心の底では常にその存在を求めていると思われるため、梨花は沙都子のいない世界を”選ばない”
だからこの昭和63年の世界という夢は覚める。羽入が梨花のカケラ世界にいないためカケラとして残らないので、この世界から梨花の精神は離脱。
皆殺し編突入の段階で大元の古手梨花人格は既に死んでいると考えられること、加えて沙都子もこの世界に戻ってくる理由が無いので、梨花も沙都子も眠ったまま二度と目を覚まさない。
(※ちなみに賽殺し編では元の世界を選んで帰ってくるまでの時間、元の世界では1か月ちょっとの間ずっと眠っていた。夢の世界の1日が元の世界での約6日に相当する?)
ここでフレデリカ人格も含めて梨花の精神は梨花のカケラ世界に放り出されるが、もちろん羽入がいないため記憶は残らず、祭囃し編以降をすべて忘却。皆殺し編の後、カケラ紡ぎ前の状態に戻る。
平成ひぐらしでは、皆殺し編が終わっても梨花のカケラ世界は存在し続けていた。
しかし、今回はエウアの力によって梨花のカケラ世界に存在していたカケラは全て、一時期的に沙都子のカケラ世界に移動。
その影響で梨花のカケラ世界にフレデリカは例えどのような意思を持っていたとしても、自身の手で新しい世界が作れない。カケラ遊びができない。
彼女は真っ暗闇の中に一人、ただ存在するだけ。
(※ちなみに「ひぐらしのなく頃に業」世界の各騙し編で梨花が皆殺し編の記憶を持っているのは、フレデリカ人格が宿っているから。彼女は羽入のようにカケラ世界でカケラ操ることができ、皆殺し編の中身も把握している。この辺りはちょっと無理矢理な解釈のままでいたので、これでようやくスッキリした感じがします。)
②ルチーア2回目(小学校6年生~高校1年生)
今度は沙都子のカケラ世界の中で、フレデリカが壊したカケラを使ってエウアが「カケラ紡ぎ」を行い、沙都子の願いの通りルチーアルートに繋がっている「祭囃し編」→「郷壊し編」を再演。
そこに引っ張られる形でフレデリカも舞台に上がる。
当然フレデリカには祭囃し編以降の記憶が無いので、本体の梨花もルチーア1回目と同じような行動をとる。
沙都子の変化にももちろん気づかない。比較材料が無いので。
そしてこちらもセリフにフォーカスを当てていくと…。
梨花「嬉しかったのですよ。沙都子が本心を打ち明けてくれて、嬉しかったのです。
約束するのです。ボクは沙都子を一人にはしないのです。
沙都子が困っているときは、親友のボクが必ず助けるのです。
だから、ボクを信じて、聖ルチーア学園を目指してほしいのです。」
別にいつも一緒にいるとは言ってない…。困っているとき”は”…?
親友という言葉が建前のようにも感じます。
沙都子が大事なのではなくて、沙都子と”親友”であることが大事だと思っていそうな雰囲気。
どこか別作品にそういうキャラの人いるよね…(私たち親友でしょ?)(親友の私が助けて差し上げますわ!)
それに、沙都子と一緒に過ごすことよりも、ルチーア学園に入ることそのものが第一優先のように受け取れてしまいます。
こちらは次の③のセリフと比較することをおすすめします。
③シャンデリア心中後(中学校1年生)
元居たカケラ世界の一つ上の層に移動(※多重夢構造)
沙都子がエウアの力で【トラック〜用水路】の連続自殺の夢の間、梨花の100年のカケラは沙都子のカケラ世界に留まったまま。
上記の沙都子の夢の中の梨花は、フレデリカだったり古出梨花だったりします。
あくまでもフレデリカはカケラの外側から干渉する存在であるため、梨花のカケラ世界の1つ上層に存在する沙都子のカケラ世界のカケラには基本的には干渉できないはずなのですが、エウアさんの左手と右手、どちらがカケラに触れたかによって明確に変化しています。
自身の右手側にカケラがあるのに、わざわざ左手で触れているシーンがあるのです。
左手と右手の意味については、調べていただけたらわかると思いますので説明は省略しますが…「不浄の左手」とかそういった絡みです。宗教関連で検索してみてください。
(※不浄という言葉、猫騙し編 其の参で沙都子が使っていたりします。 )
ひぐらし向けに変換して簡潔に表しますと、左手で触れた先は「フレデリカ」。右手なら「古手梨花」です。
ということで、梨花が本音を語っているシーンとそうでないシーンを分けていきます。
まずは【トラック】の本屋さんにて。
セリフの違いに注目すると…
梨花「ずっとずっと、ボクには内緒にしていた夢があったのです。そしてそれを、沙都子と一緒に叶えたいのです。ハイソサエティな学園で、沙都子と2人で夢のような毎日を…」
梨花「大丈夫なのです。親友のボクがずっと一緒にいるから、大丈夫なのです…入学してからも、ずっと親友として一緒にいて、沙都子をひとりぼっちにしないと、約束するのです!」
「お生憎様ね…どっちも選べない!だって私、その両方を掴むんだもの!」
シャンデリア心中の世界よりも、”沙都子と2人で”頑張りたいという意思や「掴む」というかなり前のめりなセリフに変化しています。
あの世界では、一度は置いていこうとしていたはずなのに。
続いては【包丁】です。
こちらの世界を覗く前にエウアさんが左手で触れています。(※先ほど貼ったシーンです。)
なのでこの梨花はフレデリカです。以下比較していきます。
まず、両者の無意識下での違いがこちら。
沙都子への矢印の強さの違いが表れています。
沙都子の無限の準備期間は基本的にどのカケラに行ってもフレデリカなのですが、「郷壊し編 其の六」の鉄平とのやり取りのカケラは例外で、古手梨花です。
一旦脱線しますが、先にこちらの話をします。
まず、第一にカケラというのはその人物が思い描く、1つのIFの物語と解釈することができるのですが…(※解離性同一性障害→解離性健忘と繋がる先に作話があります。詳しくはこちらを→作話 - Wikipedia
エウアが沙都子に力を与えた時の描写を見ると、エウアは左手を沙都子にかざし、それに合わせてその時存在していたカケラが反応しているのです。
そして、鉄平とのシーンに入っていく繋ぎの描写がこちら。
沙都子が目を閉じ、沙都子の背面且つ遠くにカメラが移動し、我々の視界を遮るようにカケラが通っていくが何も映っていない。
もう1つ比較対象を出します。カケラを読むために、わざわざ目の前まで飛んでいく沙都子。
沙都子は目を開いたまま、対象となるカケラの正面に立つ。そこには映像が流れている。
このように真逆の動きになっているのです。
まだあります。北条家の状態と沙都子が小学生というギャップです。
まず、祟殺し編ルートで仮に鉄平が帰ってきたとして、2人だけでこれだけ傷んだ家を修繕するのは非現実的です。
また、夕飯の買い物でさえ後回しにされるのに、村から煙たがられている北条の家の手伝いをする人がいるとも思えません。
「さよなら、にーにー。」した沙都子にとっては北条家を守る理由もありませんし、そんな沙都子の心情が表れているようにも思えます。
以上から、この鉄平の一連のシーンは梨花の100年のカケラに入って分岐したものではなく、沙都子が0から生み出したカケラであるため、エウアの左手の干渉を受けていない。
沙都子はここまで来ても梨花の事を信じたいし、自分の方を向いていて欲しいのでしょうね。
さて、【包丁】でしたね。そこまで話を戻します…。
沙都子の期待とは裏腹にやはりルチーア学園への夢を語りだすフレデリカ。
梨花「そんな親友の沙都子なら、きっとボクの夢も理解してくれるのですよ。」
「沙都子にボクの夢を聞いてほしいのです。ボクは分校を卒業したら、雛見沢を離れ…」
…沙都子の言葉聞いてた?😭
親友の言葉を遮るように話し始める。
ルチーア1回目の広場でのやり取りと雰囲気が少し似ていますね。「黙って。」の所です。
次は【鉛筆】です。
もはや置いていく気満々なフレデリカ。
おかしいのは沙都子だと一蹴して、向き合おうとしない。
段階的に沙都子との距離を置くようになっています。
最後に【用水路】。
こちらはカケラの閲覧後のエウアの様子から、右手を使っていたことがわかります。
ということはここでは梨花ですね。
以下セリフ検証です。
沙都子「どうしてわかってくださいませんの!?」
梨花「わからない!ぜんっぜんわからないのです!」
沙都子「私がこんなにも梨花のことを想ってますのに!」
梨花「それがわからないって言ってるの!ボクのことを想ってるなら、どうして否定するの?なんで夢を認めてくれないの?!…この…分からず屋の沙都子!!」
沙都子「…分からず屋はそっちですわ!!」
【鉛筆】の時のように突っぱねたりせず、ちゃんと喧嘩してます。
セリフから考えても、お互いを理解し合いたいからこそ、ここまで発展したと読み取れます。
舞台は移り、姿も小学生に戻ります。
カケラ世界の足場がかなり崩壊していますね。
これは、本来の沙都子の心がかなり消耗していることを表していると考えられ、
「郷壊し編 其の七」ではより追い詰められている様子。
ここから考えられるのは、これ以上沙都子が繰り返してしまうとやがて自分で入るカケラを選べなくなるのではないか。ということです。
この世界では重力には逆らえていませんし、特定のカケラの目の前に飛ぼうとしても足場がなければ辿り着けないからです。
それがちょうど猫騙し編からだと思います。
梨花の100年には全く存在しなかったルートが続いていきます。
沙都子が既存のカケラを選べていない証拠だと思われます。
■猫かぶりにも限界がある
他にも細かいところで色々ありますが…祟騙し編が一番顕著に表れていた気がしますね。
以下は沙都子が吐くシーンの梨花です。
一枚目、耳塞いでますよね笑
賽殺し編の沙都子を椅子で殴るシーンが思い出されます。
■祭具殿の錠前について
「郷壊し編 其の参」と「猫騙し編 其の四」の祭具殿の鍵が同じタイプのものなのですが、これは錠前を破る必要のない世界の示唆です。鍵が要らないということです。
この2つの世界は共通して惨劇の起きない世界でした。
また、フレデリカはルールXYZに対して錠前という言葉を何度も使っています。
■アニメ版とマンガ版の差異について
どっちかが1周目説など存在していると思いますが、梨花と沙都子の精神状態の推移と、鬼狩柳桜の解釈から考え、私からは別の説を提示させていただきます。
ここまで読んでくださったのならば大体察しはつくかもしれませんが…
アニメ版が左手 マンガ版が右手 でエウアによって着色された物語です。
マンガ版を現在公開分まで通してみてみると、他のみんながシリアスな顔つきをしているのにも関わらず、梨花ちゃまだけやたらニコニコしているシーンが多いんです。
それに、沙都子を中心に仲間に対する冷たさもかなり軽減されていて、人を駒として見ている側面は少なからずありますが、それでもアニメより思いやりや強い意志を持って挑んでいる雰囲気があります。
「郷壊し編 其の伍」の自殺ラッシュの時点でさえ、どんな梨花であってもその言葉を受け入れることができず、その世界の梨花を捨て去ってしまった沙都子です。
更に精神の寿命が迫っている騙し編の時点では、もはや梨花の完全な改心以外には沙都子は納得できず、これくらいでは結果は変わらないということなのだと思います。
10.夢と価値
人生とは、常に自身の考える『価値』を追い続けることだと私は思います。
「夢」は達成してしまえばそこで無くなってしまうものだけれど、『価値』はそうじゃない。
『価値』とは、どういう自分でありたいか。誰と生きたいのか。そういった、死ぬまで消えることのない強固な意思のことを指します。
誰しも「夢」を持って生きています。例えば、「今の会社で役職持ちになりたい」などなど。
しかし、価値はこれよりひとつ上の階層に存在するものなのです。
『大切な人のために生きたい』
『世界で一番優しい人になりたい』
これらにはゴールが無く、死ぬまで常に追い求め続けるもの。
『大切な人のために生きたいから、今を頑張る。』
価値があってこその夢なのです。夢の先に、価値があるんです。
「ひぐらしのなく頃に業」の彼女は、夢は確かに持っていたけれど、価値を見失っていたのではないかと私は思います。
だから彼女は「夢」の続きを見れなかった。
10.?????
「…世界は君を許さないかもしれない。でも、それが何だってんだい! 僕が君を許すよ。だから生きよう。死ぬことは罪の償いにはならない。生きて償い、世界に許しを乞おう。そしてやり直すんだ」
「そうしたらきっと思い出せる。君が本当はどんな人で、…どんな風な笑顔を浮かべていたかをね!」
『私だって幸せになる権利がある。』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる 「フレデリカの夢」 ~完~
『神様のシンドローム』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる「雛見沢症候群とは」
- はじめに
- 結論
- 1.病と症候群の違い
- 2.文化依存症候群・解釈妄想病
- 3.寄生虫
- 4.脳脊髄液
- 5.アレルギー反応と雛見沢症候群
- 6.三大神経伝達物質と圭一・レナ・梨花
- 7.雛見沢症候群をレベル別に状態と症状解説
- 8.その他疑問点の解決
- おわりに
はじめに
こんにちは!ご覧いただきありがとうございます。
月詠 (@higurashi_moon) | Twitter と申します!
この記事は、以下で軽くお話した程度だった「雛見沢症候群」
終盤、
その結果得られた新しい結論と、その材料を全部書き込みました。ボリューム満点です。
だからといって、以前書いた大団円ルートは揺らぐことはありません。
羽入は諦めたくないのですが、それはきっと私のわがままでしょう…。
結論の項から先は、私が考えていった工程ほぼそのままになっていますので、流れに沿ってご覧いただければわかりやすいかと思います。
また、極力情報の出典は載せるようにしていますので、参考にしていただければと思います。
最後に、元々私に医学の知識があるわけではないことを承知の上、お付き合いいただけたら幸いです…!
だいぶ、というかたぶんどこにも出てないような新鮮な内容になってるかと思いますので、ご査収の程よろしくお願いします😛
7/8 追記
ひぐらし業のBD5巻の特典「女剥し編」にて、入江先生が「アレルギー」と口にしたことに一人で勝手に感動してしまいました。。。笑
前提
本記事においてのキーワードを箇条書きで示しておきます。 これらの細かな説明は「猫騙し〜卒」の記事でしたのでここではしません。
◆原始のオヤシロさま像(信仰)
諸悪の根源。人間性善説を土台としていた時代、
◆現代のオヤシロさま像(信仰)
慈愛の存在の神格化。人と鬼(他者に罪を求める心)が融和した状態。
結論
雛見沢症候群とは、アレルギー反応をその発症過程のモデルとし、
文化依存症候群を主とした、解釈妄想病、統合失調症、その他精神疾患が複合したものであり
本作においてその病原体となる寄生虫は、本来の意味である実在する生物ではなく「オヤシロさま信仰」のことである。
8/31 追記
神姦し編読んだらこんな記述が…?!
宗教分布図!?
1.病と症候群の違い
そもそも「○○病」と「○○症候群」では何が違うのか?「症候群」って何?というのを示しておこうと思います。
「○○症候群」とよくきくと思いますが、いくつかの症状や所見が一連のものとして認められ、経過や予後(医学上の見通し)などを含め特徴的な様子を示す“病的な状態”に対して、命名されることが多いようです。病的な状態を引き起こす原因については、(1)原因不明のもの、(2)さまざまな複数の原因があるもの、(3)はじめは原因不明であったが後に特定されたもの、などがあります。
このように、2つの言葉の間には明確な違いがあります。
雛見沢症候群に「症候群」という名前を使う理由が繋がるかなと思います。
2.文化依存症候群・解釈妄想病
まず、文化依存症候群とは、東南アジアの心の風土病「アモック」に代表される、ある地域、民族、文化環境において発生しやすい精神障害のことです。
(ちなみに日本では対人恐怖症という日本における文化特異的な恐怖症が存在しており、古くから我々の心に根付いた恥の文化が文化依存症候群を引き起こしていると考えられているそうです。)
雛見沢に置き換えて考えると、現在のオヤシロさま信仰が根強いその環境・文化が原因となっていると考えられます。
また、解釈妄想病については、顛末な何かを見る度に、それは「オヤシロさまの祟りである」と解釈してしまう思考そのものです。
およそダム戦争が始まる前までは、昭和58年時点で存命中の村のお年寄りしか信じていなかったこの考えが、連続怪死事件が毎年発生するに連れ、その子どもや孫の世代にもより強く感染していきました。
(参考TIPS:昼の出前リスト3[CS版は病名の記述無し。原作のみ。])
3.寄生虫
作中では雛見沢症候群は寄生虫が脳に寄生して発症するものだという考えが一般的のようなのですが、この寄生虫というのも正しいけど、正しくないというのが私の解釈です。つまりこれも言葉遊びですね。
脳に寄生しているのは実在する虫ではなく、村の高齢者を中心とした『高度感染者』から感染させられた「オヤシロさまは村の守り神。」「戒律を破れば祟りが下る。悪いことが起きれば、それはオヤシロさまの祟り(他人のせい)なんですよ。」という思想そのものを指しています。(圭一が高齢者にオヤシロさまについて熱弁されたという描写があるのですが、どこだったかな…)
これは皆殺し編のエンドロール後に見ることができる資料にも書かれていた通りで、村の高齢者には近づくべきじゃないというのは、そういった考えが刷り込まれてしまうから。ということなのです。
人が人へ、口頭でオヤシロさまについての話をする。これが思想の空気感染です。
現代的に例えるならば、Twitterで1つのツイートがRTされていくその様子のことですね。
これが「拡散」と呼ばれるように、1つの思想が感染していくのと似た構図になっています。まあ現代ではそう簡単にいかないと思いますが…。
昭和58年という時代だからこそですね。
さて。話を戻し、寄生虫について順に調べていきましょう。
入江機関が生きている人を検査・解剖したというお話がありますよね。
連続怪死事件1年目の犯人の1人がその対象となりました。
先生によれば、解剖の対象者からは異常な「成分」が検出されるという。
…なんとも曖昧な表現です。
これについてプリオン病に近いものではないか?という考察もWikipedia等で拝見しましたが、そうであるならば、以下の症状を『東京』が研究のために使用しているという電子顕微鏡で確認できるはずです。
異常プリオンによって生じる最も一般的な変化として、脳細胞内に微小な泡が形成され、脳に極めて小さな穴がたくさん開くことが挙げられます。異常プリオンに侵された脳組織のサンプルを顕微鏡で観察すると、スイスチーズやスポンジのように見えます(「海綿状」という病名はこれに由来します)。
この「最も一般的な変化」が確認されていない以上、プリオン病に当てはめるのは難しいのではないかと思います。
加えてこのプリオン病は、その種類によっては家族間での遺伝は実際にあるとされていますが、空気感染はしません。
以下の引用は、プリオン病の代表的なタイプである孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病についての内容です。
夫婦間や家族間の感染の報告はありません。当然、空気感染もなく、通常の日常生活での感染はありません。 一般的な医療行為や、看護、介護による日常的な接触にも感染の危険はありません
仮に雛見沢の村人全員がこの病を患っていたとするならば、村人同士で結婚→出産を繰り返している…ということになってしまいませんか?
村の外から人が入ってきて、その人との子を授かるというのは実例があります。園崎茜さんです。家出してヤクザを連れ帰ってきたというお話ですね。
また、遺伝というのは100%起こるものではありません。
村人全員の一斉検査も、研究の秘匿性を考えて不可能です。魅音もこれに対して否定しています。
よって、雛見沢症候群がプリオン病由来のものとするには、様々な面で難しい。ということになります。
鷹野さんや入江先生が「村人全員が感染している」と話すのは、鷹野さんにとっては故高野一二三先生の研究の正当性を疑いたくないという気持ちから。
入江先生にとっても研究のベースとなるのは高野一二三先生の研究内容ですから、それを前提として研究を進めることは、特段おかしなことでは無いと思います。
これで落ち着いたなぁなんて思ってゲームを進めていくと、とんでもないワードが出て来ました。
後に気づくのですが、これが非常に大切なキーワードでした…。
罪滅し編にて、レナが鷹野さんのスクラップ帳の中身を元に圭一に電話をするシーンにて「IgE(アイジーイー)」という単語が出てきたのです。
IgEは免疫グロブリンの一種です。身体のなかに入ってきたアレルギーの原因物質(アレルゲン)に対して働きかけ、身体を守る機能を持つ抗体です。IgE抗体は普通は血液中にとても少ないのですが、アレルギー体質の場合は血液中に大量のIgE抗体が存在するといわれています。
なるほど。これが例の「成分」の正体かな…?と思ったのも束の間、スクラップ帳の記述によると
「雛見沢出身者を対象に検査をしたところ、IgE抗体量の高い値が確認できるが誰もアレルギー反応を起こしていない。」
というのです。
???
ということは、このIgEが体に存在するだけではアレルギー反応は起こらないのでしょうか?
疑問に思ったのでIgEについてもう少し調べてみると、こんな記述がありました。
アレルギーの血液検査で測定しているのが、このIgE抗体の量であり、現在200種類以上のアレルゲンに対する特異IgE抗体を測定することができます。測定値は、クラスという段階的に量をわかりやすく示す方法でクラス0~6まで7段階で示す方法がとられています。値が高い方がその特異IgEの量が多いことを示していますが、ここで気をつけなければいけないことは、この値が高いからと言って必ずしも臨床症状と相関しないということです。特に、食物アレルゲンでは、特異IgE抗体がある程度高くてもそのアレルゲンを摂取しても症状がでないことがしばしば経験されます。
まず「雛見沢”出身者”」という検査対象なのが何とも怪しいところではあるのですが、現に雛見沢に住んでいる人に対しては特に、この病気のことを教えられないはずなのでそれは良いとして…
他にも検査対象は何人だったのかということも気になりますし、少人数であったのならば、たまたま検査対象の全員がIgEの値が高いけれどアレルギー反応を起こさないタイプの人間であった。という可能性も捨てきれないんですよね。。。
加えてこの「IgE」が病原体だとすると、生きたまま頭を解剖しないと検出されない。死んだらその「成分」は溶解する。という点と大きく矛盾するのです。
以上のことを踏まえて、雛見沢症候群患者から検出される「成分」についてIgEではないと考え、雛見沢症候群の引き起こす症状群から再考した結果…
(※モンスターハンターポータブルGではないです←読んじゃった人)
これがその成分なのではないか?と一旦の仮説として、調べてみることにしました。
ノルアドレナリンとMHPG
まずはじめに、ノルアドレナリンについて調べてみます。
ノルアドレナリンとは、脳内の情報伝達に欠かせない「三大神経伝達物質」のひとつです。
ノルアドレナリンの役割をひとことで言えば、危機と闘ったりストレスから逃げたりするために、心身を「戦闘モード」にすること。ノルアドレナリンは、「闘争と逃走(fight or flight)」をつかさどる物質とされています。
これだけ見ていると、雛見沢症候群L5相当の患者の雰囲気とかなり合致していますね。
「戦闘モード」というのが特に、末期発症者の様子と重なります。
また、このノルアドレナリンは以下のような効果をもたらすとされています。
①脳を活性化する
②記憶力を向上させる
③情報処理のスピードを上げる
④ほどよい緊張感をもたらす
①、③、④については祟殺し編の圭一による鉄平殺しのシーンを思い出すのが一番わかりやすそうです。
ただし、②については怪しいですね。
L5+発症者はその行動当時の記憶を失っていることがあります。
(※連続怪死事件2年目の沙都子、鬼隠し編の圭一など)
しかし、この②に関しては「文化依存症候群」でカバーできてしまいます。
・取り押さえられてアモックが終わった場合、虚脱状態になり、後で正常にもどった時、アモックが起きていた時の記憶が失われている事が多い
この、記憶を失うという症状、こちらも現実に存在する病気で
「解離性健忘」というものがあるのです。
解離性健忘とは、トラウマやストレスによって引き起こされる記憶喪失(健忘)のことで、自分にとって重要な情報が思い出せなくなります。
では、「MHPG」とは何なのでしょうか。
3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコールは、ノルアドレナリンの代謝物質である。脳では、ノルアドレナリンの最も主要な代謝物質である。血液や脳脊髄液の中に放出されるため、血液検体中のMHPGは直近の交感神経系の活動の指標となる。
なんと 「血液や脳脊髄液」に含まれていると書いてあります。
これは答えに一気に近づいた感覚があります。
作品内で出てきた検査といえば、主にこの2つを対象としたものです。
他にも以下のような記述もあります。
末梢血中または尿中のMHPGの約60%は中枢神経由来と考えられており,MHPGは中枢ノルアドレナリン作動神経の活動状態を反映していると考えられることから,精神神経疾患など中枢の異常が疾患の成因に関与する場合には,MHPGの測定が極めて重要な意義をもつと考えられる.
①異常値を示す病態・疾患
・減少する疾患
Alzheimer病, うつ病, うつ病・上昇する疾患
Toulette病候病(一部), 神経性食欲不振病, 統合失調症
ノルアドレナリンが活発になると、この「MHPG」の量が増え、つまりそれが多いのならば統合失調症が疑われるということです。
統合失調症を雛見沢症候群のレベルで表すのならば、およそ「L3+~L4」相当の病状と考えられます。幻覚や妄想が主な症状です。
ここまで雛見沢症候群に関わりの深い物質なのですが、やはりこの「MHPG」も、死んだら溶解するなんて記述はどこにも載っていないのです。。。
しかしここで諦めるには早いです。進んでみなければ何もわからないので、ひとまずこのまま突っ切ってみることにします。
4.脳脊髄液
さて、ここからは連続怪死事件1年目の殺人犯である「人物A」と「梨花」の両者について絡めながら、先ほど出てきた「脳脊髄液」とその検査方法について調べていきます。
まず両者は解剖や検査の結果、どうやら検出した「成分」が異なるようです。(確認して)
これについて考えてみます。
両者の違いとは何のか。
それは2人の「精神状態(心)」にあると思います。
心の状態がその「成分」に影響を与えるのであれば、殺人犯であり、既に錯乱した状態で無理やり実験体にされた人物Aと、自ら了承し協力的な梨花とでは、その「成分」が異なっていてもおかしくないと考えられます。
脳脊髄液検査(腰椎穿刺)
そもそも脳脊髄液とは、脳と脊髄を取り囲む無色透明な液体です。
体内に150ml程度存在し、日々500ml(1時間あたり約20ml)が新たに作られています。
そしてそれを採取するための検査が「腰椎穿刺(ようついせんし)」です。
梨花のお母さんがあやふやに発言していた以下画像の「何とか何とか」というのは
このことを指していると思われます。
(1回覚えただけじゃすぐ読めなくなります笑 勝手に梨花ママの気持ちとリンクしました。)
参考:「当科における脳脊髄液の検査について」呉医療センター・中国がんセンター
https://kure.hosp.go.jp/pdf/department/psychiatry/zuieki_kensa.pdf
私自身勘違いしていた部分なのですが、この脳脊髄液採取にあたって入江先生が施した処置の内容についてです。
入江先生は本来誠実な人ですし、梨花の検査を行う1年前(昭和55年)には沙都子に対して生きたまま解剖することを躊躇い、梨花の言葉に後押しされて治療薬(C103)の治験に計画を変更したという事実もあります。
そのため、古手家の両親2人に嘘をついたうえで真っ先に梨花の頭に穴を空けるなんて考えられません。
また、入江先生は梨花に対する「脳脊髄液採取」について、先に梨花のお父さんにだけ話すシーンがあるのですが、そこでは以下のように話しているのです。
まず、事実の確認から行います。上のキャプチャ画像の一連のシーンの最後に「翌週、その承諾は得られた。」という一文が表示され、実際に梨花の母も検査の内容を何となくではあるものの知っているようです。
そして、梨花の高熱の原因を「何とか何とかという怪しい実験のせい」「変な注射」というキーワードを発言しています。
前者は「腰椎穿刺」、後者の注射というのは腰椎穿刺を行う際に使用する「麻酔薬の注射」のことを指していると思われます。
もちろん、この曲解した認識は入江先生の通り誤解なわけで、正式な検査であり、必要な麻酔注射です。
他にも頭蓋の穿孔を否定する材料があります。入院期間です。
開頭手術は調べていただければわかる通り、どの病院でも1週間以上の入院を必要といています。
しかし、梨花は描写されている通り1週間経過する前に家に戻っています。
そもそも入院したという描写もありません。
最後に残る疑問は恐らくあと一つです。
なぜ「高熱」が出たのか。
これは腰椎穿刺の有害事象の1つである「急性細菌性髄膜炎」だと思われます。
きわめてまれに、血腫による神経圧迫、神経根の傷害による下肢筋の
麻痺や穿刺部位からの感染による髄膜炎、脳ヘルニアなどが生じることがあります。
https://kure.hosp.go.jp/pdf/department/psychiatry/zuieki_kensa.pdf
この急性細菌性髄膜炎の特徴として、以下があります。
ほとんどの小児と成人では、急性細菌性髄膜炎は3~5日かけてゆっくり悪化する症状で始まります。具体的には、全身のだるさ、発熱、易怒性、嘔吐などの症状がみられます。のどの痛み、せき、鼻水などがみられることもあります。こうした漠然とした症状はウイルス感染症に似ています。
梨花の母は梨花に対して「周りより発育が悪い」としている点から、感染のリスクが通常より高く、重症化し易かったと言えるでしょう。
ちなみにこの検査は、近年でも精神疾患の診断に用いられ続けているちゃんとした検査です。
調べていくと医療センターのPDFばかりが出てきます…笑
客観的な診断・評価法のない、統合失調症やうつ病。
世界トップレベルの脳脊髄液バイオリソースを用い、
診断・治療の目印となる分子を最新技術で探索。
「脳脊髄液で精神疾患の診断を」国立精神・神経医療研究センター
では逆に、昭和58年にもそのような検査は存在したのか?
という疑問を持ちましたのでこれも調べてみると…
なんと1982年(昭和57年)の研究結果資料が見つかりました!近い!
■躁うつ病の中枢ノルアドレナリン代謝一血漿
3−methoxy・4−hydroxyphenylglyco1(MHPG)レベルを指標とした病態診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyorinmed/13/2/13_KJ00003279599/_pdf
もう少し前には無いのかと探したら、今度は1977年(昭和52年)の資料にもその存在が書かれていました。
■各種神経系疾患における髄液 免疫グログリンE(IgE)動態
http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/1/17180/20160527230145742993/89_913.pdf
しかし、意気揚々とここまで書いたところで再びゲームを進めたら、どうも怪しいのです。
「IgE」という単語が記載されていた鷹野さんのスクラップ帳は、何冊も何冊も似たようなものが存在しており、それはまるで、代々古手家に伝わる複数の「禁書」と同じような雰囲気を持っているのです。
それらと同じように、スクラップ帳も我々を煙に巻いているのではないかと思ったのです。
実際に、レナ・魅音・沙都子は過去に鷹野さんの持つ、別々の内容のスクラップ帳の内容をそれぞれ読まされていて、異星人だの地底人だのと話がややこしくなっています。
しかも、圭一が魅音にスクラップ帳の中身について質問しているシーンで「確かにそうだ!」とハッとしてしまうくらいには、私もこのスクラップ帳に捕われてしまっていたことに気づいたんです。。。
考えてみれば、秘匿性のある研究内容なのに、赤の他人に真実そのままが書かれている書物を渡すわけがないのです。
けれども、こうして我々に見える形で提示されたということ、そして「古手家の禁書」の存在と似ているということは、ヒントが混じっているのでは?伝えたいことは別にあるのではないか?そう思ったため、別の角度から攻めなおしてみることにしました。
5.アレルギー反応と雛見沢症候群
ここで「IgE」のお話に戻してみましょう。
いくら鷹野さんのスクラップ帳というオカルトチックな内容の中、突然出てきたこのワードに意味がないとは思えません。
これを調べるにあたって目に入ったのは「アレルギー」という言葉です。
食物アレルギー、金属アレルギー、花粉もそうですよね。我々にとって非常に身近な体の反応です。
そこで注目したのは、アレルギーってどういう仕組みで起こってしまうのか。という点です。
私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに体内に「抗体」がつくられ、これら外敵をやっつけようとする「免疫」というしくみがそなわっています。
ところが、この免疫のしくみが、食べ物や花粉など私たちの体に害を与えない物質に対しても「有害な物質だ!」と過剰に反応して、攻撃をし過ぎる結果、逆にマイナスの症状を引き起こしてしまうのが「アレルギー」です。本来は体を守るはずの反応が、自分自身を傷つけてしまうアレルギー反応に変わるのです。
「本来は体を守るはずの反応が、自分自身を傷つけてしまうアレルギー反応に変わる」
この部分が特に、L5発症者の症状と似ているのです…!
これを踏まえた上で、以下の画像の文章を
マスト細胞→心
アレルギー反応→疑心暗鬼
IgE→疑心
病原体→人に罪を求める心(=悪い心)
寄生虫→慈愛の心(=善い心)
レセプター→受容体
上記の通りに差し替えて読んでみます。
『疑心は心を刺激し、その結果、分泌されるヒスタミン、セロトニンは疑心暗鬼を起こすことでも知られている。
この反応は人間にとって不快なものだが、人体にとっては悪い心を駆逐するために起こす、止むを得ない反応なのである。
だが善い心は、これによって駆逐されることを逃れるため、疑心を不活性化させる物質を分泌する。
この結果、不活性化した疑心は心の疑心受容体を刺激せず、刺激物質を分泌しない。
その結果、抗原抗体反応である疑心暗鬼が発生しない。
つまり、善い心の寄生を受けた人体は、疑心を多く分泌し、かつ疑心暗鬼を起こさないのだ。』
恐らく、差し替える言葉としてもっと適切なものはあるとは思います。「IgE→罪」とか。
ヒスタミンなど、差し替えてない文言があるので文章自体はもちろん崩れてしまうのですが、それでも「ひぐらしのなく頃に」を感じませんか?
これは1つの例ですが、仲間を信じられなくなっている圭一に対して、梨花ちゃんが頭を撫でているシーンが浮かんでくるんです。
軽度な疑心であれば包み込むこともできるでしょうが、部活メンバーの過去は総じて重たいのでブレーキが効きにくいと思われます。
「アナフィラキシーショックと同じで、仮に異物が完全に取り除かれても、人体側に過剰な反応を示す体質が作られてしまいます。」 と入江先生が仰っていたのは、一度植え付けられた強いトラウマはどのような形であっても、生涯自身を苛み続けるということでしょう。
トラウマの克服は容易ではない。ということです。
エウアさんの言っていた「記憶の累積は不可逆的だ。」という言葉も、ここにかかっているように思います。一度知ってしまったら、 知らない状態には戻れないのです。
ここまで分かってようやく、生きている内に解剖しなければ検出できず、死んだら溶解してしまう「成分」の正体が「オヤシロさま信仰」だと気づいたのです。
人の死とはつまり、脳の死。死んでしまったら、その肉体から心は無くなってしまいますから。
H173の正体
雛見沢症候群がアレルギー反応をモデルにしていると分かったのなら、これも分かるはずです。
L3以上の患者に注射をすることによって、強制的にL5へ至らせる薬。
鷹野さんが、雛見沢症候群がアレルギー反応に似ていることから知見を得て開発させたのが「H173」ということです。
引き続きアレルギー反応について調べていたらやっぱり出てきました。
偽アレルギー反応という言葉が。
それを故意に発生させるため、偽アレルギー反応を起こすと報告されてきたある麻酔薬を改造したのです。偽というのがまたハマりますね。
アレルギー反応の型は「Ⅰ型:アナフィラキシー型」。
通常数分〜2,3時間での発症ですが、そのタイミングの調整は研究開発の成果と言えるでしょう。
免疫化学、免疫病理、生物学などの進歩にともない現在ではアレルギーとは生体が既柱において異物に接触し、(抗原・アレルゲン)、感作された状態で、再度同一物質や類似物質の侵入をうけることによって起きた抗原抗体反応の結果もたらされる病的過程をいう。
そこで薬物アレルギーとは医療に用いられる薬剤を抗原とした抗原抗体反応が人体に障害的に働くために生ずる疾患
Ⅰ型アレルギー反応のアナフィラキシー型は免疫グロブリン中のIgEと関係があることからIgE dependent reaction(依存反応) といわれている
ちなみに富竹が雛見沢症候群L3相当に至ったその原因(感染源)は、疑うことも無く鷹野さんです。だいぶ怖がらせていましたね。
とはいえ、H173の1回目の投与を終えているので、幻覚作用が多少出ている可能性もあり得ると思います。
しかし重要なのは、このH173は結局のところオヤシロさま信仰の寄生とは何も関係無しに、同じ人に2回投与すれば偽アレルギー反応が引き起こされ、死に至ってしまう。という点です。
雛見沢症候群の発症レベルは全く関係ないのです。(自分の祟騙し編の記事を自分で殴っている感覚ですね…笑)
一応これも触れておきますが今回は関係ありません…沙都子が入江先生に教わっている注射の針は同じものを使用してはならないというルールです。
ここから「ひぐらしのなく頃に業」の話に移っていきます。
先生の言いつけを守るという沙都子、そして盗んだH173のケースの中身。
ご覧の通り、シリンダーと注射針は1本ずつ、そしてH173の薬剤は1つだけです。
沙都子が持っているであろうC120用の注射針はあるでしょうが、結局のところアンプルが1つしかないので関係ありません。
H173の薬剤が「バイアル」ではなく「アンプル」に入っていることから、1回で使い切ることを想定して開発されていると想像することができます。
バイアルとは注射剤を入れるための容器で、ガラスもしくはプラスチックでできた瓶にゴムで栓をしたものを指す。微生物の侵入を防ぎ、無菌状態を保つことができる。
バイアルに入った注射剤を使用する際は、ゴム栓に注射針を刺して中身を吸い出す。蓋を開ける必要がないため、注射剤を一度で使い切らなくても良いというメリットがある。
注射剤を入れる容器として、すべてガラスでできた「アンプル」が古くから使われているが、アンプルは一度開栓すると使い切らなくてはならないうえ、開栓時に怪我をする危険性があるなどのデメリットがある。
バイアルとは | 製薬業界 用語辞典 | Answers(アンサーズ)
富竹さんの発症過程はこうです。
①雛見沢に入るときにH173を投与され、身体にその薬剤の抗体を作らされる。
※1人に対してアンプル1本分の投与で、適切に効果を得られる。
②2回目のH173の投与。既に1回目の注射で抗体が作られてしまっているため、再度同一物質の侵入を受けると、アナフィラキシー型の偽アレルギー反応を起こす。
③薬剤の作用によって悪夢・幻覚を見て錯乱。角材を持って暴れ回っていたのもこれが理由。
④薬疹により喉を掻きむしって死亡(http://www.saitama-med.ac.jp/lecture/materials/15-H1803-2.pdf )
というわけで、1本しか盗んでいない沙都子には他人を疑似発症させるための用意ができていません。対象者に抗体が作られるだけです。
大石にも、それ以降の赤坂〜圭一に対しても無理です。大石は状況的に雛見沢症候群L3-くらいにはなるかもしれませんが、それとH173は無関係ですから。
つまり、神の干渉無くして、あの大石発症はあり得ないということです。
私が書いた、沙都子の指パッチンでの「結果」の書き換えを適用したいところですが
あの力は「物理法則(世界のルール)」を乗り越えられないと考えているため、疑似発症に至る「過程(対象者に抗体ができていること)」をクリアできていなければ不可能となります。
(※指パッチン特殊能力説は綿明し編で否定されましたw)
そういえば、あのシーンだけ不思議な鈴の音が聞こえましたね………?
このタイミング良く鳴り出す「チリン…」という鈴の音にも、ちゃんとした意味があると考え調べてみると…
神社では、「鈴」がよく目につくかと思います。拝殿入口(向拝)に吊してある大鈴(坪鈴)を始め、巫女が舞いを奉納するときにもよく鈴を手にしています。また、交通安全などのお守りや守護破魔矢(破魔矢)などにも小さな鈴がついていますよね。
古来より鈴には「邪なるものを祓う力」があると考えられてきました。注意すべきは、鈴そのものにではなく、「鈴の音」に力があるということです。向拝の大鈴は鳴らさなくてはお祓いの意味がないのです。確かに、あの大きく厳かな音を聞けば、身が引き締まって邪心や悪霊は吹き飛んでしまいそうです。交通安全の御守に付いている鈴も、車内に吊せば振動で音が鳴ります。そう、車内の邪なるものを祓うためです。そういった意味では、鈴付き守護矢もちょっと手荒に振り回すくらいのほうがよいのかもしれませんね。
もうひとつ。鈴の音には「心を引きつける」力もあると考えられました。奉納舞などで巫女が手に持ち鳴らす鈴は、こちらの意味です。澄んだ鈴の音で神様の御霊(みたま)を引きつけ、御霊の昂揚を期待し、より大きな御神徳を得ようというわけです。
参拝時に大鈴を鳴らすのも「神様の御霊をお呼びするためである」と説明される神職の方も多いようです。確かにそういった考え方もあるのかも知れませんが、その場合は少なくとも澄んだ美しい音色の鈴に限っての話でしょう。大きな鈴(坪鈴)は「お祓い」、小さな鈴は「御霊を引く」と憶えておくとよいかもしれません。実際に大きな鈴と小さな鈴の両方を吊している神社もよく見かけます。両方の意味でそうなさっているのでしょう。
他にも「神のおとづれは“音連れ”」という考え方もあり、共通して神様の世界と人の世界が繋がったことを意味していると考えられます。
この作品の神様ができることといえば、巫女に夢を見させることです。
これは巫女である沙都子や梨花よりも一段上の力です。
あったかもしれない2人のIFの世界。それらが融合し、ここからハッキリと描写されていくという合図なのです。
本来であれば有り得ないことが、梨花と沙都子目線で、勝手に起こっていくのです。
例えトラップで注射対象者が気絶して、沙都子が注射を実際に打ったという描写がされても、それは神の力によって可能であるかのように見せられているだけなのです。
脚本の書き換えと言いましょうか。
この、梨花からは観測できない第三者視点で映る沙都子の表情とも意味が繋がります。
「ひぐらし業」と繋がる点はまだあります。前述の「夢を見させている」ことの暗示としても働いている、「猫騙し編 其の参」で描写されるこの薬剤です。
カタラールと読めるこの注射剤は、他の方も予想されていた通り「ケタラール」が元ネタと思われます。
沙都子が盗んだ注射剤=H173=麻酔薬=ケタラール=悪夢(ケタラールの作用)
このように全てが一本の線で繋がっていくのです。
ケタミン(英語: Ketamine)は、アリルシクロヘキシルアミン系の解離性麻酔薬である。日本では麻酔薬のケタラール(第一三共)として静脈注射剤と筋肉注射剤がある
医薬品インタビューフォームには、15%前後の者は麻酔からの覚醒時に「夢のような状態・幻覚・興奮・錯乱状態」などの症状が現れると記載されている。通常は数時間で回復するが、24時間以内に再発することもある(フラッシュバック)
6.三大神経伝達物質と圭一・レナ・梨花
そろそろまとめに入りましょう。
この記事の序盤で「ノルアドレナリン」の引用を入れた際に、赤字にしていた三大神経伝達物質についてです。
特にこれは難しいことでもなく…
三大神経伝達物質である「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」がそれぞれ「圭一」「レナ」「梨花」に当てはまるなぁと思ったのです。
これらにはちゃんとイメージカラーがあって…
ドーパミン:ポジティブの【赤】
快感や意欲をつかさどる
ノルアドレナリン:ネガティブの【青】
緊張感や危機感をつかさどる
セロトニン:安定の【緑】
安らぎや充足感をつかさどる
そして俺は赤い炎、レナは青い炎だ!と圭一や羽入例えているシーンが実際にあるんです。
とすると、緑は梨花ちゃんですね!
沙都子を慈しみ、癒し続けた梨花ちゃんにはぴったりです。
7.雛見沢症候群をレベル別に状態と症状解説
◆原始のオヤシロさま像(信仰)
諸悪の根源。人間性善説を土台としていた時代、
→人に罪を求める心(誰かのせいにする心)
◆現代のオヤシロさま像(信仰)
慈愛の存在の神格化。人と鬼(他者に罪を求める心)が融和した状態。
キリスト教の原罪にあたる。
→慈愛の心(思いやりの心)
■L1
対象:該当者なし
(現代のオヤシロさま信仰だけを知っている人が対象のため。今の雛見沢に来た時点で祟りの話は必然的に聞かされてしまう。知らない状態には戻れない。)
■L2
対象:雛見沢の現住人を含む、村を訪れたことがある人
(現代のオヤシロさま信仰[原罪]と原始のオヤシロさま信仰[性善説]の混在)
状況:現代のオヤシロさま信仰が優勢
症状:非常に軽微な疑心暗鬼
■L3
状況:現代と原始のオヤシロさま信仰が拮抗。アレルギー反応が出始める。
■L4
状況:原始のオヤシロさま信仰が優勢。アレルギー反応が強まっている。
症状:統合失調症、かゆみ[(アトピー性皮膚炎+蕁麻疹)/2]
■L5
状況:原始のオヤシロさま信仰に完全に囚われている。慈愛の心を失い、アレルギー反応が抑えられずやがて自害する。
結局、途中まで調べていたノルアドレナリンやらMHPGは、雛見沢症候群の症状に関連するものだったということです!
入江先生が連続怪死事件1年目の犯人を解剖した際に至った答えは、こちらのことを指していたのでしょう。
鷹野さんはその犯人に対する「反応実験」によって、症候群とアレルギー反応との類似性を見出したのでしょう。
梨花への腰椎穿刺を依頼するシーンの中で、 病原体についての考えが分かれてしまっていることが読み取れます。
8.その他疑問点の解決
①雛見沢から離れた距離・時間が大きいほどに発症確率が上がる?
鷹野さんのスクラップ帳に「異常なホームシック」についての記述があります。
基本的には、雛見沢という土地に大きな希望や、癒しを求めている人に限ってホームシックのような状態になるのでしょう。
罪滅し編の魅音によると、近年の雛見沢の過疎化は問題となっているらしいです。
ただの村人が雛見沢から出ていって仮に全員発症して凶行に走っているのだとしたら、もっと村の中でその話が話題にされるはずだし、雛見沢から絶対に出ては行けないと村人全員が思っているはず。
そもそも主人公もその周りの部活メンバーもみんな過去が重く、村の一般人と一緒にして考えてはいけないでしょう。
過去に強いトラウマを持っていると、精神疾患はアナフィラキシーショックのように再発する可能性が高くなると思われます。
②C120について
現実にある精神安定剤が元ネタです。
健常者に使うとショック状態や言語不能、行動異常、強迫観念などの恐ろしい症状が現れるものも多いです。
ただし、現実のものと違ってC120には依存性はない模様。 こちらも研究開発の成果と言えるのだと思います。
また、これらには注射剤も存在します。 しかし、毎日の注射が必要なものは見つけることができず、現代では注射剤というものは2〜3週間ほど効果が持続するという優れものになっています。
ドパミン効果主体の薬など現代にはC120に近い薬もあるようですが…。
あと、調べるうちに日本の精神薬物療法史なんてサイトも見つけましたが、あまりにも薬の種類が多すぎて訳わからないので投げ出しました😉笑笑
③女王感染者とは?
今までに記した通り、オヤシロさま信仰の大元。ということです。
現代のオヤシロさまの方ですね。
女王の近くにいれば症状を抑えられるというのも、本編ではよく目にした光景かと思います。
大抵他の要因に押し潰れて負けてしまっているわけですが…。
④喉が痒くなる理由?
アトピーのサイトのこの文章が一番適切なように感じましたので引用します。
圧迫や脅迫、身に差し迫った危険を感じたとき、アドレナリンが盛んに分泌され動悸が高まって身体は「戦闘態勢」に入ります。
ストレスがかかった状態ですがこのときに痒みを伴うことが多いとされています。
危機が去ると平静に戻りますが、多忙な現代生活ではつねに何らかのストレスに晒された状態がつづき、絶え間なく痒さがつづくことになります。
6/17 追記
⑤猫アレルギーの治療と梨花と沙都子の関係について
アレルギーは現代医学でも完治ができない難病なのですが、猫アレルギーの人が家猫と一緒に住むうちに慣れてしまうように、同じアレルゲンを摂取し続けることによってその症状が治まっていく可能性があります。
ちなみにこの話をしてくれた知人は、家猫はOKだけれど、他の猫はダメらしい。
この話を梨花と沙都子の関係にも当てはめることができるのです。
あの手この手を使って沙都子の心を解いてほしいですね^^!!!!!!
猫じゃなくてもこういうお話があります👇
おわりに
こんなカロリー高めな記事を最後までご覧いただき、本当にありがとうございます…!!!
雛見沢症候群についての新しい見方、結論を出せたと思います。
鬼狩柳桜が全てを繋いでくれているという感覚です。
今まで自分で考えてきたものが、今回の発見でより強固になったと思いました。
ここまで繋がるのにまるで的外れだったとしたらガックリきちゃいそうです笑
挑んだ上での敗北なので、それが勝負ということなのですが🙄
感想などなどあればお気軽に、コメントでもTwitterの方にでも!
軸が定まったので、あと大きな記事を1本出したら、卒までは今までの記事を見直して再び構築し直そうと思います〜〜〜では!!
この記事は、自分の解答を元に構築しています。
時間の経過とともに少し結論が変わっていたりするので噛み合わない部分もあると思いますが、後に簡潔にまとめた記事を出そうと思います。
①今となってはガバガバな部分が多い祟騙し編
②大団円ルートを見出した猫騙し編〜卒
以降の基盤となる鬼狩柳桜の解釈についてなど色々
③夢の世界のルールを解いていく祭囃し編〜郷壊し編
④鬼狩柳桜についての再考と羽入の動機について探る
⑤業の世界を作り上げた者(次はこちら!)
閲覧ありがとうございました!🌙
『神様のシンドローム』ひぐらしのなく頃に業/卒 本気で解答してみる「雛見沢症候群とは」
〜完〜